m-floと公開ぶっつけレコーディング!VERBAL・☆Taku Takahashi・抜擢された2人のシンガーが語る成果

2016.05.30 17:45

5月14日、筑波大学にてG7茨城・つくば科学技術大臣会合開催記念事業として開催された「INNOVATION WORLD FESTA 2016」。このイベントの「MUSIC PRODUCER」を務めたのが、m-flo / PKCZ® VERBALだ。

このイベントはラジオ局・J-WAVEと筑波大学の共催で行われた。様々なアーティストやイノベーターが登場する中で、VERBALがm-floとして☆Taku Takahashiと共に行ったのが、ステージ上での公開楽曲制作。多くの観客が見つめるステージにPCやマイクなどを設置して、まさに新曲を作る様子をリアルタイムで見てもらう試みだ。なんとソファーも日頃☆Taku Takahashiのスタジオで使っているものを持ち込むなど、ディテールにもこだわったこの企画。

この企画は「筑波大学という特別な場所での開催という事で、今までやった事のない、m-floとして新たな一面を表現したいというところから生まれたアイディアでした」(VERBAL)、「会場的にライブをやるのはちょっと違うねという話になり、イノベーションをテーマにしてるから普段と違うことしようよ、となりました。その中で1番面白いアイデアが、ぶっつけで曲を作るという案でした。なるべく普段の2人が作る環境に近づけたかったので、機材はもちろんのこと、家具まで会場に持ち込みました」(☆Taku)という二人のアイディアから生まれた。

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■「come again」のエピソードも。詞を書く時は「ドラムだけ渡された」

夏に向けて、夏+切なさをテーマにした楽曲を作るという方針でスタート。二人が会話をしながら、☆Taku TakahashiがPC内のDAWソフトを駆使し、和音、ドラム、パーカッション、ベース...と加えていく。

「ここからメロをのっけていこう」という話になった時、いきなり観客席から呼び寄せられたのが、SHUNYAと麦野優衣。
「m-floの公開レコーディングに歌で参加してくれる方大募集!」として、メジャーレーベルや音楽事務所との契約がすでにあるアーティスト以外(インディーズは可)という条件での募集があり、2010年のVERBALの楽曲「Fall Out feat. SHUNYA」で一度(当時は大学生だったそう)共演したことのあるSHUNYAが応募。音源として送った動画が目に留まり、抜擢されたというのが経緯だ。

いきなりリアルタイムで制作が進む楽曲にボーカルを乗せることになったが、「いつも無茶振りをしているのがm-flo」(☆Taku)、 「僕たち、大体いつも"せーの"という感じですよね。昔から変わらないです」(VERBAL)と、その場の進捗や状況に応じて臨機応変に動いていくのが、元々のm-floのスタイルでもあるようだ。VERBALによると大ヒット曲「come again」も「最初は☆Takuからドラムだけ渡されて、これでなんか(詞を)書いてと言われました(笑)」というエピソードも。

その後二人のボーカルパートがステージ上で録音され、さらにVERBALのラップが加わり、曲の原型が出来上がった。この曲は今後、完成に向けてさらに制作が進められるという。

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■大きな拍手に包まれた、ステージ上でのボーカル録りで感じたこと

会場から大きな拍手が送られたステージ上での公開楽曲制作。終了直後のSHUNYA麦野優衣に、レコーディングを終えた感想を聞くことが出来た。

日頃は二人ともインディーズのアーティストとしてそれぞれの活動を行っているが、初めて一緒にカバー音源を録音した際に「すごく納得できる作品」だったということで、二人で録音した際の動画を送ることにしたという。
すると「可能ならこのレコーディングにも、ご一緒にいらして頂けますか」と声がかかったそうだ。

SHUNYAと麦野優衣による EXILE ATSUSHI + AI「Be Brave」カバー

「今日まではその募集に受かっている人が僕以外にも何人かいるのかなとか、何人もいる中で一斉に歌ったりするのかなと思っていました。あそこまで目立つとは思っていなかったです」(SHUNYA)。また、事前に音源を聞かされていたわけではなく、ステージ上での楽曲制作の過程で初めて耳にしたという。

SHUNYA:
その場にいるお客さんと同じタイミングが、僕らもその音源を初めて聴いた瞬間です。僕らも自分で作曲をするので、客席に座りながら「このコードなら、どんなメロディがいいかな?」と、その場で考えていました。☆Takuさんの作ったコードはすごく歌いやすかったですね。
麦野:
座りながらもいつ呼ばれるか分からなかったので、臨戦態勢でしたね(笑)。最初に「夏」「きゅんとする」というテーマがあったことも、イメージしやすかったです。テーマがあるとそこから引っ張れるイメージは沢山あるので。
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麦野優衣(左)、SHUNYA(右)

両者ともに、宅録で自ら楽曲を作るインディーズアーティスト。日頃のレコーディングと今回のレコーディングの違いについても語ってもらった。

--沢山のお客さんがいる中でのレコーディングでしたね。

SHUNYA:
レコーディングする時は、その場に誰もいないから本当に表情は気にしないんですよ。だからそのときの顔は実はあまり見てもらいたくないものです(笑)。
麦野:
一回きりのライブとは違って、レコーディングは何回その音源を聴いても違和感のないものにしなきゃいけないというプレッシャーがあるので。アーティストが一番無防備なのが、レコーディングのブースの中だと思います。

観客の前であることはもちろん、四人での共同レコーディングとなった点も、とても刺激的な場であったという。

SHUNYA:
自分で宅録をしていると、同じ環境・同じ部屋・一人なので発想に困ってしまうときもあるんです。その状況をどう変えて発想を生み出すか、ということは意識しますね。例えば友達がそこに来てくれるだけで新たな発想が生まれたりします。
麦野:
最近では共同作業、コ・ライティングも主流になってきました。やっぱり自分一人でやっていると、ずっとこもることもあり孤独な作業になります。どうやって自分の引き出しをあけていくかということは常に考えています。

上述の通り、今回のレコーディング音源を元にした楽曲が生まれる予定だ。m-floの二人も「短い時間でしたので、形になるかどうか心配ではありましたが、観客の皆様に暖かく見守って頂いた中でボーカルのお二方にも即興でメロディーを考えて頂き、素敵な楽曲の原形ができました」(VERBAL)、「わりと"なんとか形になったな"と思いました(笑)。ただ、1番のMVPは飛び入り参加してくれた2人のボーカリストです。前打ち合わせも何も無しに、しかもあれだけ大勢の人が見ている中、よくセッションしてくれました」(☆Taku)と今回の企画の感想・成果を語った。

また、「アコギを弾くギタリストと組んでライブを行ったり、YouTubeでのカバー動画を週一でアップしています。POPSが多いです」(SHUNYA)、「Twitterで30秒〜1分程度のカバー動画をアップしていて、J-POPからアニソン、R&Bまでカバーしています」(麦野)とそれぞれの活動を行っている両者。この企画をきっかけに、このm-flo名義での新曲でのフィーチャリングはもちろん、多くの観客の目に触れたことで新たに広がる活動もあるかもしれない。今後の活動が楽しみだ。

取材:市來孝人

SENSORS Web副編集長
PR会社勤務を経てフリーランスのWebエディター・PRプランナー・ナレーターなどとして活動中。「音楽×テクノロジー」の分野は特に関心あり。1985年生まれ。
Twitter:@takato_ichiki / Instagram:@takatoichiki

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