IoT関連・21のプロダクトが集結。SENSORSプロデュース「IoTスタートアップSHOWCASE」

2015.10.13 12:00

10月7日(水)~10月10日(土)の4日間に渡って幕張メッセで開催された最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」にて、SENSORSがスタートアップコミュニティCrewwと共同でIoTに関する展示のプロデュースを行った。

本稿ではブース展示「IoTスタートアップSHOWCASE」の様子に加えてプロダクトのクリエイティブ面で競い合う「IoTクリエイティブピッチ」の様子をお届けする。

■来場者人気No.1は「オレクル」

IoTスタートアップSHOWCASEでは、21のサービス・プロダクトが出展。来場者はHAROiD社が運営するサービスを用いて気に入った展示に投票することができる。

オレクルは「IoTクリエイティブピッチ」にも登場

その結果、上位3位までが発表され、1位を獲得したのはプログレス・テクノロジーが手掛ける「オレクル」。出社するとその人専用のBGMがオフィスに流れる、1日の始めの出社を楽しくするために開発されたプロダクト。スピーカーに内蔵されたiBeaconで感知範囲内にある個人のスマートフォンを識別してBGMを流す。量産試作機が完成、近いうちにクラウドファンディング皮切りに世の中に流通させていく予定だそうだ。

2位を獲得したのは、ジョイアスが手掛ける「痛すぽ」。撫でると声が出る人工知能搭載の抱き枕。撫で方によって親密度が変化し、キャラクター・性格も複数選択できる。

優しく撫でるとより親密に

3位は、エリック・シウによる「Tocuhy」。カメラが搭載されたヘルメット型のデバイスで、Touchyを装着した人は「人間カメラ」になり、被写体となる人がTouchyを装着した人に触れるとシャッターを切ることが出来る仕組み。

目の部分がカメラになっている

■IoTを支える「SORACOM」のインパクト

IoTプラットフォーム「SORACOM」もアイレットの「IoT Pack」と合同で出展していた。

SORACOMのSIMカードとRaspberry Pi

IoTを実現していくためには、デバイスとサーバーを繋ぐ通信システムが必要である。WiFiでは場所の制約や設置コストがかかり、LTE/3G回線を利用しようにも通信コストや初期投資がかさむ。「SORACOM」はMVNO(仮想移動体通信事業者)の契約を結ぶことで既存キャリアの通信システム・基地局を流用し、管理や運用に必要な機能をAWS上で実装して、専用のSIMカードを搭載したデバイスの通信を月額300円からという価格で可能にしている。

9月末に正式にお披露目され、IoTスタートアップSHOWCASEの中でも、離れて暮らす祖父母のテレビに子どもの動画や写真を送ることができるチカク社の「まごチャンネル」や、Z-WORKS inc.による自宅見守りIoTサービス「LiveConnect」などに導入されているそうだ。

真に良質な体験を提供していくためには、エンドユーザーの目には届きにくい通信とセキュリティの問題を解決していかなくてはならない。格安な料金でこれらの問題の解決に取り組む価値と、既に多くのスタートアップが導入している「SORACOM」のインパクトを感じた。

■3社による合同作品 ~ココノヱ×STARRYWORKS×ソニー・ミュージックエンタテインメント~

今回の展示の中では、複数社が合同で開発した作品も展示されていた。複数人で楽しく演奏することができるハンドメイド・クラフト楽器「クラフトがっき」は、導電性のインクが使用されているペンを用いることで、好きな楽器を書くことができ、任意の部分にドレミファの音階を割り当てることができる。

ココノヱの宗佳広さん

音の昆虫採集体験ができる「ドレミファ採集」では、虫捕り網を模したオリジナルのデバイスと虫かごを模したタブレット端末を使用して、会場内の壁にかかっている昆虫型の端末をスタンプラリーのような感覚で見つけ出し「採集」していく。それぞれの虫に音が割り振られており、全ての虫を集めると一つの曲が完成する。

ココノヱは自分で描いた絵が動きだす「らくがき動物園」、STARRYWORKSは絵本にアプリを起動したスマホをセットしそれぞれのページに仕掛けられたエフェクトを楽しめる「PLAYFUL BOOKS」をそれぞれ「SENSORS IGNITION 2015」(今年春・SENSORSが主催して実施したイベント)に展示していたが、今回のコラボはSENSORS IGNITIONでの出会いがきっかけで誕生したとのこと。ソニー・ミュージックエンタテインメントは楽曲の提供という形で協業している。

■IoTクリエイティブピッチの優勝は「まごチャンネル」

「IoTクリエイティブピッチ」には7社のスタートアップが登壇し、3分という限られた時間の中で自社のプロダクト4名の審査員、岡島康憲(岩淵技術商事)、西村真里子(HEART CATCH)、深津貴之(THE GUILD)、朴正義(バスキュール)各氏に対してプレゼンする。

従来のピッチコンテストとは異なり「クリエイティブ」の面で審査を行うため、登壇者には、一つ一つの言葉の選別や、そのプロダクトが持つストーリーをいかにシンプルに伝えられるかが求められた。

チカクの梶原健司さん

1位を獲得したのは上記でも紹介した、孫の動画を超簡単に祖父母に届ける動画共有サービス「まごチャンネル」、2位を獲得したのは複数人で楽しく演奏することができるハンドメイド・クラフト楽器「クラフトがっき」。3位を獲得したのは、スマートフォンのタッチスクリーンの光のパターンでデバイス間双方向通信を可能にする「Flash Touch」。この3社については後日SENSORS.jpでも詳細を取材予定だ。

その他にも、朝の出社を楽しくする「オレクル」、サッカー選手の動きをトラッキングするウェアラブルシステム「Eagle Eye」、オフィスではお馴染の行き先掲示板をアシストするスマートウォッチアプリ「NAIN」、光とBLEを使って助けて欲しい意思表示をすることができる「Picapicard」が登壇した。

IoTの可能性を感じてもらうには、プレゼンを聞いたり動画を見るよりも、実物に触ってみるのが一番である。Creww×SENSORSのブースでは、フォーマルな服装に身を包んだ日本を代表する企業に所属する方々も数多く集まっていた。今回の展示をきっかけに、そうした方々とスタートアップがコラボレーションし、新たな事業や「コト」が創造されることを期待したい。

取材:石塚たけろう

ベンチャーキャピタルやデジタルマーケティング企業複数社での業務を経験後、EIR(=客員起業家)として複数の大手企業、スタートアップの新規プロジェクトに参画。Webデベロッパー。@takerou_ishi

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