危うさで溢れるドラマ版『ハンニバル』 映像美と共に静かなる恐怖に酔いしれる。

2017.01.07 12:00

映画『羊たちの沈黙』、『ハンニバル』で大注目を集めた
元精神科医の人食いサイコパスのハンニバル・レクター博士。

映画での衝撃を引き継ぐ形で、
2013年よりドラマ版の『ハンニバル』がスタートした。

今回は、ドラマ版の見どころに迫る!

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Huluで配信中!

■若きFBI捜査官から見たレクター博士の壮年期とは

ドラマ版のストーリーは、映画に登場した元精神科医で脱獄犯であったレクターが
まだ精神科医として活躍していた時代を描いたものである。

映画でも、人食いサイコパスとして
観客にセンセーショナルな印象を残したハンニバル・レクター博士。
ドラマ版では、レクター博士と行動を共にすることになる、
特殊な共感能力を持ったFBI捜査官ウィル・グレアムの目からから観た
レクター博士の異常性が描かれている。

ウィル・グレアムという捜査官が持つ、
"共感能力"という特殊な能力について、
ぴんとこない人も多いだろうから、ここで説明しておこう。
ここでいう"共感能力"とは、
犯罪現場において、犯人の気持ちになって、
犯行を読み解ける能力を指している。

■最大の見どころは、天才同士のギリギリの交流

犯人の気持ちを理解できるため、
抜群の犯罪解決能力を持ち合わせながらも、
加害者側に回ってしまう危うさも持っているウィル。

そこで、彼のカウンセラーという立場についたのが、
レクター博士である。

表だって犯罪者だと認知されていないまでも
すでに殺人に手を染め、
そこに美学を見出しているレクター博士。
この時点ですでに異常値マックスレベルで、
人の内臓を調理し、おいしそうに召し上がるシーンは
身の毛もよだつ。そういったシーンが苦手な人は注意してみた方がいい。

この史上最恐のサイコパスであるレクターにカウンセリングされ、
犯罪者へと感情移入してしまうギリギリのラインにいるウィルと、

犯罪者の気持ちになれるウィルに事態を悟られるかどうかの
ギリギリのラインにいるレクター博士との

"ギリギリ"な交流がまさに、
このドラマ版の見どころと言えるだろう。

"危うさ"を持ち合わせた2人の静かな交流は、
スリルと恐怖の連続!

ドラマ版『ハンニバル』では、そんな2人のギリギリな交流に
緊張を走らせながら、
どのタイミングでウィルがレクターの正体に気づき、
レクターはウィルに気づいたときにどうするのか、
ハラハラしながら見守ってほしい。
映画版とは全く異なるスリルを楽しめるはずだ。

■「静」と「凶」が織りなす恐怖の世界

また、次の見どころとして、
「映像美」があげられる。

このドラマが大切にしているものとして、
「静」と「狂」であるように思う。

とんでもなく凶悪な犯罪が進行していく中で、
レクター博士のシーンは常に「静」。
内臓を食すシーンでさえ、上品で、そこに美しさを感じるほど。

静かで、美しい映像が続く中で、
凶悪な犯罪が容赦なく描かれる。
私は凶悪犯罪ドラマを見て、これほど恐ろしいと思ったことはない。
それほどまでに、映像が美しく、犯罪が凶悪すぎる。

この強弱のついた映像美にもまた
圧倒されることだろう。

ドラマ版『ハンニバル』はHuluでシーズン1〜3を配信中。
気になる人はぜひチェックしてみるといい。

(text:伊藤ハルカ)

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伊藤 ハルカ

週に20本、年間1500本以上のアメリカドラマを観る、「日本一アメドラを観る女子」。「アメドラ界のデーブ・スペクター」を目指し、アメドラコラムニストとして幅広いメディアで活躍中。

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