新品が借り放題・借り続けたらプレゼント・EC連動... アパレルメーカーのレンタルサービス「メチャカリ」

2016.01.15 11:45

昨年以来、音楽や映像など、サブスクリプション型(定額制)のサービスが次々と登場。その波は、ファッション業界にも--。月額料金を支払えば、洋服やアクセサリーが借り放題になるというファッションレンタルサービスが相次いでリリースされている。編集者兼タレントの坪井安奈による各社体験レポートをお届け。

編集者兼タレントの坪井安奈です。3回にわたり、ファッションレンタルサービスの体験と担当者の方へのインタビューを通して、各社の特徴を探っています。
今回は、アパレルメーカー 株式会社クロスカンパニーが運営する「メチャカリ」をリサーチ。ウェブマーケティング部・澤田昌紀さんにお話を伺いました。

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◼︎レンタルなのに"新品"。"借り続けたらもらえる"お得感。

坪井:
よろしくお願いいたします。実は、今日着てきたこのワンピもレンタルしたものなんですよ。
澤田:
ありがとうございます。
坪井:
商品が届いてまず驚いたんですが、全部新品ですよね!?
澤田:
そうですね。やはりお客さまには気持ち良くご利用いただきたいので、新しい商品を送らせていただいています。そこは、自ら商品を製造しているSPAだからこそできる強みかもしれません。
坪井:
アパレルメーカーだからこそですよね。タグとかもついているし、切っちゃっていいんだろうか...って少し戸惑いました(笑)。
澤田:
大丈夫ですよ、切って捨てちゃってください(笑)。"レンタル"と聞くと、どうしても中古のイメージが先行してしまいますよね。だから、アプリ内ではレンタルという言葉をなるべく使わず、"借りる"という表現をするようにしています。
坪井:
私も当然のように、ユーズドの商品が送られてくるのだろうと思っていました。
そしてもう一つ驚いたのが、60日間借り続けた商品はそのままもらうことができるんですよね!?太っ腹ですね...。月額5,800円で通常の借り放題に加えて、借り続けた商品がもらえるなんて、お得すぎませんか!?(※一度に手元における点数は3点まで。借り換えるには返却手数料500円/1回がかかる)
澤田:
そうですね。(笑)。もともとアパレル業界を活性化させたいという思いから始めたサービスなので、儲けはそれほど考えていないんですが、1万円以上の単価の高い商品もあるので、お客さまにとってもお得な料金設定になっています。
坪井:
今、扱われているブランドは4つですか?
澤田:
ええ。earth music&ecology 、E hyphen world gallery、Green Parks、SEVENDAYS=SUNDAYの4ブランドで、品数は全部で1,300点以上(色違いなどは除く、商品の型数)。将来的には社外のブランドを扱うことなども検討し、もっと商品を拡大させていきたいと思っています。
坪井:
どんな商品が人気ですか?
澤田:
今の時期は、圧倒的にコートが人気ですね。
坪井:
もともとの単価も高いですし、お得感がありますよね。
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アプリで借りたい服を探し、ボタン1つで送ってくれる。借りられるのは1度に3点まで。

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注文から数日で梱包された商品が届く。服はすべて新品で、1着ずつきれいに包装されている。

◼︎ファッション初心者も、コーデまとめ借りでオシャレさんに。

坪井:
今回サービスを利用していてとても嬉しかったのが、とにかく洋服の写真がたくさんあることです。カラーバリエーションはもちろん、着用写真もたくさん載っていて、モデルさんの身長まで細かく書かれているので丈感などがとてもわかりやすかったです。
澤田:
ありがとうございます。見やすさ・使いやすさにつては常にUIの改善を繰り返えしており、現状、2週間に1回程度の頻度でアプリのアップデートを実施しています。
坪井:
コーディネートも何種類も載っていて。しかも、そのコーディネートをまるごと借りることもできますよね。最初からそういった案があがっていたのですか?
澤田:
はい。実はコーディネートのまとめ借りは私が提案しました。洋服は自分で好きなものを選んで着てほしい、でも皆どう着ていいかわからず迷ってしまう...。そこで、借りられるコーデアプリにしようと思ったんです。
坪井:
それは助かりますね。それに、今成功しているファッション系のアプリって、ほとんどがコーデアプリですしね。
澤田:
そうなんです。一度に何点借りられるようにするかも悩みました。最初は5点という案もあったんですが、通常のECサイトで一度に5点の買い物をすることってあまりないですよね。サイトを見ている時間が30分と考えても、その間に本当に欲しい商品を5点選ぶのって結構大変。そこで、トップス、ボトム、アウターといった組み合わせの3点が、選ぶ時間としてもコーデとしてもちょうど良いと判断しました。
坪井:
今回、私もまとめ借りをさせていただきました。白いワンピースが可愛い!と思ったのですが、羽織りものには何を合わせたらいいんだろう...?と思っていた時にとても役立ちました。
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右がアプリで紹介していたコーデ。タートルネックのワンピ(E hyphen world gallery/¥5,990)とニットのロングカーディガン(E hyphen world gallery/¥5,990)をまとめ借り。

