二冊同時書籍化決定!かっぴーが語る "ライトコンテンツ元年"の波に乗れ!

2016.01.27 10:00

昨年10月「「フェイスブックポリス」作者 "かっぴー"に聞く、執筆のきっかけと伝えたいメッセージとは」にてインタビューを実施したかっぴー(伊藤大輔)さん。『SNSポリス』をはじめ、『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』など、その後も新連載が続々とスタート。さらに今年に入り、かっぴーさんより書籍化との一報が...早速、最新の状況を伺うべくインタビューを行った。

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illustrated by かっぴー

■2冊立て続けに書籍発売!漫画の棚には置かない

『SNSポリス(仮題)(ダイヤモンド社)』と『おしゃ家ソムリエおしゃ子!(仮題)(大和書房)』の2冊を立て続けに発売するという。
前者はkakeruでの『SNSポリス』(SNS上によく発生するシチュエーションをSNSポリスが取り締まる漫画)、後者はYahoo!不動産おうちマガジンでの『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』("おしゃれな家に住む男性としか付き合えない"おしゃ子が、交際前の男性の家を訪れ、その家を見極めていく漫画)と、いずれもWebメディアで連載している漫画がベースとなっているが、漫画としてではなく、ビジネス書の棚にあるようなカジュアルなノウハウ本として勝負をしていきたいとかっぴーさんは語ってくれた。その心とは?

かっぴー:
書店でコミック棚にあるような本格派の漫画が"ラーメン屋さんのラーメン"だとすれば、自分の漫画、つまり今回の書籍の元となるようなライトなWebコンテンツは、"カップラーメン"に例えられると思っています。
"カップラーメン"ってふと「食べたいな」と思うときもあるじゃないですか。その簡単なもの・チープなものを欲する感覚というのはライトなWebコンテンツを読みたいと思う感覚に似ていると思うんです。

--自分の漫画を"カップラーメン"に例える、その発想は何がきっかけだったのでしょうか。

かっぴー:
今回の書籍化がきっかけですね。『SNSポリス』はSNSの、『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』はインテリアの、それぞカジュアルなノウハウ本として売りたいなって。
書籍化のお話を頂いた時に「Webで読めるのに、書籍は必要なのか?」と考えたんですね。もちろん、書籍化にあたって書き下ろしの作品もプラスして入れますが、わざわざ書店で買ってもらうにはどうしたらいいだろうか...と。

自分の画はヘタだし、ジャンプで連載しているような漫画を買うノリでは買ってくれないだろうな、自分のコンテンツはなんだろうな、と考えた時に「"ラーメン屋"ではなく、"カップラーメンメーカー"になるべき」と思いました。

"カップラーメン"はあるときは非常食になるし、あるときは夜食になる、あるときはおやつになる。置かれる時と場所によって価値が変わるじゃないですか。いつどこで誰が味わうか分からないのが良さであって、それはWebコンテンツも同じだなぁと。また、"カップラーメンメーカー"は定番の商品がありつつも、どんどん新しい商品を出してトライアンドエラーで回転させていますよね。僕も面白いギャグとか、グッとくる話とか、色々な味を試したいから...とスタンスが近いなと。自分を「ライトコンテンツを提供する"カップラーメンメーカー"なんです」と定義すれば、例え一つの銘柄が消費されることがあっても「かっぴー」自体は消費されないのかなと思っています。
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■「Web動画元年」ではなく、「ライトコンテンツ元年」

自らの漫画をいわば本格派の"ラーメン屋"ではなく、ふとした時に食べたくなる"カップラーメン"に例えるかっぴーさん。2016年はWeb上で気軽に楽しめるライトなコンテンツが増えていく「ライトコンテンツ元年」だと語る。

かっぴー:
『SNSポリス』のようなWeb漫画だけではなく、オモコロさんやLIGブログさんのような、面白い読み物コンテンツで人気を集めているメディアも"カップラーメンメーカー"に近いと思うんです。ちょっと5分だけ空いたな、というスキマ時間をすっと満たしてくれる。現代はそのようなものを欲するシーンが増えているはずです。一方で「Web動画元年」と呼ばれて久しいですが、動画のようなリッチなコンテンツはまだまだ見られるハードルが高いように感じています。むしろ今はWeb漫画や記事などの「ライトコンテンツ元年」なのではないかと。

--『SNSポリス』などが好評を博した要因は、ライトなコンテンツへの需要の高まりが大きいですか?

