東京ビッグサイトにプロジェクションマッピング!
東京2020公認プログラムで生まれた"スポーツの新たな映像体験"とは

2018.02.05 12:00

「いっしょに TOKYO をつくろう。」をコンセプトに、スポーツ×デザイン×テクノロジーをテーマに行われた、東京2020大会のワールドワイドパートナーであるパナソニック主催のクリエイティブ講座、東京2020公認プログラム『SportsDesign.Camp』。若手クリエイター24名が4チームに分かれ、東京ビッグサイトの壁面を舞台に、プロジェクションマッピング作品を発表した。【PR記事】

スポーツ×デザイン×テクノロジーをテーマに、新しいスポーツ映像体験を生み出すべく開催されてきた35歳以下を対象としたクリエイティブ講座、『SportsDesign.Camp』。
作品開発にあたり、リオ2016大会の開閉会式でも使用されたパナソニックのテクノロジーが提供され、カナダに拠点を置くライブエンターテイメントの世界最高峰チーム『MOMENT FACTORY』Dominic Audet氏、Qonsept林健一氏、バスキュール朴正義氏ら、第一線で活躍するクリエイターを講師に迎えた講義およびメンタリングも実施されてきた。

全4回にわたるクリエイティブ講座のプログラムの締めくくりとして、作品発表の舞台には「東京国際プロジェクションマッピングアワード Vol.2」のエキシビションが用意された。逆三角形が印象的な東京ビッグサイト会議棟の幅94mの壁面を活用し、アワードのエキシビジョンタイムにて各チーム2分30秒間の発表を行った。発表順に各チームの作品を紹介する。

■ 逆三角形を「玉入れのカゴ」とみなし、インタラクティブな玉入れ

Cチーム:「TOSS THE BALL」秋田 晴菜・今井 亨・田村 啓介・佐藤 萌香・吉村 圭悟・与羽 翼

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このチームのテーマは「玉入れ」。東京ビッグサイトの2つの逆三角形を玉入れのカゴとみなし、より多くの球が入ったチームが勝ちとなる。
これは通常の玉入れのルールと同じだが、これをどうプロジェクションマッピングで表現したかというと、両チームの陣地に輪を持ったスタッフが登場し、この輪の中を球が通過すると、連動してプロジェクションマッピングの映像上のカゴにも球が入るのだ。
輪を持っているスタッフが動き、球が入りづらくなるという時間や、得点が2倍になるボーナスタイムもあり、観客がドキドキ・ハラハラする演出も加味されていた。

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このチームが玉入れを選んだ理由は、一般の人にも「スポーツの祭典」の感動を味わってもらいたかったからだという。
オリンピックはアスリートにとってのスポーツの祭典だが、多くの日本人が参加したことのあるスポーツの祭典は 「運動会」である。プロジェクションマッピングを利用し、運動会の競技の一つである「玉入れ」を再び疑似体験することにより、スポーツをする感動を多くの人に味わってもらいたいと考えたそうだ。
観客の多くが体験したことのある「玉入れ」をテーマにしたことで、2分30秒という限られた時間内でもわかりやすく、楽しめる作品に仕上がった。

■ 大人も子供も同じ条件で楽しめる 3人2組で陣地を守るゲーム

Aチーム:「Wall keeper」今枝 侑哉・岩木 伊織・岩崎 麻利江・岡田 望愛・すぎの ひろのり・柳澤 佑磨

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「Wall keeper」は東京ビッグサイトの2つの逆三角形を「陣地」として活用、3人2組のチーム間で競うゲームだ。プロジェクションマッピングされたそれぞれの陣地は壁で囲まれており、この陣地内でバウンドしているボールは、壁に当たると壁を破壊するようになっている。
会議棟前にいる2組のプレーヤーたちは自分の体を動かしてゴールキーパーのように球を防ぐのだが、これはプレーヤーの動きをセンシングし、プロジェクションマッピングの陣地上にその動きが反映されるようになっている。一定の時間の中で、どれだけ陣地の壁をボールに壊されず守れたのかを競う、インタラクティブなスポーツだ。

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ちなみにボールは人や壁にぶつかるとスピードが上がるため、ゲームが進めば進むほど難易度が上がる。「大人や子供が極力同じ条件で楽しめるように」壁を守るというシンプルな形のゲームにしたそうだ。

■ スポーツにおける「最も盛り上がる瞬間」を、スマホを通してみんなで体験

Dチーム:「BUZZER BEATER」神谷 亜弥・定松 功祐・藤居 翔吾・町田 陽祐・松平 伊織・水落 大

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世界記録樹立の瞬間や、日本人選手が金メダルを獲った瞬間はもちろん盛り上がるが、国境や人種をこえすべての人が盛り上がれる瞬間を「アスリートが壁を乗り越えてくれる瞬間」と定義。
その瞬間を幅広い参加者が一緒に体験するために本作品は生み出された。
モチーフとなったのはブザービーターと言われるバスケットボールの残り時間0秒の大逆転シーン。
まず参加者はこの企画用の特設サイトにアクセス。そこにアクセスした全員でブザービーターを狙っていく。ゴールが決まる瞬間の緊張感、ドキドキ感をその場にいる全員で共有することができる。

