三浦大知のクリエイティビティを刺激するテクノロジー〜「DANCE with 3D DAICHI」

2015.12.15 09:30

テクノロジー×エンターテインメント。いままではテクノロジーの進化主導で進んでいたデジタル演出の世界が、エンターテインメント界の発想・表現により、さらに豊かになってきている。
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三浦大知も、そのようなテクノロジーの進化を好意的に捉えているアーティストの一人だ。1997年にFolderのメインボーカルとして1997年にデビューし、2005年にソロデビュー。その歌唱力とダンスでオーディエンスを魅了、さらには振り付けや演出面にも積極的に関わるまさに"エンターテイナー"だ。ミュージックビデオの祭典「MTV VMAJ 2014」にて"ベストR&B賞" 、「2014 MTV EMA」にて"ベスト・ジャパン・アクト" 選出など、その力は国内外で高く評価されている。

その三浦さんが関わる「DANCE with 3D DAICHI」プロジェクトをご存知だろうか。彼のダンスパフォーマンスをモーションキャプチャーし、3Dスキャンされた"3D CG三浦大知"として、デジタル空間にて再現させる取り組みだ。いや、再現されるだけの話ではない。このデジタル空間では、事前に応募したファンが3Dスキャンされ、三浦さんと一緒に「SING OUT LOUD」ミュージックビデオの中で踊ることができるようになっているのだ。

これは、いわばテクノロジーの進化があったからこそできるエンターテインメント。実現にあたってキーとなったのは「スピード」。多忙なアーティストの時間を最小限に抑えつつも、最高級のクオリティを目指す。3Dスキャンという技術を使用する中でも、スピーディーな制作現場に驚いたという三浦さんに、SENSORSは特別取材を行った。テクノロジーの進化は音楽・エンターテインメントにどのような変化をもたらすのだろうか。

--今回の「DANCE with 3D DAICHI」プロジェクト」について、どのような感想を抱かれましたか?

三浦:
3Dスキャンという新しい技術に、僕がこれまで表現してきた「ダンス」を掛け合わせて頂いたのは嬉しかったです。
自分のダンスを、デジタルな技術と掛け合わせることでファンの方と踊ることが出来る。今回ミュージックビデオの中で"一緒に"踊るファンの方の動きもスムーズに表現出来ますし、どんどん現実とテクノロジーの世界の距離が縮まっているのだなと感じましたね。今回はミュージックビデオの中でという形ですが、これがライブなど、現実の世界でも実現出来るようになる未来もそう遠くないと思いました。
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6次元アニメーション。5台のビデオカメラで色を判別し動作をレコーディングし、デジタルデータ化する。モーションキャプチャーにセンサー装着は不要である。写真はモーションキャプチャー実施時の三浦大知。

この取材の前に行われた「DANCE with 3D DAICHI」プロジェクト記者会見では、プロジェクトを進める現場の中で印象に残った点について、「キャプチャをしてその場ですぐに、モーションキャプチャーを仮のイメージを見せて頂くことが出来て、そのスピードに驚きました」と語っていた。

--記者会見でおっしゃられていた「スピードに驚いた」というお話、ぜひ詳しく聞かせてください。

三浦:
本当にびっくりしました。こういったレンダリングにはすごく時間がかかるものじゃないですか。ただ、その場ですぐ「これが仮のものです」と見せて頂いたことは驚きました。今は楽曲制作時の音源データもどんどん短い時間でやり取り出来るようになっていますが、きっと映像もそうなるのだろうなと感じました。この時間のタイトさが、アーティストとしての創作意欲にもさらに繋がっていくだろうなと思っています。
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■三浦大知に聞く、「テクノロジー」との関係

そのクラウド環境によるスピードが印象に残ったという三浦さん。今回、改めてアーティストとしてどのようにテクノロジーの進化を捉えているか、じっくり伺うことにした。

--改めて、「テクノロジー」に対しての考え方をお聞かせいただけますか。

三浦:
今面白いなと思っているのが、テクノロジーの発達により、生身の人との繋がりが逆に近くなっていることですね。今回のプロジェクトのように、ミュージックビデオの中でファンと触れ合う・融合することが出来る。エンターテイメントが、これまでは例えばPCやモバイルの画面越しに見ていたものだったとするならば、今は一緒に参加出来るものになってきていると思いますし、これからもよりそうなっていくと思っています。

--現実の世界と近づく・融合することで、三浦さんのような「表現する」立場からはどのような変化が期待されますか?

三浦:
自らの表現は「アトラクション」だという意識を凄く大事にしています。例えばライブだとチケットを取って、前日までに会場の行き方を調べて、当日、会場の扉を開けて、開演を待って...という、ライブ本番だけじゃない全てをひっくるめてアトラクションとして楽しんで頂けると嬉しいんです。僕はみんなとものづくりをしているという感覚が好きなので、そのアトラクションの中で、一緒に参加出来るコンテンツがどんどん増えていくようになれば素敵だと思うし、楽しみなんです。

--「みんなとものづくりをしているという感覚が好き」という発想は、何が源流なのでしょうか?