かっぴー:
多分、そうですね。ライトコンテンツと本格派コンテンツの一番の違いは「距離感」だと思っています。ちょくちょく「画がヘタ」というコメントが散見されるんですが(笑)、それはネガティブな意味ではないコメントが多くて、「画がヘタなのに泣ける」「画がヘタなのに笑える」とか言ってもらえると嬉しい。もし画が上手かったら、上手い人達の中で埋もれていた気すらします。

--Web上のコンテンツやサービスで、同じく良い「距離感」と感じている例はありますか?

かっぴー:
Web上だと、今noteが熱いですよね。例えばnoteでのコンテンツと書籍を比較すると、書籍は作家さん、いわば先生から教えを乞うイメージ。noteはフリマのイメージ。フリマは誰もが出せて距離感が近いけれど、「こいつイケてるな」と思う人から買いたいし、誰から買うかがすごく重要だったりしますよね。その「距離感」を楽しむ販路という点でnoteとフリマは似ているなと。

■「ライトコンテンツ」で人気を博すためには、満を持さない

ライトなコンテンツへのニーズの高まりに上手く乗ったように思われるかっぴーさんだが、実は『フェイスブックポリス』を最初にアップする頃にはそこまでは深く考えておらず、むしろアップ後の反響を見ながら、これまでお話を伺ってきたような分析にたどり着いたそうだ。かっぴーさんのように「Web上で何か出していきたい」と思っている人も今後増えてくるはず。「私も始めました」のような声もかっぴーさんの元には届いているのだろうか。

かっぴー:
いえ、まだそういった声は少ないですね。やはり満を持すことを待ってしまう、いわば「まだ早い病」ですよね。実は『フェイスブックポリス』が反響を呼んで、『SNSポリス』として連載開始した際にわざと「満を持さず」という言葉を使ったんですよ。周りからも「もっと慎重にやった方がいいんじゃない?」という声もあったけど、特にWebの世界では満を持すのを待っていたら波が終わってしまうし、波を感じた瞬間に行動しないといけない。
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--最後に、前回のインタビューで「人に興味がある」とおっしゃっていましたが、執筆活動に反映されていますか?

かっぴー:
いま「強烈な共感を見つけること」が大事だと思っていて。ひょっとすると「人に興味がある」より「人に興味がある自分に興味がある」のかもしれないです(笑)。電車乗っている時とかも「なんでこの人は一歩奥に行かないんだろう」とか、周りの人のことをいちいち見て、一人で色々考えちゃうんですよね。その「人に興味がある自分への興味」が「あ、そういうのあるよね」という共感を生み出す源になっているのかなと思います。

昨秋の『フェイスブックポリス』以来、かなりのスピードで新しいコンテンツを生み出すかっぴーさんの考え方に迫った。自らの立ち位置を見極めながら(見誤らず)、検証を繰り返している。今回の書籍発売においても、Webメディアではなく書籍を通して自らのコンテンツが読まれたら「どのような価値が生まれるか、よい実験になる」と楽しみにしているようだ。(書籍の詳細など最新情報は、かっぴーさんのTwitterアカウント@nora_itoにて!)

取材・文:市來孝人

SENSORS Managing Editor
PR会社勤務ののち、かねてより旅行でよく訪れていたロサンゼルスに在住。帰国後、福岡やシンガポールのラジオDJ、東京でのMC・ナレーター、ライターとして等の活動を経てメディアプランナーとして活動中。また、タレント・企業トップなど個人に特化したPR・ブランディングにも携わっている。

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