ギーク女優・池澤あやかとまわる「CEATEC JAPAN 2015」〜IoT、ドローン、ロボットの最先端に迫る〜

2015.10.24 18:00

531もの企業や団体が、自社の技術や、今後取り組もうとしているテクノロジーを駆使し未来のライフスタイルを提案するアジア最大級のIT・エレクトロニクスの祭典「CEATEC JAPAN 2015」(10月7日(水)〜10日(土)・幕張メッセにて)。SENSORSメンバーとしてこれまでの特集や取材でもおなじみ"ギーク女優"池澤あやかさんが注目のプロダクトを体験・レポートする。10/25OAでは、池澤さん独自目線での「実用化されると生活がワクワクするテクノロジー」ベスト5を発表!これらのプロダクトから1位に輝くのは?OAをどうぞお楽しみに。

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■Panasonicが提案する「IoT時代のミラー」

まず訪れたのはPanasonicが展示するIoT鏡台「インタラクティブミラー」。鏡の前に座るだけで自動的に肌の状態を記録し、化粧品や美容機器の使い方をレコメンドしてくれる製品になっている。スキンチェックだけではなく、バーチャルメイクを楽しむことができるのも特徴のひとつ。今回の展示品では付け髭も表示できたりと、パナソニックの遊び心が見え隠れしていた。

「インタラクティブミラー」を実際に体験

スマートハウスの一環としてベッドやキッチンとつながることで、睡眠時間や眠りの深さを記録してくれたり、実際に鏡にうつった顔の両方のデータから肌の状態を分析してくれたり、それらの記録・分析から分かる自らの健康状態にあわせた料理レシピをキッチンからレコメンドしてくれる。つまりインタラクティブミラーはスマートハウスにおける情報のインプット端末として機能し、家庭内の様々なものとつながることで、生活者のライフスタイルを総合的に支援してくれる製品となっているのだ。

仕組みとしては、鏡の上方に設置されているカメラを通じて顔を撮影し、画像認識の技術を用いて肌の状態を検出するという。自分を美しくするために鏡からアドバイスをもらう、そんな白雪姫の鏡が発想のもとになっているそうだ。

池澤:
鏡を朝一番に見るのは、女性ならではの習慣ですよね。鏡を見て「こうやればもっとキレイになるのかな」って自問自答する時間に、鏡からアドバイスをもらえると嬉しいですよね。

メイクの種類も豊富だ

■驚きの軽さ!羽ばたく「ORIZURU」

次に向かったのは、電子部品メーカー・ロームの出展ブース。今回取り上げる「チャレンジコラボ」は、ローム社が電子工作・ものづくりを応援することを目的としてベンチャーやスタートアップとコラボした特別企画だ。超軽量・超省エネマイコンボード「Lazurite」を搭載した「ORIZURU」や、ハードウェア・スタートアップであるユカイ工学とのコラボ製品「カラクリ音楽隊」が展示されている。「ORIZURU」はローム社が開発した「Lazurite Fly」を搭載し、31グラムという驚きの軽さを実現している。この折り鶴の設計者 超小型飛行体研究所 宗像俊龍さんにお話を伺った。

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池澤:
小学生の頃によく折っていた折り鶴が飛ぶなんて、驚きました。なぜこのようなスタートアップやベンチャーとのコラボをしようと思われたんですか?
宗像:
今、ものづくりが非常にブームになっています。今回のCEATECにも企業の方だけではなく、一般の方も多くいらっしゃっていますよね。そういった方たちが鳥が飛んでいるのを見て、楽しいと思ってくれる。技術のことはあまりわからないけれど、これを作ってみたいと夢を持ってもらえる。そんなコラボができたら良いなという想いで開発しました。

■これからの人と機械の関係性を探る「卓球ロボット」

オムロンという社名を聞くと、体温計を思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし今回、オムロンが展示したのは「卓球ロボット」。卓球のラリーをロボットが自動で打ち返してくれる製品で、昨年に続いての展示となった。昨年から進化したポイントについて、オムロン株式会社 技術・知財本部 生雲公啓さんに伺った。

