『HOMELAND/ホームランド』の製作陣が 新たに手がけたのは、過激な中東政治ドラマ 『タイラント-独裁国家-』

2017.02.04 14:00

大ヒットスパイ&サスペンスドラマ『HOMELAND/ホームランド』の製作陣が手がける新たな政治ドラマ『タイラント -独裁国家-』。

アメリカではすでにシーズン3まで放送済みの人気ドラマで、舞台は、中東にある架空の国アブディン。

独裁国家の支配者一族に生まれた兄弟を主人公に、血縁関係にある人物同士の権力争いや恐怖政治を描いた作品である。
「タイラント」は"暴君""独裁"という意味でタイトルだけでも興味が沸く。

日本では、Huluでシーズン1〜シーズン2の全話が配信中。
今回は改めて、本作の見どころに迫っていきたい。

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シーズン1・2/Huluで配信中

■『HOMELAND/ホームランド』とはまた違った面白さで視聴者を虜に!

双極性障害という、精神疾患を患うCIA作戦担当官のキャリーが、イラクのアルカイダに捕虜として捉えられ、後に英雄としてアメリカに戻ってきた軍人のブロディを、実はアルカイダのスパイなのではないかと疑い、真相を追求していくスパイドラマ『HOMELAND/ホームランド』。
(上記の内容はシーズン1のストーリー)

実に多くの人がこの作品に驚き、気持ちを鷲掴みにされ、のめり込んでいったことだろう。

そんな人気作『HOMELAND/ホームランド』を手がけたギデオン・ラフとハワード・ゴードンという2人のクリエーターが、新たに手がけたドラマが、今回紹介する『タイラント-独裁国家-』である。

"独裁国家"というワードを聞いただけで、『HOMELAND/ホームランド』のシーズン1を連想する。
あの面白さがもう一度、他のドラマで体験できると思っただけで観る前からワクワクしたのを筆者は覚えている。

独裁者である父親に反発し、少年のころに国を出てアメリカに亡命した次男のバサム。

そして、父親に認められようと必死な跡継ぎの長男ジャマル。

ストーリーは、バサムが、甥の結婚式で、約20年ぶりに家族を引き連れ祖国に一時帰国したところからスタートする。

久しぶりに帰国したアブディンは20年前とは全く変わっていなかった。
異様な空気が漂う国から家族を守るために、バサムは一刻も早くアメリカへ帰ることだけを考えている。
しかし、アブディンに滞在中に支配者である父親が急死し、兄が新たな支配者となる。

突然、国のトップとなりプレッシャーに押しつぶされそうな危なっかしい兄をほっておくことができず、また、父親が亡くなったことで、独裁国家に歯止めをきかせることができるかもしれない、と淡い期待を抱き、バサムは国に残ることを決意する。

独裁者で、父親と同じように強くあらねばならないと自分を無理にふるいたたせる兄ジャマルと、幼い頃から不快に思っていた独裁国家に終止符を打ちたい弟バサム。

このドラマは「独裁国家」の中における恐ろしい日常や複雑な感情が丁寧に表現されたドラマに仕上がっている。

ほぼ無名、でもこのクオリティ!
役者陣の演技力に完敗!

女性が軽視されたり、市民が貧しい生活を強いられたり、内乱でも起こそうものなら容赦なく射殺されたり、血縁関係でありながら、権力を奪いあったり。

独裁国家の恐ろしさをリアルに描いたこのドラマの根底にあるのは、兄と弟それぞれの生き様と兄弟間の絆である。

そんな兄ジャマルを演じるのは、アシュラフ・バルフムというイスラエル出身の俳優。

彼、ほぼ無名の俳優なのだが、なんとも情に訴えかけてくる素晴らしい演技を見せている。

あるときは無情なリーダー、あるときはプレッシャーに押しつぶされそうな一人の男、あるときは弟思いな兄...。

シーズン1の中盤から、筆者は主役の次男バサムよりも長男ジャマルに目が釘付けだった。

ジャマル役のみならず、このドラマには無名の俳優が多い。でありながら、一人一人の演技力が
迫真に迫るものがあり、クリエイターの力のみならず、キャスト陣の演技力の高さでもトップクラスの海外ドラマであると言えよう。

シーズン2、シーズン3では、ジャマルがどう変化していくのか、この一族、また国がどうなっていくのか、これからの展開も見逃せない!


(text:伊藤ハルカ)

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伊藤 ハルカ

週に20本、年間1500本以上のアメリカドラマを観る、「日本一アメドラを観る女子」。「アメドラ界のデーブ・スペクター」を目指し、アメドラコラムニストとして幅広いメディアで活躍中。

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