「宇宙に国境はない」モスクワ宇宙飛行士通り【ロケットフォトギャラリー】

2016.08.30 12:30

宇宙を身近に感じることができる公園がモスクワ市内にあるのはご存知だろうか?そこはロケット・ソユーズ号の開発で世界をリードした旧ソ連の航空宇宙技術の紹介と展示がされている"Space Museum"、宇宙飛行士通りだ。 また、ロケットの屋外展示がモスクワ市ВДНХ(VDNKh ヴェー・デー・ハー)駅や大公園、全ロシア情覧センター内にあるので訪ねてみた。

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"本物のロケットが屋外展示してある場所があるんだぞ"、 そうロシア人のエンジニアに教えて頂き、モスクワ地下鉄グレーラインのВДНХ(VDNHh・ヴェーデーハー)駅側にある大公園を目指した。生のロケット、しかも旧ソ連時代のロケットも見られるなんてなかなかない機会だととてもワクワクしながら。

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Moscva Metro ВДНХ(VDNKh ヴェー・デー・ハー)駅から見えるSpace Museum

大公園内には全ロシア博覧センターをはじめ多くの博物館やパビリオンがある。その中でも一番手前にあるのが"Space Museum"だ。駅から降りると先端のロケットが特徴Space MuseumのМонумент «Покорителям космоса» / Monument to Conquerors of Space "ロケットの塔"が目の前に見える。

駅を背にまず"宇宙飛行士通り"へと向かった。そこはロシアの航空宇宙の歴史を感じられる場所だ。

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公園の"宇宙飛行士通り"の入り口 地球と星のモニュメントがお出迎え

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星のモニュメントには、それぞれ宇宙の歴史がロシア語で書かれている

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公園の中にある星の円盤は"太陽系"を表している

通りの中央には惑星の円盤があり、太陽・水星・金星・地球・・・土星など太陽系の惑星が順番に並んでいた。その周囲を見ると今度は人物の銅像がある。 それはロケット開発者セルゲイ・コリョリョフとコンスタンチン・ツィオルコフスキーの銅像である。
1950年代にスプートニク1号で世界初のロケット飛行を成功させ、その後、スプートニク2号でライカ犬生命維持システムを搭載し、宇宙空間からの生物の生還実験をした歴史的人物である。人類初の宇宙空間への有人飛行へと繋げた二人の実績は人類にとって宝物である。

ロケットの父とも呼ばれるコリョリョフは第二次世界大戦中、強制収容所に7年間入れられていたのをご存知だろうか? しかし、彼は決して宇宙への夢を諦めることをしなかった。
"ロケットは飛ぶんだ"、と収容所の中でも頭の片隅から設計図を忘れず、絶望の中でも決して夢を諦めず希望を持ち続けたからこそ実現したソユーズ号。
過去の悲しいストーリーの中でも作り上げられたロケットと、そのロケットを創造した人々の情熱を感じられる素晴らしい空間であった。

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ロケット開発者セルゲイ・コリョリョフとコンスタンチン・ツィオルコフスキーの銅像

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ロシア初宇宙飛行を成功させた4名の銅像「宇宙飛行士の並木」

そして、1960年代に有人飛行で旧ソ連初大気圏突破し宇宙空間へ人類で初めて飛行した宇宙飛行士4名の銅像が飾ってあった。
ユーリー・ガガーリン、ワレンチナ・テレシコーワ、ゲルマン・チトフ、ヴァレリー・ブィコフスキー、銅像からもこの4名の偉大さが光り輝いて感じる。 テレシコーワの「Я Чайка(ヤー・チャイカ 日本語訳:私はカモメ)」は当時日本でも流行語になったくらいだ。

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ユーリー・ガガーリンの生涯のレリーフ
宇宙へ出発するまでの道のりを表現している

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Space Museumの入り口ではガガーリンの肖像画がお出迎えしてくれる

館内で展示されていた物で一番印象的だった、ソユーズ号のレプリカである。
冷戦時代に宇宙上でドッキングしたアメリカのアポロと旧ソ連のソユーズ。
それぞれの宇宙飛行士は「宇宙に国境はない」と言いながら宇宙上でドッキングしたそうだ。 壮大な宇宙の物語作ったソユーズ号を目の前にし、宇宙空間での人類の物語を感じた。国境よりも強いのは、人類のつながり。地球で戦争をしていても宇宙では関係ないと言えるのは本当に素晴らしい。
もう片方はアメリカ・ワシントンD.C.スミソニアン博物館にある"アポロ号"だ。
幸い私はスミソニアンにも行ったことがあり、この2つの博物館でドッキングしたロケットを見ることができ感動が2倍に膨れ上がった。

ロシア人エンジニアの友人が教えてくれたヴェー・デー・ハー 大公園には"本物のロケットと飛行機が屋外展示"してあるらしい。

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本物のロケット・Буран(Buran)が屋外で展示されている公園。
Корабль «Буран» / Buran Space Shuttle

駅から約2.5Kmを歩く。
ここは全ロシア博覧センターなので道中は地元の人たちの憩いの場を眺め、スケートボードや自転車で楽しそうに移動する人々に会える。多くの展示会場や遊園地があるので建物を見て歩くだけでも非常に楽しめる。

楽しみながら歩き続けて、やっと見つけたのが、実際には飛ばなかった旧ソ連のРакета «Восток»・ボストーク宇宙船用ロケットだった。

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ロケットの周りにはロシアの戦闘機やヘリコプターが展示してあった
Корабль «Буран» / Buran Space Shuttle

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ロケットБуран(Buran)とアエロフロート航空の旅客機

夕暮れにたそがれるロケットと航空旅客機の姿は本当に美しく、まるで壮大な宇宙の世界への入り口へ導かれる様で見入ってしまった。 こんなにも宇宙への情熱を感じられる場所は他にはない。
一緒に空に飛んで行ってしまうくらい気持ちは高ぶり、宇宙開発の先人たちの想いが伝わり宇宙への憧れがより強くなる。 航空宇宙が大好きな方はモスクワを訪れた際には是非訪問してみてはいかがだろうか?

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著者:木村 正子(きむら しょうこ)

エレキトリック・ライトニングアーティスト

青森県出身。日本大学工学部卒業 医療工学・無機水分析を学ぶ。 カワサキハロウィンにて優勝。日本一のハロウィニスト。 幼い頃から青森ねぶた祭りの光る武者人形に刺激を受けて、芸術・造形・特殊メイク・LEDを独学する。 現在、生体情報を光で表現する"メディカル・バイオ・ライトニング・アート".構想・研究中。 サイドワークとして日本・世界各国のハッカー・メイカースペースを周り、現在世界10カ国90箇所のものづくりの現場を訪問中。
文中のライトニング制作チーム:Qxxy

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