池澤:
なぜオムロンさんは卓球ロボットを開発しているんですか?
生雲:
卓球ロボット自体を作りたかったわけではないんです(笑)。オムロンが持っていた様々な技術、具体的にはオムロンのセンシング技術とコントロール技術、そこにTHINK(考える)を加えたものです。その技術の集大成がたまたま卓球ロボットだったというだけで、人と機械がコミュニケーションをとって、機械が人を成長させてくれる世界になったらいいなという思いが背景にはありました。
池澤:
昨年も展示されていたということですが、どの点が進化しているんですか?
生雲:
センサーやカメラ自体は昨年と同じものなのですが、2つ進化したポイントがあります。1つ目はディスプレイで、ディスプレイに卓球ロボットが予測して打つというのを表示してあげるので、とてもラリーを打ち返しやすくなったと思います。2つ目は正確にラリーを返すために予測する・考える部分が進化しています。球の軌道予測をする際に、昨年はただボールが進んでくる方向のみを考えていました。しかし今年は、ボールがどう回転するかも機械が考えて、それを踏まえた予測をするので、去年より精度が高くなっています。
池澤:
確かにどこに打ってもきちんと反応してくれてますよね。今までこれだけラリーが続いたことないです(笑)。アシスト表示があるので、ここに球が来るんだなって構えることができて打ち返しやすかったです。

■危険な仕事は「球形ドローン」に任せよう

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東北大学が開発した「球形」ドローン

続いて訪れたのは、東北大学が開発した直径1メートルの「球形」ドローンの飛行デモを行っている展示スペース。多様多種なドローンが登場しているものの、ぶつかりながらも狭い場所を飛ぶことができるドローンは少なかった。しかし、この球形ドローンは軽くて強いカーボンのフレームでできているため、多方面からの衝撃にも耐えられるつくりになっている。

さて、この球形ドローンはどのような使い道があるのだろうか。まずひとつ挙げられるのが、老朽化した橋やプラントなどの点検だ。今まではその都度、足場を組み立てていたコストを削減することができる。もうひとつは、人が近づけない場所の探査である。例えば、地震で倒壊する恐れのあるビルの中、工場の高いところにあって点検できない場所に対して、このドローンを使えば近づくことができる。


■「Unlimited Hand」がゲームの中に"触れる"時代をつくる

ゲーム画面に触れられる。そんな世界が来たら、もっとゲームが楽しくなるに違いない。H2L社が開発する触感コントローラ「Unlimited Hand」は、腕に巻くだけでゲーム内の触感を感じることができる製品だ。いま現在、クラウドファンディング・サービスKickstarterで資金集めの最中で、6万5000ドルをこえる支援金が集まっている。電気刺激による触感フィードバックという技術を用いて、指を動かすことができるのが最大の特徴で、よりゲームへの没入感を高めるという。

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池澤:
今までは、例えばゲームの中で銃を扱う時に直感的な動作ができなかったですよね。でもUnlimited Handをつけると本当に直感的で、よりゲームに没頭できる気がします。

IoT、ロボット、ドローン等の最先端のテクノロジーの祭典「CEATEC JAPAN」のレポートをお届けした。Kickstarterなどのクラウドファンディング・サービスでまだ資金を集めている最中の製品が登場したり、IoT系のスモール・スタートアップの出展が多く見られるなど、メイカーズ・ムーブメントのうねりは確実に大きくなっているようだ。


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池澤あやか

東京都稲城市出身の女優・ウェブ開発者。ギーク女優として"プログラムができる女優"という特技を活かし、複雑化した情報社会をわかりやすく解説!

構成:岡田弘太郎

1994年生まれ。慶應義塾大学3年生。大学でデザイン思考を学びつつ、複数のウェブメディアでライターや編集に携わっている。

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