イッセイ ミヤケ・パリコレ"10分間"のビッグバン【フォトギャラリー】

2016.10.03 11:30

イッセイ ミヤケがソニーのFashion Entertainmentsと共同開発した電子ペーパーを使用した「EB」(Electronic Bag)を発表し、ファッションとテクノロジーの融合が加速するのではないかとの考察を伝えるパリコレ速報をお届けしたが、そもそもショー全体はどのような構成で進んだのか?当記事では写真を中心にイッセイ ミヤケの2017年春夏コレクションについて紹介する。

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デザイナー宮前義之を中心に「microcosm(ミクロコズム)」をテーマにショーを行ったイッセイ ミヤケの2017年春夏コレクション。約10分間のショーでは服とモデルを中心に、音楽、光、ステージオブジェが共鳴して「服を着ることは楽しいこと、心躍ることである」と力強く訴えかけてくる。この魅力は音楽や演劇などのステージとはまた一味ちがうものである。一種の魔法に掛かるような10分間に虜になる方が多いのだろう、ショーがはじまる前から会場前は熱気に包まれていた。
※テーマ「microcosm(ミクロコズム)」についてはこちらの記事を参照頂きたい。

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イッセイ ミヤケの2017年春夏コレクションエントランス。イッセイ ミヤケの服を来てショーを楽しむ方々が多く並ぶ。

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さすがはパリコレ、モデルのような着こなしの方も多く見かけた。

会場が徐々に暗くなりライブミュージック「Open Reel Ensemble+sébuhiroko」が演奏をはじめる。Open Reel Ensembleは既に10回ほどイッセイ ミヤケのショーの音楽を担当しているが今回は竹の弓を使った"磁楽弓"を活用しこれから始まるショーを最大に盛り上げていく。

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「Open Reel Ensemble+sébuhiroko」。オープンリールを弓で弾く新たな楽器"磁楽弓"で幾何学模様の会場に未来的で懐かしい音を満たす。

照明が徐々に明るくなる中で幾何学にカットされたピースを熱で貼り合わせる新素材"Cut & Stick"のドレスをまとったモデルが会場を颯爽と歩き回る。 通常のランウェイとは違い、幾何学のオブジェが置かれた空間を歩き回るので、服の幾何学と空間の幾何学のコンビネーションが楽しめた。

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一本の光の道が出来上がり、その上をモデルが歩き出す演出からショーはスタートする。

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熱で貼り合わせることのできる新素材"Cut & Stick"のドレス。ジャージ地で着心地良さげな動きに幾何学模様が映える。

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様々なパターンの服が次から次へとステージに現れるので息をつく暇もないほどだ。

電子ペーパーを使用した「EB」(Electronic Bag)はモデルの動きにあわせてバッグそのものの表情を変える。会場からも「あ、柄が変わった」というバッグの柄が自動で変わることを発見し声を上げる方もいた。 モデルもショー直前に電子ペーパーで作られたバッグが7パターンに表情を変えるのを知り「クール!」と喜んだという話もスタッフから伝え聞く。 テクノロジーのさりげない利用が、ファッションとしての電子ペーパーを確立させると実感した瞬間である。

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点滅やグラデーションなど7パターンの柄が変化する未来のバッグ「EB」(Electronic Bag)

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イッセイ ミヤケは常に新しい服の素材を追究している。"Baked Stretch"と言われる新しいプリーツは特殊な"のり"をプリントして高温で膨らませて凸凹の表情を楽しむことができる。ふっくらとした立体を楽しむことも、体型にあわせた光を取り込むことも可能だ。トライバル柄(民族調)の服を着たモデルが出てきた時には美しさに思わず息を飲んだ。
一流メイクアップアーティストALEX BOXが手がけたメイクは種が撒かれたようなプリミティブさを表現しておりトライバル柄の服の美しさを強調していた。

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"3D Steam Stretch"では一枚の布に緻密に設計された折り目があらかじめ織り込まれた布を蒸気で縮めるテクニックを使っている。"ブロック状の立体感"を提供してくれる服を着ると今までと違う自分に出会えそうである。

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"3D Steam Stretch"の立体感が楽しい。

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"3D Steam Stretch"の後ろ姿と"Baked Stretch"

まるで折り紙で折ったかのような新素材"Cut & Stick"ドレスは、飾ってあるだけだと平面に感じるのにモデルが着て歩きだすと一気に華やかにまわりが楽しくなる面白い服だ。ジャージ素材がベースなので着心地が良い上にシェイプが綺麗に保てるのが嬉しい。
United Nudeと組んだ新たなシューズプロジェクト「ISSEY MIYAKE × UN」のサンダルはまるで"ブロックの塊から削り出したような"と表現されるように力強く、存在を伝えてくる。カラーバリエーションも豊富で思わず「キレイな色だなぁ」と見惚れてしまう。街中で履いている人がいたら思わず数秒見つめてしまいそうだ。

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点・線・面がデザインコンセプトの「ISSEY MIYAKE × UN」のサンダル。

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44種類のルック(服)がモデルにより紹介された後にデザイナーの宮前義之氏が登場。会場に向かってとても丁寧にお辞儀をされる宮前氏を見て、約10分間に凝縮された感動の連続を作り上げた彼に感動を覚えた。
彼がテーマに掲げた「microcosm(ミクロコズム)」のように"種"だった様々な素材がショー会場で開花し咲き乱れるビッグバンを起こしていた。 このチカラを感じにまた参加したい、と思う10分間であった。

ISSEY MIYAKE: SPRING SUMMER 2017 Collection ©2016 ISSEY MIYAKE INC.

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ライター:西村真里子

SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

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