人間らしいロボット達の世界「ニコニコ超会議2015」

2015.05.01 23:00

『登録会員数4000万人を超える「ニコニコ動画」のすべて(だいたい)を地上に再現する』がコンセプトの「ニコニコ超会議2015」は今年で4回目の開催。会場もさらに拡大しパワーアップし続ける超会議にSENSORSが訪れた。

「ニコニコ超会議2015」大相撲ブース

「ニコニコ超会議2015」は当日のリアル会場への来場者は約15万人、ネット中継への来場は約794万人。大相撲、プロレス、自衛隊、足湯、ゲーム実況など、毎度ながら趣向を凝らした展示の数々は、さながら大人たちが本気で催す学園祭を思わせる。特に今年は"人間らしい"ロボットや機械群の展示が目立った。

■金岡克弥「MMSEBattroid」(バトロイド)

"超ロボットエリア"の一角にある金網が張られたスペース。その先には、身の丈は人の倍はあろうかというロボットが動いていた。立命館大学がチェアプロフェッサーでもある金岡克弥氏らが中心となって開発した「MMSEBattroid」。「ロボット日本一決定戦!リアルロボットバトル 2014」にも出場したリアル戦闘ロボットということで、主な攻撃手段は両腕をハンマーのように振り回し、周りのものをなぎ倒す。

バトロイドを操るきゅんくん。

操縦は、別の場所に用意されたコックピットから遠隔で行う。少しの力を入れるだけで人間の何倍ものパワーを出すことができ、逆にロボットが受けた力を操縦者にフィードバックする仕組みもあるようだ。ロボットの頭部にはカメラが掲載されており、Oculus Riftを通じてロボットの目線で操縦が可能。没入感のある一人称視点で、自分の体がロボットになったかのような体験を得ることができ、人間ならではやわらかい動きをロボットに持たせることができる。

■市原えつこ「ペッパイちゃん」

ペッパイちゃん

ソフトバンク社のロボット「Pepper」関連の展示も多く見ることができた。中でもズバ抜けていたのが、あのセクハラインターフェースで有名な市原えつこ氏が手掛ける「ペッパイちゃん」だ。初めはスクール水着姿でニュースを読みはじめるペッパイちゃん。"ペッパイモード"が発動すると水着がはだけ、女性の胸を模したインターフェースがタブレット画面に表示される。そのインターフェースを触ると、ペッパイちゃんが声をあげながら悶えだし、触り続けると怒り出してしまう。一見コミカルに見えてしまうが、よく観察してみるとペッパイちゃんの動作一つ一つが実に人間らしくプログラムされていることに気づく。市原氏がどこまで意識しているかはわからないが、手や腰の動かし方や微妙な加減、言葉を発するタイミングなど、いちいち人間くさく見えてしまう。

■NTT超未来研究所Z「超自分!ドッペルへんガー」

画面の中の分身と会話ができる。

NTTの展示の一つにあった「超自分!ドッベルへんガー」。カメラの前にたって写真を撮ると、力士や執事、アイドルといった"やや異なる"自分を作り出すことできる。そして、スクリーンに映し出された自分と会話することができる。NTTの「音声認識技術」「雑談対話技術」「音声合成技術」を結集して実現しているそうだ。CGキャラクターや赤の他人でもなく"ちょっと違う自分"ということで、特段気持ち悪いわけでもなく、不思議な親近感があった。ロボットと雑談する未来への入り口になるインターフェースであるように思う。

■ニコニ立体写真館

博報堂DYメディアパートナーズ森永真弓氏

グリーンバックに一人ポーズを撮る不思議な人。傍から見たそのように見えるかもしれいないが、実は3Dキャラクターとの2ショット写真を撮影しているのだ。

被撮影者の動きに合わせて、撮影するキャラクターは初音ミクや巡音ルカ、ユニティちゃんなど複数から選択できる。なんとキャラクター達は被撮影者のポーズに合わせてくれるのだ。

実はモーションキャプチャー装置を装着した専用のスタッフが3Dキャラクターを操作し、来場者のポーズに合わせて撮影をしているようだ。こうしたアナログの要素も足すことでインタラクティブなやりとりを実現している。

■人間らしい機械・ロボット群の展示

人間そっくりの感情を持つロボット。"ヒューマノイド"の世界の現実感。近年の人工知能の発展がその流れを加速させ、人の感情を理解したり、人でしか為し得なかったクリエイティブの仕事の一部も機械が担えるようになった。来たる高度テクノロジー社会を我々はどのような視座を持って受け入れるべきか。そう遠くはないであろう未来について考えさせられた取材であった。

取材:石塚たけろう

ベンチャーキャピタルやデジタルマーケティング企業複数社での業務を経験後、大手企業とスタートアップの共同事業開発支援や、VR領域のスタートアップに参画。Webデベロッパー。@takerou_ishi

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