感性を刺激する、デヴィッド・ボウイの大回顧展『DAVID BOWIE is』アジア初開催

2016.12.26 08:00

2016年1月に亡くなったデヴィッド・ボウイの50年間に渡る創作活動を振り返る大回顧展『DAVID BOWIE is』が2017年1月8日〜東京・天王州 寺田倉庫で開催される。SENSORSでは 展示会のオーディオ&ヴィジュアル演出を担当する英国ロンドン『59 Productions』のクリエイティブ・ディレクターに取材した。

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『DAVID BOWIE is』は2013年、英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で初開催された後、世界9カ国で開催。2017年1月8日〜4月9日までアジア初開催の日本・東京展がスタートする。

世界各国で150万人以上を動員したデヴィッド・ボウイの大回顧展『DAVID BOWIE is』がいよいよ東京にやってくる。アジア初開催の当回顧展は音楽家の枠を超え、アート、ファッション、文化、社会に大きな影響とインスピレーションを与え続けるデヴィッド・ボウイの世界観をヘッドフォンを装着しながら楽しむ趣向を凝らした展示となっている。海外の会場では会場内で大声で歌う人や踊り出す人も居たという。そのライブハウスのような展示会のオーディオ&ヴィジュアル演出クリエイティブ・ディレクションを行うのがロンドンとニューヨークにオフィスを構える『59 Productions』だ。SENSORSでは、クリエイティブ・ディレクターのライサンダー・アシュトン(Lysander Ashton)にインタビューした。 当記事ではヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)展示品オフィシャル写真とライサンダーのコメントで構成する。

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山本寛斎作ジャンプスーツも『DAVID BOWIE is』見どころの一つだ。 Striped bodysuit for the Aladdin Sane tour, 1973. Design by Kansai Yamamoto. Photograph by Masayoshi Sukita © Sukita / The David Bowie Archive

『DAVID BOWIE is』は英国ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)で2013年に初開催されたデヴィッド・ボウイの回顧展だが、なぜ59 Productionsがクリエイティブ・ディレクションを担うことになったのか?

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『DAVID BOWIE is』オーディオ&ヴィジュアル演出クリエイティブ・ディレクションを担当する英国ロンドン『59 Productions』の ライサンダー・アシュトン(Lysander Ashton)に取材した。

59:
我々の強みはステージ演出に最新テクノロジー×アート×ストーリーを融合できるところです。ロンドンオリンピックで『トレインスポッティング』などを手掛けた映画監督ダニー・ボイルと組んだオープニングセレモニー演出もそうですし、昨年トニー賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカル『巴里のアメリカ人(An American in Paris)』にもテクノロジーとアートの融合を感じていただけると思います。常にインテグレーション=統合型の演出を心がけていて、プロジェクションマッピングの映像にアーティストの絵画を融合させています。 今回の『DAVID BOWIE is』に関しては、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が企画を考えていた際に、いままでに無い新しい形で展示会を行ないたいと考えて我々59 Productionsにお声がけいただきました。デヴィッド・ボウイがとても"劇場型(theatrical)"人物なので、回顧展も劇場風にドラマティックに仕上げたかったからでしょう。
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2012年ロンドンオリンピックのオープニングセレモニーの映像演出を手掛けた59 Productionsが『DAVID BOWIE is』のオーディオ&ヴィジュアル演出を手がける。写真は59 Productions提供。

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館史上最大の動員数となった『DAVID BOWIE is』。イギリス、カナダ、ブラジル、ドイツ、アメリカ、フランス、オーストラリア、オランダ、イタリアと9カ国を巡回し、総動員数150万人を突破している。その展示の魅力をライサンダーに語ってもらう。

--世界各国で展示をしていますが、国によって反応に変化はありましたか?

59:
いいえ、ありません。というのもデヴィッド・ボウイ自身が時代により、スタイル、ファッションを変えているのでファンの好みもバラバラで。国単位での違いは無いですが、一つの国でも一人ひとりの反応は違い多様性がありました。国境を越え、年代を越え愛されるのがデヴィッド・ボウイの偉大さなんだと思います。
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David Bowie during the filming of the 'Ashes to Ashes' video, 1980. Photograph by Brian Duffy Photo Duffy © Duffy Archive & The David Bowie Archive

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David Bowie, 1973. Photograph by Masayoshi Sukita © Sukita / The David Bowie Archive design Freddie Burretti

--当回顧展は2013年にスタートしましたが、デヴィッド・ボウイが2016年初頭になくなったことは回顧展に影響を与えましたか?

59:
いいえ。彼が亡くなったとしても、彼の作品は残り、進化し続けています。

--日本開催での見どころはどこだと思いますか?

59:
デヴィッド・ボウイは日本が好きだったようですよね。山本寛斎さんが彼のためにデザインした衣装も飾ってありますし、日本オリジナルで『戦場のメリークリスマス』にボウイと共演した北野武、坂本龍一の撮りおろしインタビューもあります。実は私自身も新婚旅行に日本を選んだので、世界中のアーティストやクリエイターは日本にインスピレーションを得続けているんですよね。
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2013年V&A開催時のオフィシャル写真。山本寛斎のジャンプスーツも展示。Installation Shot of David Bowie is courtesy David Bowie Archive (c)Victoria and Albert Museum,London_9

--どのような方に見てもらいたいですか?

59:
必ずや新しい発見がある場だと思うので往年のファンにも楽しんでもらえると思います。また、デヴィッド・ボウイはミュージシャンでありつつ、ファッション、アート、映像に大きく影響した方なので様々な角度から感性が刺激される作品が展示されているので多くの方にインスピレーションを与えると思います。 デヴィッド・ボウイは自分のスタイルを常に刷新し、イノベーティブにre-inventし続けた人物なので、イノベーションのアイデアがほしいビジネスマンが来ても大きく影響を受けるかも知れません。

--ありがとうございました!

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Original photography for the Earthling album cover, 1997. Photograph by Frank W Ockenfels 3 © Frank W Ockenfels 3

展示会始まる前の施工の段階で『DAVID BOWIE is』が行われる寺田倉庫G1会場を下見させていただいたが、会場は複数ブロックに分けられている。そのブロック一つひとつがデヴィッド・ボウイの各年代ごとのライブ会場のようになっている。そこには衣装あり、ギターあり、映像あり、DAVID BOWIEファンはもちろんファッション、アート、デザインに関わる方であればインスピレーションを得られるものが満載だ。取材したライサンダーが言うように、デヴィッド・ボウイから得られる刺激は新しいビジネスの種を探している人にも相応しいのだろう。 2017年のスタートダッシュにデヴィッド・ボウイ展で感性を磨くのはいかがだろうか?

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ライター:西村真里子

SENSORS.jp 編集長 国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

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