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「3、2、1」というカウントダウンにあわせてスマートフォンを前に振るとポイントが貯まる。このポイントが一定数まで貯まるとシュートチャンスとなり、今度はスマートフォンで円を描くよう指示される。
ゴールが決まるように、みんなでボールの軌道を(スマートフォンで円を描くことで)修正していくのだ。
その軌道がプロジェクションマッピング上で示された円の中に入れば、無事ゴールが決まるという仕組みだ。
観客席に座りながらでも気軽に参加できる点が特徴で、筆者も取材しつつ体験した。シンプルだからこそわかりやすく、多くの人を巻き込んでブザービーターのドキドキを実感させる作品だった。

■ リフティングの動きを音に変換 スポーツのリズム感を音楽にして楽しむ

Bチーム:「SPORTS SOUND SESSION」芦川 能純・白井 希・橋浦 脩人・藤原 惇・松本 豊・諸星 智也

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「一流のプレーヤーは一流のミュージシャンである」という仮説のもと、スポーツのリズムを音楽で表現。スポーツの持つ特有のリズム感、例えばリフティングでボールが弾む時のようなリズム感を音楽へと変換するシステムを構築した。
2015-17 世界大会3年連続表彰台にあがった経験を持つYU-JとYOSSHIとのコラボレーション形式でのパフォーマンスとなった。

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YU-JとYOSSHIの2人は、黒い服を着て登場。リフティングするのは赤いボールだ。
彼らがリフティングを始めると、ボールの動きが一つずつ音源に同期。
最初はパーカッション、ベースなどの音色と同期され、楽曲が進んでいくにつれ、シンセサイザー、ギターと徐々に音色が組み合わさっていく。冬の屋外という寒い環境の中でも、映像と音でリズムを感じさせることにより会場の雰囲気を温める作品となった。


●審査結果は、MOMENT FACTORYのDominic Audet氏やバスキュール朴正義氏ら7名の審査員によりDチームの「BUZZER BEATER」が優秀賞に選ばれた。
スマホを通じて誰もが参加できるコンテンツに仕上げる意欲的なチャレンジをしたことが評価につながった。

●このプログラム全体を総括し、朴正義氏は「初めて出会った参加者同士が一緒にチームになり、東京ビッグサイトの壁面という初めての舞台で、誰もやったことのない初めてのインタラクティブプロジェクションマッピング作品にトライする、という「初めてづくし」のワークショップに参加者全員が勇気を持ってチャレンジし、大きな事故なく、見事に着地させることができたのは、賞賛に値することだと思っています。
特に、わずか4分という圧倒的に短い幕間の時間内に機材を入れ替えて、4チームが次々に本番に臨んでいくというのは、直接作っているわけではない自分でも神経をすり減らすものでした。
本番の発表も終わり、もう少しこうすればよかったと後悔を残したチームもあると思いますが、今回の経験が今後の創作活動において大きな自信につながるものになったのではないかなと思います。
そして、ともに汗を流した仲間たちとのネットワークも大きな財産なので、是非、この縁を大切にしてもらえたらと思います。」と述べた。

●この『SportsDesign.Camp』で生まれたアイデアの活用や、次年度以降のプログラム展開について、パナソニック社の猪飼氏は「今回は、2020年の東京オリンピックに向け若い人に参画いただき、大会および大会の会場となる有明を盛り上げるイベントを実施したいという相談を朴さんにしたことに始まり、このような形態となりました。
来年度以降の具体的なプランはこれからになりますが、色々な方に参画いただき東京大会を盛り上げるという基本スタンスは変えずに、インパクトのある取り組みを2020年まで継続して実施していきたいと考えています。」と語った。

なお、今回SENSORSが取材した作品発表会の模様はPanasonic映像チームが編集した動画でも楽しめます。

「いっしょにTOKYOをつくろう。」アクティビティ SportsDesign.Camp【第4回成果発表:2017年12月16日】

ライター: 市來 孝人(いちき・たかと)

ライター  株式会社 amplifier productions 代表取締役。
エンタメ、広告、テクノロジーを主な領域として取材・執筆(「AdGang」 「ライフハッカー[日本版]」 「Oggi.jp」 「MEN'S CLUB」Web 等)。
J-WAVE 「INNOVATION WORLD」等、ラジオ番組でのコメンテーターとしても不定期出演中。  イベントのMCやモデレーターも。


写真:延原優樹

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