【CES 2017】世界が注目するテクノロジープロダクトが集結「CES Unveiled」リポート(速報記事)

2017.01.04 19:30

毎年1月にラスベガスで開催されるCESのプレス向け発表会「CES Unveiled」で披露された、今後注目すべきプロダクト&サービスを現地から紹介する。パーソナライズドコンフォート、個々人向けに最適化できるロボットやデバイスの登場が新しいところだ。

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CES本番開始前のプレス向けイベント「CES Unveiled」で今年注目のプロダクトを取材した。

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CES本番開始前のプレス向けイベント「CES Unveiled」に並ぶ世界中のプレスの行列、注目の高さが伺える。

今年50周年目を迎えたCES(Consumer Electric Show)。主催のGary Shapiroが「変化の激しい時代だ、去年と同じことを行っていても負けてしまう」というように、ここ数年はCESで展示されるプロダクトも大きく変化している。スマートTV、IoT、VR...など筆者が最初に参加した2013年からの5年間でもトレンドが変化している。 プレス向け事前発表会「CES Unveiled」はCES 2017アワード受賞プロダクト、すなわちその年に注目されるプロダクトをイベント本編開催前に紹介しているのだが、今年もIoT、すなわちインターネットにつながるプロダクトが多く見受けられたが、モノ単体で売るよりも、ソリューションベースのものが多くなっていたようだ。派手さは消えたが便利さが追究されたプロダクトが増えたということはIoTが浸透してきていることを意味するだろう。

さて、今年のCES Unveiledをさっと振り返るとVR向け製品(VR用グローブ、サンダル(Cerevo「Taclim」)や360度カメラが流行った昨年の流れを受けスマホカメラ用360度撮影アタッチメント、羽根が隠れているので安全走行可能なドローンなどが目についた。また、人工知能搭載歯ブラシやリハビリ用グローブなど"AI搭載"を謳ったプロダクトも多く目についた。

■"パーソナライズド コンフォート-1"個人の快適を追究した製品群

注目が高まっているテクノロジーでいうと音声認識技術があるが、CES Unveiledでも音声認識搭載プロダクトが多く見受けられた。もちろんAmazon Echoに接続してつかうホームセキュリティなどはいまだ健在だが、独自のデバイスを作り音声認識でパーソナライズで生活を便利にするロボットやデバイスが展示されていた。

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Pixarアニメーターが開発に関わったホームロボット「Kuri」

Pixarのアニメーターが動きをつくったホームロボット「Kuri」は音声認識で自分が聞きたい曲や天気などを家中どこにいても一緒についてきて教えてくれる。子供との遊び仲間にもなるし、遠隔地から家をチェックできるのでホームセキュリティデバイスとしても使える。

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「BONJOUR」はベッドサイドに置き、リラックスタイムのお供をしてくれる。

人工知能搭載のスマートクロック「BONJOUR」はベッドサイドに置き、リラックスタイム向けの音楽を流してくれたり天気なども教えてくれる。もちろんUberなどとの連携や、コネクテッドな監視カメラなどとの連携もできるのでスマートホーム利用も可能だ。 ここまではAmazon Echoと一緒と思うかもしれないが、上記「Kuri」同様、場所に適したデザインを施しているところが差別化要因という。また、「アレクサ」と呼びかけるのではなく「ボンジュール」と呼びかける方がより、自然な対応になるとフランス発のスタートアップは訴えかける。

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音声認識搭載デスクトップ・ライト「Lumigent」。Cerevoはこのプロダクトで3年連続3回目の「CES 2017 Innovation Awards」を受賞している。

音声認識を活用した日本発のプロダクトはCerevoの「Lumigent」だ。音声認識と変型機構を搭載し、 話しかけると言葉を認識して自動で点灯・変形するロボット・デスクライトで、仕事をしている我々の味方となってくれる。

■"パーソナライズド コンフォート-2"ウェアラブルデバイスの進化

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ウェアラブルタトゥー「Rotex」で皮膚に近いところでアクティビティデータを取得できる

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洗えるセンサーシャツ「e-skin Xenoma」。一度試着したが着心地は快適だ。

ウェアラブルデバイスはより快適な素材へと進化している。SENSORSでもSXSWにて取材した日本のスタートアップ「Xenoma」のe-skinシャツはセンサーが編み込まれていても快適で、しかも洗える手軽さを提供してくれている。 そして、MITの研究などでも注目を浴びているタトゥーシール式のウェアラブルデバイスも展示されていた。7日間で剥がれる「Rotex」シールは自分の皮膚に直接とれるのでアクティビティトラッキングも正確なものがとれるし、VRなどのゲームプレイ中に不要なデバイスから解放されることを目的にプロダクト化したそうだ。 既に我々はインターネットに繋がった存在だが、タトゥーのような手軽なシールでインターネット接続できてくると、いよいよ我々自身がConnectedな存在になっていくことを予見させるプロダクトだ。

■"パーソナライズド コンフォート-3"パソコンの電力を活かし、快適な生活を

最後にCES Unveiledから紹介したいのは、PC電力を活用したエアーコンディショニングだ。 仕事のために使うPCなどの消費電料を活用し、その電力を再利用できる究極のエコを実現するプロダクトが「QARNOT」である。 家庭向けはもちろん、オフィスのPCなどから発電する電力をそのままエアーコンディショニングに再利用できるという、電力の新しい活用、再利用方法を提案しているのが「QARNOT」である。 "シェアリング"がキーワードとなる時代において、電力のシェアもマイクロコミュニティレベルで行えることに気づかせてくれた今年一番「CES Unveiled」で感心したプロダクトだ。

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「QARNOT」、左奥にある見た目も優れたプロダクト。PCなどの消費電力を活用可能なところが斬新なエアーコンディショニングだ。

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「QARNOT」自体マイクロプロセッサをもったプロダクトである。

今年の「CES Unveiled」で見た目の派手さよりも、個人の快適、オフィス、家庭の快適を考えたプロダクトが多かったように感じる。 そして大企業よりもスタートアップ製品が多く展示されていた。リスクを追って生活者の幸せを追究したプロダクトが世界で認められはじめている兆候であると受け止めたい。

CES 2017本編もレポート予定だ。自動車、家電、スタートアップブース(Eureka Park)については追って記事化するので気になった方はまた目を通してもらえると嬉しい。

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ライター:西村真里子

SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

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