IBMがアイディアソン・ハッカソンに積極的な理由

2015.12.17 09:30

IBMは"International Business Machines"の名前にふさわしく、いわゆるビジネス領域のプレイヤーだった。それが今、エンジニア&デザイナーのアイディアを大切に、ものづくりコミュニティに近い存在へと変化してきている。 【Sponsored by IBM】

いまIBMが推進する「デザイン思考」なプロジェクト推進ではデザイナーや学生から発信される柔軟なアイディアをビジネスへ落とし込むトランスレーターとしての役割を担い始めている。世界最大規模のスタートアップイベントを主催するLaunchと組み、IBM SmartCampをグローバルに展開するなど積極的にハッカソンやアイディアソンに参加しているが、日本国内でも2015年だけで50以上のアイディアソン・ハッカソンに参加しているという。

直近の一事例として2015年11月末に開催された「エクストリームホームハック」を挙げよう。自分が本当に住みたい「家」を作るアイディアソン・ハッカソン3日間コースのイベントである。このイベントにはSENSORSメンバーの灰色ハイジも参加した。

SENSORSメンバー灰色ハイジさん。右奥はIBM牧瀬さん。

灰色ハイジ:「アイディアソンへの参加は初めてでしたが、短い時間で初めて会った人たちと連想ゲームのようにアイディアフラッシュを出すのは刺激的でした。普段、自分が企画をする時の思考法を他人と一緒にやっているような感覚でした。簡単に一人でも、ものづくりが出来る中で、他人を交えてディスカッションすることがアイディアソン・ハッカソンの醍醐味のように思います。」

"ホーム"という必ず私たちが接している生活空間をハックするという今回のハッカソンのテーマは非常にワクワクするものがあると思いました --- 灰色ハイジさんがそのように語る「エクストリームホームハック」はどのような手法で参加者のアイディアを抽出していったのだろうか?キーワードは「ブレインラインティング」にありそうだ。

エクストリームホームハックの会場はRED BULL JAPANオフィス。開放的な空間と翼を授けてくれるレッドブル飲み放題でアイディアが出やすい環境が整っていた。

IoT, Internet of Thingsはいかにして日々の生活からデータを取得し、ビジネスにつなげるか?が肝である。我々はスマートフォンを手にしたときから24時間365日インターネットにつながり体の半分は電子化している。IoTが本格普及すればスマートフォンだけではなく自動車、電子レンジ、冷蔵庫・・生活に必要なプロダクトとネットがつながることになる。ただネットにつながるだけではなく、IBM BluemixのIoT Foundation/MessageSightなどで生活に関わるあらゆるプロダクトやインフラと基幹ビジネスは繋がることができる。

左がIoTプロダクト。基幹システムや各種サービス群とつなぐためのハブとしてIBM BluemixのIoT Foundation/MessageSightなどが活用できる。

テクノロジーは進化している、ただし我々の生活にはまだまだ不便と感じることも多い。「エクストリームホームハック」アイディアソンでは「ブレインライティング」という手法を使い日常生活で困っていることを顕在化させていき、ユーザーの課題に沿った形で必要なプロダクトを作り上げる「デザイン思考」的アプローチを行った。

一人のアイディアをチーム全員で具現化させていくブレインライティング。個々人が使うペンの色で誰のアイディアかチーム内では把握できる。

筆者は日本テレビSENSORSチームで参加した。左から筆者、SENSORSメンバー灰色ハイジ、SENSORS総合演出 藤田信太郎、クラウドパック後藤和貴。

チーム内でアイディアが出揃った後、他チームのアイディアを確認する工程に入る。これは良い!と考えるアイディアにはシールを貼って意思表示をしていく。

ブレインライティングで参加者個々人のアイディアを可視化した結果一時間弱で400ほどのアイディアが生まれた。我々の脳ミソの引き出しは如何に深いのか?と感じさせる瞬間であった。最終的に全員で投票を行い最終的に6つのアイディアが残った。掃除しながら発電する災害時向け掃除器具、地震発生時に扉をオートロックする食器棚、冷蔵庫の中身をスマホに送ってくれる冷蔵庫在庫管理ソリューションなど今すぐ欲しいアイディアが生まれてきた。

掃除しながら掃除できた範囲を図ることができるスマートコロコロなどのアイディアも生まれてきた。

この生まれてきたアイディアをどのように実現していけばいいのか?冷蔵庫の中身をスマホに送るソリューションを例にすると、冷蔵庫の中身をスナップショットし、その画像をスマホに通知できれば出来る、とアイディアソンに参加していたIBM技術者が言う。さらっと教えてくれたことを図にしてみた。IBM Bluemixのコンポーネントに必要なものが提供されているらしい。

冷蔵庫の中身をスマホで確認する方法は「Raspberry Pi」と言われる小型マイクロプロセッサーと1000円くらいのUSB接続のWebカメラ、Raspberry Piに接続する電源装置、Qi規格の無線充電アンテナモジュール、Raspberry Piに接続する無線LAN用のUSBアダプタ、インターネットに接続する無線LANルータを準備すると自分でもできてしまうそうだ。

テクノロジーの進化が早く人間が取り残されてしまう恐れを抱く方もいるが、我々のブレイン/ 脳ミソが生み出す豊かなアイディア、課題解決能力とIBM Bluemixによる素早い環境構築を組み合わせることにより、パーソナライズドされた個々人の生活に必要なソリューションを組み立てていけることを実感した。問題解決の「場」として、様々なアプリやサービスをどんどん組み合わせて「作っては壊し」を繰り返すことができる環境を提供するのは、IBM Bluemixかもしれない。ビジネス領域のプレイヤーがものづくりコミュニティに近い存在へと変化してきている。

取材・文:西村真里子

SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。IBMでエンジニア、Adobeにてマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブカンパニー(株)バスキュールにてプロデューサー従事後、2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×クリエイティブ×マーケティングを強みにプロデュース業や執筆活動を行う。スタートアップ向けのデザイン&マーケティングアクセラレーションプログラム「HEART CATCH 2015」総合プロデューサー http://events.heartcatch.me/

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