ジャパンコンテンツの世界展開【Japan Expo】レポート〜マンガ家がロックスターになった日

2016.11.12 12:30

ピコ太郎『PPAP』や『ポケモンGO』、そしてリオオリンピック閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニーなど日本のコンテンツや表現が世界に注目されている。その"ジャパンコンテンツ"に注目し続けているのがフランスの『Japan Expo』だ。「2016年はフランスのマンガ界の転換点である」と語る講談社北本かおり氏がフランスJapan Expoに飛び取材したレポートの【まとめ】をお届けする。今年は『フェアリーテイル』の真島ヒロなどもフランスに飛びロックスターのような熱狂で観客を沸かせている。日本のマンガ家自身が語るJapan Expoの魅力も味わって欲しい。 なお、11/13(日)3:25~[土曜深夜]の放送でもJapan Expo特集を放送予定だ。

■日本マンガがフランスで人気の理由

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フランスはマンガ市場の大きさが日本に次いで世界第2位の国だ。その国で一番大きなマンガ・アニメに関連したイベントがジャパンエキスポである。クール・ジャパンの象徴として日本でもしばしば取り上げられてきた。フランスで、そしてヨーロッパで最大のイベントであるがゆえに、ジャパンエキスポを見ればその年のヨーロッパにおける日本のコンテンツの動向が浮かび上がってくる。今年のマンガ市場はどんな特徴があったのか?『チェーザレ~破壊の創造者~』『チーズスイートホーム』などを手がけた講談社の北本かおり氏が現地で取材した様子をレポート。

記事はこちら︰『チェーザレ~破壊の創造者~』『チーズスイートホーム』を手がけた編集者がみるフランス漫画市場【Japan Expo 2016レポート】

■フランスで日本文化を共有する空間としてのJapan Expo

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さて、「そもそも、Japan Expoとは何か?」という方のために簡単にその歴史を振り返るために、Japan Expo仕掛け人トマ・シルデ氏とフランス最大手の出版社アシェットのグループ企業であるPIKA社のヴィルジニ・ドダン・クラヴォウ氏にJapan Expoを始めた理由や、フランスにおけるマンガの意味・価値を伺った。 彼らの言葉から、マンガを通してフランス人が日本に触れていることを感じてもらいたい。

記事はこちら︰Japan Expo仕掛け人、フランス出版社に聞くビジネスと文化を創造するマンガ

■それでは日本のマンガ家はフランス市場をどのように見ているのか?『フェアリーテイル』真島ヒロインタビュー

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今年のJapan Expoには、週刊少年マガジンで連載中の『フェアリーテイル』の作者・真島ヒロが公式ゲストとして招聘された。 同作品は2015年のフランスのマンガ市場で総売り上げ第2位の大ヒットとなり、連載10周年の特別な年をフランスのファンと過ごしたいという真島の思いから、今回の参加が実現した。 真島はJapan Expo聴衆の前でライブドローイングを披露し、そしてフランス人マンガ家レノ・ルメールとのドローイングバトルも行った。そのドローイングバトルの様子を見守る観客の熱狂はまるでマンガ家を「ロックスター」のように出迎えていた。


記事はこちら︰マンガ家がロックスターになる、Japan Expo--『フェアリーテイル』真島ヒロやフランス「宇宙の果てのバー」が我々に伝えるもの

■フランス発のマンガ創作「フレンチタッチ」

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今年のJapan Expoのテーマの一つとして、「フレンチタッチ」という新しい動きがあった。 これは日本とフランスの新しい交流の仕方として、フランスのマンガ家で日本のマンガに近いフォーマットやタッチで作品を描く人たちを推していくムーブメントだ。25年前にフランスで初めてのマンガ『AKIRA』を出版したフランスのグレナ社を含めたフランスのマンガ出版各社がそういう新しいフランスのマンガ家さんたちを応援し、新刊を出版する動きが出はじめた。Japan Expo会場でもフランスのマンガ家のサイン会が行われたり、全体的にフランスの作家を推しているというのが今年のJapan Expoの大きな特徴だったという。そのムーブメントについてフランス、グレナ社の稲葉里子氏に取材した。

記事はこちら︰"フレンチタッチ"--講談社北本かおりが「日本×フランス マンガの新たな兆候」を掘り下げる

■ジャパンコンテンツ=日本の文化をつたえるもの

Japan Expoがジャパンコンテンツの魅力を発掘し、フランスはじめヨーロッパ、そして世界にマンガ文化を発信してきた。そしてフランスで火がついた『チーズスイートホーム』のチーはこの秋、アニメとしてイギリス、ドイツ、オーストリア、中国で世界にも配信開始した。現在ではYouTubeやスマホアプリなどを介してジャパンコンテンツが発信できる。世界に通じるコンテンツはどのようなものなのか?考え、創り続けることは日本文化を発信することにも等しい。もちろん、海外だけではなく、日本人に愛されてこそ日本文化を背負うのに相応しい役割を担うだろう。そうハロウィーンに仮装して街中の子供達を笑顔にしたチーのように。

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ライター:西村真里子

SENSORS.jp 編集長
国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoe株式会社フェロー。

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