『しばらくはAirbnbか彼女の家で』【from サンフランシスコ】

2016.06.08 09:00

YOLO (You Only Live Once)、モバイルアプリやシェアリングエコノミーを活用し自由気ままに一度しかない人生を楽しい体験重視で過ごす生き方がサンフランシスコでは当たり前のようになりつつある。サンフランシスコの起業家、デザイン、生き方を我々に届けてくれるbtraxブログで話題になった『しばらくはAirbnbか彼女の家で』にbtrax CEOのBrandon K. Hill氏が特別メッセージを新たに加え、SENSORSに寄稿してくれた。

インターネットが一般的に利用されはじめて約20年ちょっと。スマホが普及し始めて数年。この社会的インフラが人々の生活に大きな変化を生み出している。スタートアップの聖地であり、世界の中でも最も一般ユーザーによるテクノロジーの活用が進んでいるサンフランシスコでは、ここ数年で人々の働き方と生活スタイルに大きな変化が訪れている。UberやAirbnbなどに代表されるシェアリングエコノミーや、オンデマンド型サービスを活用する事で,今まででは考えられなかったライフスタイルの実現も可能だ。

今回紹介するのは、先週金曜日の夕方に友人と市内のバーでのやり取りの一コマ。金曜日の夕方のハッピーアワーには地元の人が集まり、週末のプランや今ハマっている事などで盛り上がる。何度かのキャリアチェンジと引っ越しを繰り返したRyanとのキャッチアップの様子を紹介する。

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■しばらくはAirbnbか彼女の家で

サンフランシスコに住む友達のRyanと飲んでる時に彼が一言。「今住んでるところ出なければいけないみたい。そんなに心配してないよ。しばらくはAirbnbか何人かの彼女の家にでも住んでChillするから。」
この発言はまさに現代の生活を表している。楽観的、所有しない、一つの場所に縛られない、はサンフランシスコを中心に若者達に広がり始めているライフスタイルである。
ポトレロというサンフランシスコの南側に位置する丘の小さな家を借りている彼は、大家が家を売るので60日以内に退去を命じられ、30日で出て行く代わりに$15,000を受け取る事になった。不動産が高騰しているこの街では珍しくも無いストーリー。 スタートアップや投資会社を幾つか転職した後、彼は世界の起業家をまとめ投資家と繋げる団体で働いている。それでも、大きな額のファンディングに成功し、数ヶ月後には報酬が大幅に増える見込み。

金曜日の夕方5時頃にバーに集まる人々。座席が無い程ごった返すパティオ。各テーブルには様々な種類のビールのピッチャーが置かれている。
カリフォルニアの太陽の下で人生の喜びを体現したような光景に

「平日なのにこんな時間から飲んで誰も仕事してないのかな?」 と聞くと彼は
「LAなんかだと水曜の夕方から飲んでるよ。」
「何故そんな事が出来るの?」
「Making-money-while-not-working (働かなくても入ってくる収入)って事」
「どうやって?」
「Instagramのフォロワーをめっちゃ増やすとか」


カリフォルニアに住む僕たちのキーワードはYOLO (You Only Live Once). モバイルアプリやシェアリングエコノミーを活用して、自由気ままに一度しかない人生を楽しい体験重視で過ごしている。
やりたい事、将来への野望は強いが、地道に我慢をする必要は感じない。お金自体への執着心も強く無いし、いざとなればどうにでもなる気風で溢れている。
高級車や時計を買って注目を浴びる、家を購入して頑張ってローンを返す、じっくり働いて出世する、などのライフスタイルには興味が無い。
一つのところに住まなくなってAirbnbで色々なところに住む体験をすれば良いし、Uberを使えば行けないところは無い。車が必要になればGet Aroundでそのときだけさくっと借りる。Macbook AirとカフェやCoworkingがあれば仕事だってできちゃう。なにも所有なんかしなくたって、ほとんどの事柄はシェアしあう事で解決できる。
そうそう、Instagram, YouTubeを上手に活用すれば水曜の夕方からビールが飲める生活が出来るかも。

とりあえず今は自分のやりたい事を追求し、必要になればそのつどお金や物を手に入れれば良い。こんな、Less-is-moreのスタイルはサンフランシスコの人々に共通するキーワード。
年収や肩書きも関係ない。持つものが少なければリスクなんて無い。人生のプランもConnecting dotsでつじつまが合う。失敗?それって美味しいの? 自由気ままなのが最も豊かな状態。
もしかしたら、こんな楽観的で自由な雰囲気だからこそ世界を変える起業家が生まれてくるのかもしれない。

今回久しぶりに会った30代前半のRyanは、何社かのスタートアップと投資会社を経て、現在は世界に拠点をもつ起業家ネットワーク団体に所属し、自宅勤務。全てのやり取りはチャットやメッセンジャーなどのツールを介しておこなわれる。プライベートでは以前に結婚まで考えたロシア人の彼女がいたが、数年前に分かれた。最近は1人の女性と真剣に付き合うよりも自由なライフスタイルを選択している。 テクノロジーとサービスの進化がこれまでには実現出来なかったような生活も可能にし、多くの人々が持たない、定住しない、のLess is betterのスタイルをとり始めている。仕事もプライベートも真面目すぎないのがサンフランシスコスタイル。

Written by Brandon K. Hill

CEO & Founder, btrax, Inc.
サンフランシスコ州立大学デザイン科卒。サンフランシスコに本社のあるグローバル市場向けブランディング会社btrax CEO。グローバル市場向けのイノベーション創出をミッションに、ブランディング、サービスデザイン、UXデザインサービスを提供。
これまでの10年間に200社以上にサービス提供。Startup Weekend SFデザインメンター。経済産業省 : 始動プロジェクト公式メンター。2015年よりサンフランシスコにて、人と技術をデザインでつなぐコミュニティーワークスペース、D.Hausをオープン。
公式サイト: http://www.btrax.com/jp
公式ブログ: http://blog.btrax.com/jp

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