謎の3人組ユニット「CTS」仕掛け人に聞く、LED仮面演出の舞台裏

2016.05.17 14:00

LED覆面を被った3人組アーティスト「CTS」が、5月11日に2年振り・かつメジャーデビュー後には初となるアルバム「WAVINESS(ユニバーサル ミュージック)」を発売。今回はこのCTSの仕掛け人2人にお話を伺った。

CTSはCircle/サークル(vo)、Triangle/トライアングル(syn)、Square/スクエア(DJ)からなる、謎のLED覆面ユニット。ダンスミュージックサウンドを、独自の解釈 でPOPSに落とし込み再構築した新機軸のサウンドと、日本語と英語を融合した独特のアプローチの歌詞の世界観が特徴だ。
お話を伺ったのは、CTSのクリエイティブディレクター兼マネージャーの宮下俊之氏と、LED覆面のデザインを担当しているMUDSNAIL代表取締役 藤本有輝氏だ。

■「マル、サンカク、シカク、光る」の要素をどう表現するか

「唯我独尊ONLY ONE」MV

例えば筆者が最も印象に残った「CTSの歌詞を伝えたくて、日本のローカルな景色と融合してインパクトを残したかった」という「唯我独尊ONLY ONE」という楽曲のMV。これを観ても、仮面の出で立ちでありながら田舎の風景で撮影したりと、良い意味で"違和感"のある魅力を感じる。このCTS、どのようなきっかけで生まれたのだろうか?

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左:宮下俊之氏、右:藤本有輝氏

宮下:
うちの会社の会議上でアーティストの音源を聞く機会があってが音楽のマネジメント会社で、CTSの原型となる"SAYONARA TWILIGHT"という曲に出会いました。僕が会社の会議室でこの音源を聴いた時、何か面白いことができるかもしれないと思い、"どう世の中に出していくか"と考えたのが最初のきっかけです。その後、色々と考えていた時に、夢で「マル、サンカク、シカク」の物体が光りながら大きなフェスで歌っているっていう夢を見てしまったんです。
コンセプトを詰めていく中でやはり(夢で見たような)世界中で誰もが知っている絶対的な記号の「マル、サンカク、シカク」そして「光る」を表現したかったので、実現出来そうな制作会社を当たっている中で、あるファッションショーでMADSNAILさんにお会いしました。藤本さんにお願いしたきっかけは、シンプルに「デザインから完成、その後の稼働まで全部やります」と言ってくれたからです。ワンストップで行ってくれると意思疎通もしやすいですし。

--CTSのコンセプト面でこだわっている点はありますか?

宮下:
「かっこよすぎない」ということは意識してます。ゆるキャラというと違うのですが、戦隊モノのイメージは少し近いかもしれません。赤・青・黄の戦隊のように、それぞれの特徴があっていいモノだと思っています。
藤本:
CTSのコンセプトを伝えられた時、デザインとして成し遂げなければならないことは、「マル・サンカク・シカク」にしなくてはいけないこと。例えば、「みなさんiPhoneのデザインはどんなものですか?」ってきくと共通イメージがあるじゃないですか。だからCTSも同じように、「CTSってどんなの?」とって聞かれたら「マル・サンカク・シカク」のデザインの三人組って絶対にならないといけないのです。実際サンカクを作り上げることは非常に苦労しましたが、一番サンカクに対して愛着を持っています。
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今のデザインに至るまでの変遷

このデザインを手がけている藤本氏。「ANLEARAGE(アンリアレイジ)」や「Keisuke Kanda(ケイスケカンダ)」のアイテム作りにも関わるようになった彼は元々学生時代デザインを学んでいたが、「デザイン技術だけを学んでいるだけじゃ、自分が伝えたいことが伝えきれないということを強く感じていた。自分が表現したいものを伝えるためには、"デザインして作る"流れが確実に必要だった」という意識を持っていたそうだ。 この意識を持ちながらキャリアを積み、アパレル関係の仕事が増え、CTSのプロジェクトにも出会ったという。

■覆面のLEDはリアルタイムで操作。CTSに同じライブはない

覆面の特徴はやはり顔正面にあるLED。どのように操作しているのだろうか。

--ライブ中にLEDライトを光らせて文字を発信していますよね?

宮下:
自分がライブ中にプログラミングしながら発信しています。生でしか伝えられない臨場感は絶対にあると思っていて、そこはとても大切にしています。ライブ中に音と連動させて例えばヌケとかの静かになった瞬間に、お客さんに向けて頭部のLEDライトのみをを光らせたり。ライブの時は音はもちろん、マスクのLED、VJ演出、レーザーや照明と連動したて発信してショーケースであることがCTSの特徴の一つでもあると思います。

--ライブごとに発信するタイミングや文字などを変えているということは、同じライブパフォーマンスはないということですよね?

宮下:
そうですね。ライブ特有のナマ感は大事にしています。

そのパフォーマンスが評価され2014年には、テイラー・スウィフトの来日公演でのオープニングアクトにも起用されたCTS。

宮下:
テイラー・スウィフトが日本のオープニングアクトを探している時、じきじきにCTSがいいと言ってくれたみたいなんです。聞いた所によると本人、ダンスミュージックが好きらしいので、「さすがに、わかってくれているな」って思いました(笑)。トップアーティストが選んでくれることは、純粋に嬉しかったです。
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さまざまな機材が並ぶMUDSNAILのオフィスにて

--これからの目標についても聞かせてください。

宮下:
オリジナルアルバムを5/11に出したので、このまま夏フェスシーズンに入り出て、CTS恒例のハロウィンイベントもできて、カウントダウンライブで今年を締めくくれたら嬉しいです。今出来る事をしっかり丁寧にできればと。そして、いつかは紅白出場に。

--今後取り組んでいきたい演出などもありますか?

藤本:
体からも光を出したいですね。例えばGoogleとつないで、何かを聞いたら文字で答えてほしい。フルカラー映像を流してもいいかもしれないです。それこそ、自身がiPadみたいになったら面白いなと思っています。そのためにはインターネット接続能力をつけることですかね。

また藤本氏にはMUDSNAILとして、どのようにテクノロジーを活用していくか、という点についても伺ってみた。

藤本:
これからの社会はテクノロジーが一般化していくと思います。昨年とか一昨年に3Dプリンターを知ったという人が多いと思うのですが、それがコンシューマーに降りてくる。3Dプリンターを使うことが当たり前になったときのほうが、みなさん免疫があると思うので、その状況をふまえて遠隔操作のプロダクトだったり、もっと幅広くやっていきたいです。「えっこれ3Dプリンターで作ったの?」と思ってほしいです。

「オリジナルアルバム→夏フェス→カウントダウンライブ」という着実な歩み方をしたいと語る宮下氏。今年の夏、フェスやライブで耳にする方も多いかもしれない。是非注目してみてほしい。

取材:竹田匡宏

1991年生まれ。早稲田大学人間科学部在学中。趣味は、美味しいものを食べ歩いて発信すること。夜は恵比寿でバーテンダーとしても働く。最近はデザイン、プログラミングに没頭。
Twitter:@takeee814

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