三浦:
学生時代バレーボールをやっていたことから、チームスポーツが好きということが理由の一つです。(ポジションは)セッターをやっていたのですが、このポジションはいわば「回す役割」。ボールに三回しか触っちゃいけない中の一回、必ず触るポジションなので、いわばみんなの動きを考える立場でもありました。そうやって考えたプレーで一点取ったときの喜びはかなりのものだったんですね。

もう一つは、アーティスト・KREVAさんとの出会いです。KREVAさんは鷹の目を持ったような方で、俯瞰から、スタッフさんだったりバンドメンバーだったり、色んな人のことを考えてみんなでサポートし合いながら作り上げていこうという考えをお持ちで、それを現場で見た時に「クリエイティブに対して愛があるやり方だな」と思いました。チームスポーツが好きとはいえ、やはり僕自身デビュー当時は「こういうことをやりたい」「こういう歌を歌いたい」「こういう踊りを踊りたい」という、主観性が強かったのです。ただその気持ちはそういった時期にしか作れないものなので、それはそれで必要なんですが、KREVAさんとの出会い以来「自分もそういうものづくりをしたいな」と思うようになりました。
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--テクノロジーなど、最新の演出を研究するようになったのも、そういった考えの変化がきっかけですか?

三浦:
そうですね。あとは新しい物好きという性格もあるので、情報をチェックするのは好きで。

--情報収集はどのように行っているのですか?

三浦:
ネットからもそうですし、人から聞くこともありますし。ダンスをやっていると、ものづくりや技術に好きという仲間も結構いるので「こういうアーティストがこういうことをやってるよ」という情報交換はよくしますね。

--1997年、Folderとしてデビュー、2005年、ソロとしてデビュー。それぞれの時期と比べて、今は演出面で様々な可能性がありますよね。

三浦:
本当に「出来ること」の可能性があり過ぎるので、「このテクノロジーでこれをやってみたい」という"迷わない力"が大事になるのかなと思っています。
昔だったら、自分のダンスを見てほしいとなったら路上で踊るしか無かった。でも今はネットが当たり前で、携帯で撮ったものでも高画質でネットに出すことが出来る。その他にも様々な技術の進化があって、やってみたいこと、面白いことが沢山ある分、何から手を出すか分からないという時代になってくるのかなとも思います。明確な気持ちがないと迷子になりやすいかなとも思うので、「自分もやりたい」と決断してそれを信じてやる、ということが凄く重要になってくるはずです。「テクノロジーと自分を掛け合わせた時に、どうなるのか」を考えていくことで、オリジナルなものが生まれてくるのかなと思います。

また、新しいテクノロジーの周りには、素晴らしいクリエイターの方との出会いが必ずあります。そういった人との出会いも、テクノロジーの進化があってこそだと思っています。

--やはり周りと一緒にやっていきたい、周りを巻き込んでいきたいという考え方が強いんですね。

三浦:
そうですね、色んなクリエイターの方の一つの遊び場のようなものに、三浦大知自体がなっていけたらと思っています。今回の企画のように「これは三浦大知とやったら面白いんじゃないか」と思ってもらえる存在であれば凄く嬉しいです。

--最後に、アーティストとしての今後の目標についても聞かせてください。

三浦:
自分が生きている間に実現できるかは分からないのですが、日本語の曲が世界中で聴かれるようになってほしいと思っています。日本でも、洋楽の意味を全て分かっていなくてもカッコいいと思える曲があるように、海外でもまたその逆が起こりえるはずです。日本語はすごく素敵な言語なので。この日本語としての言語、日本語の音楽の良さを世界に広げていく時に、またテクノロジーの力が大事になってくるだろうなと思っています。

■「DANCE with 3D DAICHI」プロジェクトを支えるシステム環境

「テクノロジーの進化がエンターテインメントを進化させる」と強く感じた取材であった。当プロジェクトのバックエンドを支えるIBM SoftLayerIBM Bluemix。これらのシステムの存在があったからこそ、シームレスな体験がアーティストにも、ファンにも提供できている。

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「DANCE with 3D DAICHI」プロジェクト記者会見に登壇した日本IBM理事クラウドマーケティング担当の古長由里子さんは、「制作工程の早さはもちろん、ダンスの動きのなめらかさもSoftLayerクラウドサービスだからこそ実現できた」という。SoftLayerの特徴である「物理サーバー環境を専有できるパブリッククラウド」を「3D DAICHI」用に最適化する事で常になめらかなダンスを提供できているそうだ。また、プロジェクトウェブサイトはサービス連携が柔軟なIBM Bluemixで構築されている。今後、ファンの傾向を分析して表現を進化させるなどの発展が期待できるとも語る。

「世界でも評価されている日本のエンタメ業界で、今後も3D DAICHI プロジェクトのようなパートナーシップを推進していきたい。そして日本のエンタメコンテンツを世界中に展開して行きたい」と今後の展望を述べた。三浦さんの締めの言葉とIBM古長さんの締めの言葉はいずれも「日本のコンテンツを世界へ」----この点がリンクすることに驚きを隠せない。テクノロジーとエンターテインメントの融合はさらに本格化するだろう。

取材・文:西村真里子

SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。IBMでエンジニア、Adobeにてマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブカンパニー(株)バスキュールにてプロデューサー従事後、2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×クリエイティブ×マーケティングを強みにプロデュース業や執筆活動を行う。スタートアップ向けのデザイン&マーケティングアクセラレーションプログラム「HEART CATCH 2015」総合プロデューサー。 http://events.heartcatch.me/

取材・文:市來孝人

SENSORS Managing Editor
PR会社勤務ののち、かねてより旅行でよく訪れていたロサンゼルスに在住。帰国後、福岡やシンガポールのラジオDJ、東京でのMC・ナレーター、ライターとして等の活動を経てメディアプランナーとして活動中。また、タレント・企業トップなど個人に特化したPR・ブランディングにも携わっている。

Twitter:@takato_ichiki
Instagram:@takatoichiki

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