◼︎アプリ会員の60%が新規。新たなファンの開拓に成功。

坪井:
先ほど、アパレル業界を活性化させたいと言われていましたが、改めて、サービスリリースにあたっての思いをお聞かせください。
澤田:
総務省の家計調査年表によると、若年層単身女性における一人辺りの月の衣類購入金額が、2008年時点の1万7287円から、2014年には1万718円まで減少しています。このように若年層のファッション離れが顕著化して行く中で、新しいサービスをきっかけに業界を活性化できればと思ったのがきっかけでした。
坪井:
『メチャカリ』のターゲット層はどの層ですか?
澤田:
18歳から24歳くらいですね。ですが、実際に利用してくださっている方は想定よりももう少し上の年齢の方が多いです。現在「メチャカリ」では、約2,000名の定額会員様がいるのですが、驚くことにそのうちの約60%が今まで当社の顧客ではない方々だったんです。当社ではハウスカードを発行しているので、お買い物いただいて、カードの登録をしていればデータとして残っているんです。
坪井:
アプリをきっかけに、御社のブランドの新たなファンがたくさんできたということですもんね。期待できる結果ですね。
ところで、アパレルメーカーが自らレンタルサービスを運営されるのは、御社が初ですよね?新品を提供できることの他に、アパレルメーカーだからこその強みはありますか?
澤田:
返却された商品を自社のECサイト(「クロスカンパニーコレクション」)で中古品(またはユーズド商品)として再販売しているという試みも行っています。
坪井:
返却された商品が無駄にならないし、利用者にも嬉しいというwin-winの施策ですね。「メチャカリ」というサービス名も、澤田さんが?
澤田:
いえ、実はサービス名は当社の社長である石川の一声で決まったんです。コピーライターの方にも何案かご提案はいただいていたんですが、最終的には石川の案である「メチャカリ」が採用されました(笑)。
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今回借りたチェスターコート(earth music&ecology/¥12,990)。長めの丈が今シーズンっぽくて、着てみたかった!

坪井:
現状の課題や今後の展望はどのようにお考えですか?
澤田:
"洋服を借りる"という文化の浸透には、まだまだ時間がかかると考えています。SNSなどでの当サービスに対する投稿を見ていると、「使っている人の意見を聞きたい」「レビューが見たい」という意見が多く、まだアーリーアダプター層のお客様が、情報収集をしいる段階だということがうかがえます。
坪井:
自分が月にどれくらいレンタルするかも、最初は予想しづらいですしね。でも、使ってみるとその便利さを体感できると感じます。通常のお店でも試着はできますが、その場だとあまり冷静な判断ができないし、やはり、何日か着てみて、本当に長く着るかどうか考える時間があるのは嬉しいです。
澤田:
レンタルだと失敗を気にせず、普段と違ったテイストにもチャレンジできますし、返却期限もないので焦って返却する必要もありません。60日間借り続けて貰えるプレゼントサービスもたいへん好評で、本当に欲しいもののみを残せるので、タンスの肥やしにもならないですよね。まずは体験していただくのがベストだと思いますので、使ってみていただきたいですね。
このサービスをきっかけに、新たにファンになっていただけるお客様を増やして、アパレル業界の活性化に少しでも貢献していければと思っています。

「新品」や「プレゼント」など、"レンタル"という言葉からは想像できないほどの特典が満載の「メチャカリ」。その根底には、アパレルメーカーとして、業界の将来を盛り上げていきたいという思いが込められていました。今後の拡大やアップデートにも注目していきたいです。

3回に渡って各社のサービスを見てきましたが、ファッションレンタルはお財布に優しいだけではなく、"新しい自分"との出会いを与えてくれるという意味でも、今後ますます需要が高まりそうな予感です!

取材・文:坪井安奈

タレント&エディター
学生時代はNYでの出版社インターンを経験。新卒で小学館に入社後、ゲーム会社・グラニにてIT業界誌『グラスタ』編集長。編集者としての活躍のみならず、番組やイベントMC、映画やMV出演等のタレント活動を行う。SENSORSでは" Fashion Editor"として「ファッション×テクノロジー」の現場を取材。
Twitter:@anchuuuuuuu
Instagram:@tsuboianna

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