チームラボ猪子寿之に聞く、2016年総括と2017年展望「体験型アートの可能性」

2016.12.09 09:00

SENSORSメンバーおよび今年SENSORSが取材したトップランナーに聞く『2016年総括、2017年展望』。 第一弾はチームラボ猪子寿之氏にインタビュー。

テクノロジー&エンターテインメント業界のトップランナー達が時代をどのようにとらえ、未来に向かうのか?『2016年総括、2017年展望』シリーズ第一弾はチームラボ猪子寿之氏に伺う。

SENSORS『2016年総括、2017年展望』シリーズ
【第一弾】チームラボ猪子寿之「体験型アートの可能性」
【第二弾】NewsPicks佐々木紀彦「日本3.0」「境界線を超えられる人の価値」
【第三弾】ライゾマ真鍋大度「リオ五輪」「人工知能×クリエイティブ」
【第四弾】PARTY中村洋基「スタートアップ×クリエイティブ」
【第五弾】ジェイ・コウガミ「21世紀のデジタル音楽ビジネス」
【第六弾】LINE谷口マサト「バズるコンテンツの方程式」
【第七弾】Mistletoe孫泰蔵「コミュニティ型スタートアップ」「防災テック」
【第八弾】バスキュール朴正義「データ×エンターテインメント」
【第九弾】コルク佐渡島庸平「"言語の壁"を超える熱狂」
【第十弾】落合陽一「幽体の向こうへ」
(※当シリーズは各位に固定質問+1に答えてもらうメールベースの取材である)

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SENSORSメンバーの猪子氏に2016年について、来年の展望を伺った。

--2016年、一番印象に残った出来事、作品・プロジェクトを教えてください。

猪子:
今年一番インパクトあったプロジェクトはアメリカ、シリコンバレーで2月から12月まで行っているチームラボの大展覧会です。 シリコンバレーの人々に強く支持してもらい、7月までの会期が12月まで伸びました。 新しい社会を創り、世界を変えてきたそうそうたる人々に支持してもらえて大きな展覧会をすることができ、すごく光栄に思っています。

--2017年、注目すべき人、国を教えてください。

猪子:
バンコクと、マニラ、ですかね。 新たな文化や文化の担い手が現れて来るポテンシャルが大きいからです。
あとは、Philippe Parreno
2015年のNYのPark Avenue Armoryの展覧会に感動しました。

--「2017年の抱負」を教えてください。

猪子:
世界中でいろんなことがやっていけたらいいな、と思ってます。

--チームラボが手がける「体験型アート」。この体験型アートの可能性はどこまで広がるのでしょうか?

猪子:
ここ数年、チームラボのいくつかの体験型のアートは、「Body Immersive」というコンセプトで創っています。 物質から分離され、解放されたデジタルアートは、意図された動的なふるまいによる視覚的錯覚、もしくは、キャンバス(媒介させるもの)が変容的なものになることによって、これまでより身体ごと没入できるようになると考えているからです。

身体ごとアートの塊へ没入することによって、自分とアートとの境界は曖昧になる。その体験によって自己と世界との境界が少しなくなっていくんじゃないかと考えています。 そして、アート、つまり、一つの共通の世界が自分や他者の存在で変化していくことで、自分と他者が世界に溶け込んだ一体感のようなものを感じるだろう、と。

人々がこのような体験をしていくことで、人間は境界が前提にある思考から少し解放されていくのではないかと願っています。
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SENSORSメンバーの猪子氏に2016年について、来年の展望を伺った。写真は「チームラボ・猪子寿之氏に聞く テクノロジー×アートは、未来に何をもたらすか」より。

--最後に、今手がけているプロジェクトについて教えてください。

猪子:
いくつかご紹介させてください。

一つ目、は 「徳島ライトシティアートナイト - チームラボ 光る川と光る森」です。 「呼応する球体のゆらめく川」など、徳島の川や城跡の森がそのまま巨大なアート作品になります。
【開催概要】
徳島LEDアートフェスティバル2016
徳島ライトシティアートナイト - チームラボ 光る川と光る森
会期: 2016年12月16日(金)~25日(日)(10日間)
会場: 徳島市中心部
時間: 18:00~22:00(一部コンテンツを除く)

二つ目は、 みんなでつくる!圧倒的な光に包まれる超幻想空間での体験型音楽フェスティバル 「Music Festival, teamLab Jungle」(ミュージックフェスティバル チームラボジャングル)です。
ミュージックフェスティバル チームラボジャングルは、 前代未聞の圧倒的な光に包まれる超幻想空間での体験型音楽フェスティバルです。 音楽に合わせて、光によって演出される幻想的な空間の中で、 みんなで踊ったり、音を奏でたり、様々な体験をします。 そして、参加者みんなで創っていく全く新しい参加型の音楽フェスティバルです。 昼フェスは、子どもから大人まで、ファミリーが楽しめるように、 夜フェスは、カップルからアートファンまで、もちろん一人でも楽しめるような設計にしています。
【開催概要】
Music Festival, teamLab Jungle
会期: 2016年12月24日(土)~2017年1月9日(月・祝)
会場: 堂島リバーフォーラム(〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島1丁目1-17)

三つ目ですが、台北で約2000平米以上の巨大な展覧会を行ないます。タイトルは「teamLab: Dance! Art Exhibition & Learn! Future Park」です。 これは、チームラボのアートと、共同的で創造的な人間になることをテーマにしたFuture Parkによる大規模な展覧会です。
【開催概要】
teamLab: Dance! Art Exhibition & Learn! Future Park
会期: 2016年12月29日(木)~2017年4月9日(日)
会場: Huashan1914・Creative Park(No. 1, Section 1, Bade Road, Zhongzheng District, Taipei City, 台湾 100)

最後になりますが、ロンドンPACE LONDON で個展「teamLab: Transcending Boundaries」を開催します。 新作含む全7作品を展示予定です。これは、今後、北京などでも開催予定です。
【開催概要】
teamLab: Transcending Boundaries
会期: 2017年1月25日〜3月11日
会場:PACE LONDON(6 Burlington Gardens London W1S 3ET)

他にも最新アップデートはチームラボのページを見て下さい。

--猪子さん、ありがとうございました!

チームラボ、猪子氏の活動はグローバルだ。世界中で「体験型のアート」を展開し"Body Immersive"な感覚に気がつく人が増えることにより人間はアップデートされそうだ。次回はNewsPicks佐々木紀彦編集長の『2016年総括、2017年展望』をお届けする。

SENSORS『2016年総括、2017年展望』シリーズ
【第一弾】チームラボ猪子寿之「体験型アートの可能性」
【第二弾】NewsPicks佐々木紀彦「日本3.0」「境界線を超えられる人の価値」
【第三弾】ライゾマ真鍋大度「リオ五輪」「人工知能×クリエイティブ」
【第四弾】PARTY中村洋基「スタートアップ×クリエイティブ」
【第五弾】ジェイ・コウガミ「21世紀のデジタル音楽ビジネス」
【第六弾】LINE谷口マサト「バズるコンテンツの方程式」
【第七弾】Mistletoe孫泰蔵「コミュニティ型スタートアップ」「防災テック」
【第八弾】バスキュール朴正義「データ×エンターテインメント」
【第九弾】コルク佐渡島庸平「"言語の壁"を超える熱狂」
【第十弾】落合陽一「幽体の向こうへ」

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ライター:西村真里子

SENSORS.jp 編集長 国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

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