"クライアント"ではなく、"パートナー"として、企業に伴走するーー明石ガクト×三浦 崇宏「ブレイクスルーするクリエイティブ」

2019.01.09 18:00

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(左から)三浦崇宏氏、明石ガクト氏、落合陽一、齋藤精一、草野絵美

「ブレイクスルーするクリエイティブ」をテーマに行われたSENSORSサロン。ゲストに迎えたのは、起業家としてもクリエイターとしても活躍する2人のオピニオンリーダー。明石ガクト氏(ワンメディア株式会社代表取締役)と三浦崇宏氏(The Breakthrough Company GO 代表)だ。

全3回にわたってお届けする第2弾記事では、三浦氏が自身の率いるGOの経営理念について語ったトークの様子をお伝えする。漫画『キングダム』をビジネス書として打ち出したプロモーションや、ケンドリック・ラマーの黒塗り広告など、次々と話題の施策を仕掛けてきたGO。同社のミッションの背景にある、三浦氏の思想を解き明かしていく。

「変わりたいけれど、変われない」企業に「GO」を。PRだけにとどまらず、アイディアとクリエイティブでサポート

草野:
続いては、GOのタグラインを見ていきたいと思います。「The Breakthrough Company」。
三浦:
GOは、いわゆる広告会社・PR会社とは少し違う形で、企業のサポートをしている会社です。僕は博報堂出身の人間ですが、ゴールドマンサックスや三井物産など、さまざまなバックグラウンドを持った人間が集まっているので、持っているアイディアの幅も広い。

ですので、アウトプットはPRに限りません。企業の課題をヒアリングした結果、新規事業立ち上げに協力することもありますし、商品棚の買い替えを提案することもある。あらゆるレイヤーから、企業のブレイクスルーをサポートしているんです。

GOのミッションは、「アイディアとクリエイティブで、企業の変革や挑戦にコミットする」です。AIやブロックチェーンといった最新技術の登場で世の中が変革期を迎えるなか、「変わらなきゃいけないけれど、どうしていいか分からない」と悩む企業が増えている。僕はそうした企業のサポートをするために、GOを設立したんです。
落合:
まさに、企業に「GO」と言っているんですね。
三浦:
そうですね。「変わりたいのに変われない」と足踏みしている会社に、「いいからいけよ」と背中を押すのが、我々の仕事です。
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三浦崇宏氏

「クライアント」と呼んでいるうちは、ブレイクスルーは実現しない

齋藤:
GOのチーム構成は、どのようになっているのでしょうか?
三浦:
クリエイティブチーム、プロデュースチーム、そしてグラウンドコントロールの3つがあります。グラウンドコントロールとは、総務や経理、人事などのこと。僕たちは、「バックオフィス」という言葉を使いません。会社の成長を支えて管理していく大事なチームので、「グラウンドコントロール」と呼んでいるんですよね。
草野:
営業チームはあるんですか?
三浦:
ありません。そもそも、広告代理店には新規開拓を行う営業スタッフは必要ないんです。基本的に、企業からの問い合わせを受けて仕事が始まるものなので。

広告代理店の営業の仕事の本質は、ビジネスのプロデュースです。クリエイター、クライアント、メディアなど、複数のステイクホルダーをまとめて、アウトプットを行う「プロジェクトマネジメント」を行うことが求められます。

GOは、ホームページから仕事の依頼が来たり、直接僕に相談が来ることが多いので、顧客開拓を目的にした営業は、一切行っていません。
草野:
MCお二人の会社には、営業チームはありますか?
落合:
ないですね。僕が営業しているようなものですから。
三浦:
やっぱりそこなんですよ。おそらく明石さんもそうだと思うのですが、トップがある程度有名な方だと、直接仕事の依頼が来る。
齋藤:
うちにも、営業的な動きをする人はいません。クライアントさんのところに行ってお金の話をしたりする人は、必要に応じて外注しています。
三浦:
うちも、大手企業の案件を請け負う場合には、電通や博報堂、ADKといった大手広告代理店にお願いして、間に入ってもらうことはありますね。
齋藤:
まずは三浦さんがクライアントから仕事を取ってきて、案件が大きすぎる場合には大手代理店に入ってもらっているんですか?
三浦:
案件の大きさというよりは、手間がかかるものについては大手の代理店と一緒に動くこともあります。あと、今齋藤さんは「クライアント」と仰っていましたが、僕は仕事のパートナーを「クライアント」と呼んでいるうちはブレイクスルーできないと思います。なぜなら、「クライアント」と呼ぶことは受発注の関係を意味するからです。そうすると、相手の抱えている悩みに対して答えを出すことしかできません。

しかし、答えを出すことだけが正解ではない。たとえば「CMを出稿して、課題を解決したい」と依頼する企業さんの話をよく聞いてみると、商品棚を変えることの方が得策な場合もあります。そのように、課題の根っこの部分まで掘り下げていくためには「クライアント」ではなく「パートナー」として寄り添うことが大事なんです。

また、僕が一番やばいと感じるのは「クライアント」の同義語である「アカウント」という言葉。広告代理店でよく使われていますよね。「アカウント」とは、完全に社内事情が含まれた呼び方です。そう呼んでいる限り、パートナーと密な関係が築けないんですよね。企業と一緒に成長し、新しいことを生み出していくためには、「クライアント」や「アカウント」といった言葉は使わない方がいいと思います。

続く第3弾記事は、最終回。前半は、MC齋藤からのキーワード「時代とメディア」をテーマにした議論の様子をお伝えする。時代と共に変化していくメディアのあり方を、クリエイターたちはどのように見つめているのかーー。若者から支持を受けるONE MEDIAを運営する明石氏は、これからのメディアは、コミュニティであるべき」だと熱弁した。ゲスト、MC陣の対話から、今の時代におけるメディアの役割を探っていく。

後半は落合から提示された「一流と二流」をテーマに行われたトークの様子をお届けする。時代とともに「一流」の定義が変化するなか、「非専門家から専門家を超える人材は生まれるのか」という落合の疑問が、ゲスト二人に投げかけられた。

クリエイティブを武器に、常に新しい挑戦をし続ける明石氏と三浦氏。MC二人との議論から、ブレイクスルー思考のヒントを探っていく。

↓↓↓OA動画は下記よりご覧いただけます。↓↓↓

(SENSORS|落合陽一はスーパー営業マン!?ゲスト:明石ガクト・三浦崇宏( ブレイクスルーするクリエイティブ 2/4))

執筆:いげたあずさ

株式会社モメンタム・ホース所属のライター/編集者。ビジネス・テクノロジー領域をはじめ複数媒体で取材・執筆。 アパレル販売・WEBマーケターを経て現職。 映画と音楽が好き。未来の被服の在り方、民族学、伝統文化などに興味があります。
Twitter:@azuuuta0630



編集:小池真幸

ビジネス・テクノロジー領域を中心に取材・執筆・編集を重ねる。東京大学で思想・哲学を学んだのち、AIスタートアップのマーケター・事業開発を経て、現職。1993年、神奈川県生まれ。「人文知とビジネス・テクノロジーの架橋」に関心があります。
Twitter:@masakik512

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