現実と仮想空間をつなぐコントロール・インターフェース「OcuFes 2015夏」

2015.09.30 09:30

仮想空間をどのようにしてコントロールしていくべきか、それにはどんな方法があるか。秋葉原で開催されたパーソナルVR文化の祭典「OcuFes 2015夏」(オキュフェス)を訪問。遊び心溢れる展示からそのヒントを読み取る。

VRは「見て楽しむ」だけのものから、次の段階に移行した。それは、VRの世界をいかにして「コントロール」するか、プレイヤーはどのようなインターフェースで仮想現実の世界に働きかけていくべきかということ。

先日、ソニー・コンピュータエンタテインメントが「PlayStation VR」を発表。ゲーム業界が本格的にVRに参入するようになり、ゲームとしての操作性もVRコンテンツやそのインターフェースに強く求められるようになった。

既に「FOVE」は視線追跡技術を活用して仮想空間をコントロールすることを可能にしており、空間内の対象物と視線を通じた感情的なつながりを持つことまでを想定して開発されている。「視線」以外にも仮想空間をコントロールする方法はどのようなものがあるのだろうか。

■ゲームコントローラー&ヘッドトラッキングでシンプルな操作感

「OcuFes 2015夏」では、既存ゲーム機で使用されているコントローラーを使用して仮想空間をコントロールしようとする展示が多く目立った。HMDを装着すればプレイヤーの手元が隠れてしまうため、十分に操作できないのではないかという考えがよぎったが、思い返してみれば、普段のゲームでもコントローラーを見ながらプレイすることはほとんどない。まったく新しい機種ならばともかく、子どものころから慣れした親しんだゲーム機のコントローラーはもはや自分の身体の一部のように扱うことができる。既存のゲームの延長上として、さらに没入感溢れる環境でプレイできる。

また、流れる川を下りながら障害物を避けるゲーム「オーバーストリーム」では、ヘッドトラッキング・頭の動きを活用して操作する方法をとっていた。シンプルでありながらも、誰にでもわかりやすいVR操作の手法だ。

既存ゲームのコントローラー活用や、ヘッドトラッキングは、一般的なVR操作の手法であるが、それ以外も創意工夫をこなしてコントロールをしようと試みる展示を見ることができた。

■指輪型デバイス「Ring」はVRでも活躍!

 

スマートフォンをハブにして、日常のあらゆるものをコントロールする指輪型デバイス「Ring」によるVR操作のデモンストレーションも展示されていた。Samsungが販売する「Gear VR」は専用のヘッドセットにスマートフォンを差し込んで使用することで簡易的にVRを体験することができる。「Gear VR」で使用するスマートフォンに「Ring」をペアリングさせれば、指先のジェスチャーだけでVRをコントロールできるようになる。シューティングゲームを展開していた。手元が見え中でのシンプルで新しいVRインターフェースとしての「Ring」の可能性を垣間見た。

■手作り装置でリアリティのある体験を創出

 

「はらぺこ大王の料理番」は二人一組で協力プレーするゲーム。片方が王様、もう一方が料理番となり、料理番がテーブルを傾けて料理を王様まで運び、王様はタイミングよく料理をキャッチして食べることで満腹になるのを目指す。手製のシーソーのような装置を使用することで、より現実に近い感覚でゲームをプレイすることができる。シーソーだけでなく、安全で子どもでも操作しやすいように設計されている公園の遊具をベースにして新しいVRのインターフェースを設計してみるのもいいのかもしれない。

■「Leap Motion」でリアルな身体の手と仮想空間の自分がシンクロ

 

「Spatial Jockey」はディスコを再現したようなVR空間の中でダンスミュージックを楽しめるコンテンツ。手のジェスチャーでコンピューター機器の操作ができるようになる「Leap Motion」をHMDに装着することで、リアルな身体の手の動きと、仮想空間の中の手の動きをシンクロさせ、プレイヤーが現実世界にいるのと同じような感覚で仮想空間に没入する強烈な体験ができる。

現実世界で身体を動かすのと同じ感覚で仮想空間をコントロールできるようになることはVRが目指す完成形の一つだ。「Spatial Jockey」などではHMDにセンサー(Leap Motion)を取り付けてリアルな身体の動きを検知する手法をとっていたが、究極的には「脳」で考えたことや念じたことが仮想空間に直接反映される「ブレイン・マシーン・インターフェース」が実現される世界がやってくるのかもしれない。

プレイヤー・ユーザーの一人称視点で、現実世界と変わらない操作感の追求をすること、本来の身体の能力が拡張したような操作感を追求することはVR開発の醍醐味であり、プレイヤーを熱狂させる要素だ。コントローラーからヘッドトラッキング、Ring、手作り装置、Leap Motionと今後のより高い操作性を実現していくためのヒントなるような事例であったと思う。現実世界と仮想空間を結びつけるインターフェースは今後どのような進化をたどるのか。

取材:石塚たけろう

ベンチャーキャピタルやデジタルマーケティング企業複数社での業務を経験後、EIR(=客員起業家)として複数の大手企業、スタートアップの新規プロジェクトに参画。Webデベロッパー。@takerou_ishi

最新記事