ラスベガスで体験した"変化の兆し"〜CES 2016 現地レポート総括

2016.01.26 10:00

現地時間1月6日(水)〜9日(土)アメリカ・ネバダ州ラスベガスにて開催された「CES」=Consumer Electric Show。SENSORS Web編集長・西村真里子もラスベガスに飛び取材を実施しました。

【CES現地レポート】
レポート#1:プレス向け事前発表会で見つけた、2016年注目のプロダクトたち
レポート#2:楽しい「体験」を届けるプロダクトが勝ち残る時代へ
レポート#3:500社のスタートアップの熱気を浴びる!CES 2016 Eureka Park【注目プロダクト・ライフスタイル編】
レポート#4:500社のスタートアップの熱気を浴びる!CES 2016 Eureka Park【注目プロダクト・ガジェット編】
レポート#5:究極のクルマとは、まるで馬やラクダのよう?- CES 2016 で見た自動車の近未来
レポート#6:ABBALab 小笠原治さんを会場で直撃!スタートアップが「CES」に挑戦する意義とは?

家電・テクノロジーのトレンドをチェックする世界最大級のコンベンション「CES」。今年は、時代の変化を感じるスタートアッププロダクトを中心に紹介してきましたが、全体を通して「ユーザーの利用体験が想像しやすい」プロダクトが多くなったと感じています。数年前はパーツだけの展示で「これをどのように使えばいいのだ?」と利用者を悩ませてしまうようなプロダクトもあったのですが、今年は生活に密着したすぐに使いたいと思うプロダクトが多かったのです。その象徴たるものとしては、冷蔵庫そのものや洗濯機そのものをスタートアップが作り、展示しているスタートアップがいました。

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Steve Jobsと、NeXT時代、Apple時代を一緒に過ごしたグレンが立ち上げたスタートアップMarathon Laundryは洗濯機そのものを開発。

目新しいニュースは届かなかったものの、あらゆるプロダクトがバージョンアップした今回。量産や規格などメーカーが考えるべき機能を無視し純粋にプロダクトだけを見ると、いまや大手家電メーカーとスタートアップとの違いが見えなくなってきているかもしれません。また、脳波や筋肉データから頭痛などの痛みを予知する「予防医学分野」のプロダクトも展示されていたのが新鮮でした。2,3年前は脳波を取得しドローンを飛ばすというような、脳波データの不思議な利用方法が紹介されていた時代から一気にバージョンアップした感覚を覚えます。

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脳波オープンソース(Brain Control Interface)の方も、Eureka Park内で見かけた

3Dプリンターで作られたプロダクトも進化していました。昨年まではステージ衣装やコスプレイヤーが着用する奇抜なファッションアイテムとして3Dプリンター利用の服が展示されていましたが、今年は身体に近くなった着用可能な服がIntelの基調講演に始まり展示ブースでも紹介されていました。素材の進化、技術の進化が3Dプリンターの世界でも見られました。一部のメイカーズだけの3Dプリンターから普段使いの方向けにテクノロジーが浸透してきているのがここでも感じられます。

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3Dプリンターで作られた服やシューズは街中でも着用したくなるデザインのものが多く展示されていた

このように、テクノロジーが生活にますます浸透してきています。CESの展示に置き換えるといままで3Dプリンター、ドローン、VR、スタートアッププロダクト...といった特異に扱っていたものが家電レベルに浸透し始めている、ということなのでしょうか。
今年、世界中から500社集まったハードウェアスタートアップが来年どのようなプロダクトを展示するのか、いまからとても楽しみです。テクノロジーの普及をリアルに体感した2016年のCESでした。

取材:西村真里子

SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。IBMでエンジニア、Adobeにてマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブカンパニー(株)バスキュールにてプロデューサー従事後、2014年に株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×クリエイティブ×マーケティングを強みにプロデュース業や執筆活動を行う。スタートアップ向けのデザイン&マーケティングアクセラレーションプログラム「HEART CATCH 2015」総合プロデューサー。 http://events.heartcatch.me/

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