日本アニメ(ーター)見本市の題字に(かっこ)がついた驚きの理由とは? ~川上量生氏インタビュー #2/3

2014.12.31 00:05

日本アニメ(ーター)見本市は、川上量生氏率いるドワンゴと、庵野秀明氏率いるスタジオカラーが共同で手掛ける日本アニメーションの可能性を発掘する企画だ。期間や予算などを制限した中で、クリエイター達が自由な発想で作品をつくることができる。ドワンゴ川上氏に日本アニメ(ーター)見本市の裏側を及川紀子が尋ねた。

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画像出典:日本アニメ(ーター)見本市 公式WEBサイト http://animatorexpo.com/

©nihon animator mihonichi LLP


-- タイトルの「アニメ(ーター)」にはどうして( )が表記されているのでしょうか?

川上: タイトルの題字は宮崎駿さんにお願いしました。最初は断られたのですが、庵野さんと繰り返しお願いをしにいくうちに、「日本アニメーター見本市」という題字を書いていただくことができました。命名も宮崎駿さんです。

川上: ただ......「アニメーター」だけがアニメをつくっているわけではないということで、庵野さんが勝手に( )を付け加えてしまいました...(笑) 最終的に「日本アニメ(ーター)見本市」というタイトルになったのですが、( )を付け加えたことは宮崎さんには実は言っていません(笑) その後に手足までつけ加えてしまいまして、(ーター)くんというキャラクターまで作ってしまいました。

■クリエイター達が自由発想で創作活動をする場

-- 日本アニメ(ーター)見本市はどんな企画ですか?

川上: 昨今はアニメの本数は増えてきたのですが、自由な創作ができない現状があります。ビジネスやマーケティング的な側面から「売れるもの」をつくることの優先度が高いです。アニメーター達がもっと自由に創作活動ができる場、チャレンジと成長ができる場をつくりたい。そんな思いから庵野秀明さんと一緒に日本アニメ(ーター)見本市の企画を行いました。実際にやってみて、とても面白い作品が出来上がってきています。普通にやっていたら世の中にでてこないような、好き勝手やっている感じがいいですよね。

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インタビューに応じる川上氏

■アニメ作品がたくさんある今の日本はうらやましいと思う

-- 日本のアニメは面白いと思いますか?

川上: 面白くないという意見も理解できるのですが、単純にうらやましいと思っています。
アニメを見るにしてもゲームをやるにしても、僕が子どものころはこんなにも選択肢が無かった。
今は天国ですよ(笑)。逆に今の問題は、作品の数が増えすぎていて、みんなが知っている共通のものが無くなっているということです。もっと作品を減らした方がいいのかもしれません。

■他人の評価は間違っているから気にするな

-- 川上さんは何か作品をつくりたいと思わないのですが?

川上: 自分が居なかったら世の中に誕生していないようなものだったらやりたいなと思います。僕は実行すると叩かれるようなことをするのが好きなんです。みんなが正しいと思っていることはやりたくない。正しいことは誰かがやってくれるから。本当はみんな心の中で正しいと思っているけど、実行したら非難されるようなことにチャレンジしたいですね。

-- 叩かれることは怖くないのですか?

川上: 他人の評価はそんなに重要じゃない。他人からの評価は間違っていることが多いですから。
間違っていることをなんで気にするのか。本当に正しいことは、みんなが正しいと思っていることではない。みんなが間違っていると思っていることで、自分が正しいと思うことをやっていきたいですよね

#3へ続く

(SENSORS編集部 文:石塚たけろう)

石塚たけろう:

ベンチャーキャピタルやデジタルマーケティング企業複数社での業務を経験後、現在は広告会社にてスタートアップと大企業の共同事業開発モデルであるコーポレート・アクセラレーターの運営に携わる。Webディレクター。早稲田大学在学中。

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