よりパーソナライズ化へ、もっとショッパブルに。「DECODED FASHION TOKYO SUMMIT 2016」展示レポート

2016.10.14 12:00

10月11日、Tokyo American Clubで開催とされた、「Decoded Fashion Tokyo summit 2016」。国内外からファッション、テクノロジー、スタートアップが集まり最新のグローバルトレンドを語りあうセッションの裏では、同会場で企業ブースコーナーや、実店舗を模した展示、体験型ブースが賑わいを見せた。 展示取材で見えてきたのは、未来のショッピング体験。特にパーソナライズ、ショッパブルが色濃く見える展示となった。
セッションの模様は記事:キーワードはパーソナライズ、ショッパブル、サステナブル〜ファッションの未来を探る「DECODED FASHION TOKYO SUMMIT 2016」レポート にて。

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Decoded Fashion Tokyo summit 2016会場:展示ブースで出迎えてくれたのは侍の人工知能「AI Samurai」だ。

■IMP ~Interactive Mannequins~

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会場に入り、まず目についたのが、このマネキンだ。人工知能テクノロジーを用いた対話システム開発を手掛ける株式会社Nextremerがマネキンのデザインなどを手がけ株式会社七彩、早稲田大学メディアデザイン研究所とのコラボレーションで生まれたこの次世代マネキン。対話エンジンAI-Galleriaを搭載し、音声で人とのコミュニケーションを可能にした。また、人の音声データやセンサーで感知するユーザーの情報を蓄積し、ユーザー個人個人に最適な商品提案を行うことも可能となる。

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一般的な会話なら、違和感なく行うことが可能だ。

消費者のパーソナライズ化が進む中で、"あなたのための接客"をテクノロジーを用いて行う必要に迫られている。今までイノベーションが訪れることがなかった"マネキン"が行うことで今後さらなる購買体験の向上に一役買うだろう。

■デクワス.CAMERA--Shazamの心地よさを購買体験にも--

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続いて紹介するのが、サイジニア株式会社が手がける「デクワス.CAMERA」。音楽認識アプリ「Shazam」のファッション版といっても過言ではないだろう。日常生活や、雑誌上で気になる商品がある場合に、写真をとるだけで、人工知能がそのアイテム情報を特定してくれる。

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冒頭の雑誌ページからアイテムを特定し、同カテゴリの商品をリコメンド

それだけでなく、レコメンドされた商品がそれを購入できるECサイトの商品ページへ直接リンクされていて、そのまま商品を購入可能だ。デモでは、カジュアル衣料品などを手がける株式会社アダストリアの商品がレコメンドされていた。今後はファッション分野だけでなく、グルメなどライフスタイル領域への進出を目論んでおり、今後が楽しみなサービスだ。本イベントのキーワードである「ショッパブル」がすぐそこまで来ている、と感じさせてくれる内容になっていた。

■Flickfit ~Virtual shoe fitting service

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インターネットで靴を購入する人はあまり多くはないのだろうか?その理由の一つとしては、「実際に履いてみないと不安」というものがあるだろう。基本的に靴のサイズが0.5cm刻みで流通されているが、実際の靴のサイズは人によってまちまちでパーソナライズ化されていない。
このFlicfitは足を3Dスキャンしデータとして取得、靴メーカーが持つ膨大な靴型のデータと照らし合わせ、ユーザーに最適な靴をネット上から選定してくれるサービスだ。 アプリ上の「ヴァーチャル試着」を試すことで、靴のはき心地も可視化され、痛みを伴う可能性のある部分を「ヒートマップ」として表してくれる。 もちろん、レコメンドされた靴をアプリ上でも購入可能だ。

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この専用の機械で、足型をとることができる。取得したデータはいつでもアプリ上で閲覧可能。

まさにパーソナライズ化、ショッパブルの要素を兼ね備えた、新しい購買体験と言えるだろう。



最新のテクノロジーは、我々の購買に関するストレスを無くしてくれるようだ。パーソナライズ化され、リコメンドされたアイテムはアプリ上でショッパブルとなり、簡単に購入が可能だ。このようなシームレスな流れの中で、我々は快適性を手にすることもできるが、反面怖さも介在する。それは「個性」というものがなくなってしまうのではないかという懸念だ。個性はリコメンドされたもの以外から生まれるのではないだろうか?テクノロジーの発展とともに我々人間側も"自己"を持つ努力をし続けなければならないのかもしれない。

文:岡本孔佑

フリーライター。慶應義塾大学文学部4年在籍。編集者を志し、複数の媒体で執筆、編集を経験。「ファッション」、「テクノロジー」にアンテナを張っています。
Facebook:www.facebook.com/kohsuke.okamot

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