コルク佐渡島庸平に聞く、2016年総括と2017年展望「"言語の壁"を超える熱狂」

2016.12.20 08:00

SENSORSメンバーおよび今年SENSORSが取材したトップランナーに聞く『2016年総括、2017年展望』。 第九弾はコルク佐渡島庸平氏にインタビュー。

テクノロジー&エンターテインメント業界のトップランナー達が時代をどのようにとらえ、未来に向かうのか?『2016年総括、2017年展望』シリーズ第九弾はコルク佐渡島庸平氏に伺う。

SENSORS『2016年総括、2017年展望』シリーズ
【第一弾】チームラボ猪子寿之「体験型アートの可能性」
【第二弾】NewsPicks佐々木紀彦「日本3.0」「境界線を超えられる人の価値」
【第三弾】ライゾマ真鍋大度「リオ五輪」「人工知能×クリエイティブ」
【第四弾】PARTY中村洋基「スタートアップ×クリエイティブ」
【第五弾】ジェイ・コウガミ「21世紀のデジタル音楽ビジネス」
【第六弾】LINE谷口マサト「バズるコンテンツの方程式」
【第七弾】Mistletoe孫泰蔵「コミュニティ型スタートアップ」「防災テック」
【第八弾】バスキュール朴正義「データ×エンターテインメント」
【第九弾】コルク佐渡島庸平「"言語の壁"を超える熱狂」
【第十弾】落合陽一「幽体の向こうへ」
(※当シリーズは各位に固定質問+1に答えてもらうメールベースの取材である)

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SENSORSメンバーの佐渡島庸平氏に2016年について、来年の展望を伺った。

--2016年、一番印象に残った出来事、作品・プロジェクトを教えてください。

佐渡島:
「ピコ太郎のセサミストリート」です。

セサミストリートは日本人が簡単に出演できる番組ではないのに、ピコ太郎はヒットして2ヶ月後に『セサミストリート』に出演していました。このことは、ネット上でヒットの存在が知られるということは、世界的なコンテンツになりうることを証明しました。

映画『君の名は。』が中国でも大ヒットしていますが 『君の名は。』のネット上での熱狂が、最初は日本語での熱狂だったのに、中国に伝わって中国語での熱狂に変わりました。これは、最高の熱狂を興すと世界に届くということです。
勝手な予想ですが『君の名は。』はすでにハリウッドからリメイク版のオファーが来ててもおかしくないと考えています。

いままではアジアのヒットというのが言語の壁により可視化できてなかったのに、 YouTubeでヒットが見える化された。言語が違う人に威力が可視化されるていうことは凄いことです。

「ピコ太郎のセサミストリート」があらゆるコンテンツはネットの世界につながるべきだという仮説を世に強固に打ち出しました。
参考︰「クッキー・バター・チョコ・クッキー フルバージョン/ピコ太郎、エルモとクッキーモンスター」。Sesame Street Japanオフィシャルチャンネルに登録されている。

--2017年、注目すべき人、テクノロジー領域、サービス・ビジネスを教えてください。

佐渡島:
変化が早すぎて正直何に注目すべきか迷うところです。

『Amazon GO』の動画を見る前と見た後では店舗づくりの考え方も変わりますし、 PSVRを体験する前と体験した後では違うように、見る前、見た後で変わることが多すぎます。

そして、このようなテクノロジーの進化による変化の早さにに対して、 どのような変化が起きようとも受け入れる準備をしておくのが大事だと考えており、 変化を受け入れられるチームはどうあるべきか?「チームの作り方」が大事だと考えています。 その一環としてストレングスファインダーの活用や、ホラクラシー型組織の研究をしています。

未来の予想はしていないです。

--「2017年の抱負」を教えてください。

佐渡島:
今年10月にコルクにCTOが来てくれました。
2年間探し続けてやっと来てくれたCTOなんです。 ベンチャー企業の社長にとって、いい人材との出会いというのは結婚みたいなもので。 それぐらい幸せで。笑。

彼の才能をより活かすことにより、コルクの作家のためになることをしたいというのが2017年やりたいことです。
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SENSORSメンバーの佐渡島庸平氏に2016年について、来年の展望を伺った。写真は「Web編集者は"バズ"を越え、"文化"を創り出せるか?〜佐渡島庸平×塩谷舞」より。

--クロスプラットフォーム時代の編集者、プロデューサーの役割を教えてください。

佐渡島:
アウトプット先が複雑化する時代において、プロデューサーの役割はアウトプットに責任をもつことなんです。 責任にコミットし、実行出来る人間が必要です。

わかりやすい指標でいうとストレングス・ファインダーで目標志向、達成欲、活発性が上位にはいっている人が強い人間がプロデューサーに向いており、コルクの採用の際の基準にしております。

--佐渡島さん、ありがとうございました。

佐渡島氏率いるコルクが来年「コルクラボ」にてコミュニティプロデューサーを研究し定義する活動をスタートさせるが、定員の数十倍の応募が来ているそうだ。コミュニティの大切さに気づき、新たなビジネスの武器を手に入れたいと考える編集者、プロデューサーが多く存在することがわかる結果だ。
テクノロジーの進化による時代の変化の速さ、ソーシャルメディアおよび情報発信手段の複雑化によりコミュニティプロデュース能力や変化に強いチームづくりが大事になると佐渡島氏は語る。新時代突入に際してチーム・人材を考え直す必要があることを改めて考えさせられ襟を正したい。同時にピコ太郎『PPAP』や映画『君の名は。』を例にネット上に熱狂を作り言語の壁を超えた事例は、マイノリティー言語を扱う日本人、そして日本語クリエイターにとってはとても 勇気が出る時代にも突入している。クリエイター×編集者/プロデューサー×コミュニティの掛算でコルクが仕掛けてくるプロジェクトに注目し、その事例を学んで行くことは日本のコンテンツを世界的にヒットさせることにもつながるだろう。コルク、佐渡島庸平氏から来年以降も学んで行きたい。
最終回である次回は落合陽一氏の『2016年総括、2017年展望』をお届けする。

SENSORS『2016年総括、2017年展望』シリーズ
【第一弾】チームラボ猪子寿之「体験型アートの可能性」
【第二弾】NewsPicks佐々木紀彦「日本3.0」「境界線を超えられる人の価値」
【第三弾】ライゾマ真鍋大度「リオ五輪」「人工知能×クリエイティブ」
【第四弾】PARTY中村洋基「スタートアップ×クリエイティブ」
【第五弾】ジェイ・コウガミ「21世紀のデジタル音楽ビジネス」
【第六弾】LINE谷口マサト「バズるコンテンツの方程式」
【第七弾】Mistletoe孫泰蔵「コミュニティ型スタートアップ」「防災テック」
【第八弾】バスキュール朴正義「データ×エンターテインメント」
【第九弾】コルク佐渡島庸平「"言語の壁"を超える熱狂」
【第十弾】落合陽一「幽体の向こうへ」

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ライター:西村真里子

SENSORS.jp 編集長 国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

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