「リアルとヴァーチャルの融合はもうそこまで来ている」すぐ先のエンターテインメントを今体験する。

2015.04.02 18:00

SENSORS IGNITION 2015のテーマは、テクノロジーの進化により生みだされる未来のエンターテインメント。メインホールでのセッションに加えて、展示ブースにおいても、スマホの次を見据えた製品・サービス・ソリューションが非常に多かった。その中から興味深い展示をいくつか紹介したい。


■日産エクストレイル "X-TECH GEAR PROJECT"


X-TECH GEARは、日産の新型X-TRAILに搭載されたテクノロジーから発想して開発されたという、新しいウインタースポーツ用のギア。

http://www2.nissan.co.jp/SP/X-TRAIL/X-TECH/


ドローン型のヘリコプターカメラが、スノーボーダーのヘルメットをセンシングすることで自動で追跡し、今まで撮影できなかったアングルからの撮影を可能にしてくれたり、急接近してくる別のボーダーや障害物に反応し、ゴーグル内のLEDが点灯することで通知してくれるゴーグルなど、まさにエクストリーム・スポーツと同じく、今までにない異次元の体験を提供してくれる。

本来は屋外に出て、主に雪山で利用するものなので、会場では残念ながら展示のみで実際に体験することはできなかったが、赤で統一されたデザインで、会場内でもひときわ目を引いていた。


■インテル


スマホは携帯電話の皮をかぶった立派なパーソナルコンピュータだが、その上に様々なアプリケーションが開発されることでPCの次の時代を築いてきた。同様に本格化を迎えるだろうIoTなど、これから先の時代において間違いなく中心の一つになるであろう開発ツール・プラットフォームがインテルのEdison。


INTEL.jpg


PC時代でコンピュータ内部の覇権を握ったインテルが、きたる モノのインターネットの時代においても心臓部を担うべく開発したEdisonは、Wi-Fi、Bluetooth 4.0の通信モジュールを標準搭載する、切手サイズの超小型コンピュータ。

展示デモでも、Webブラウザ上で各地の名産品をあてる簡単なクイズが表示され、実物をディスプレイに近づけると事前に貼り付けられたビーコンを検知し、正答かどうかを判定してくれるというものがあったが、SDカード並の極小サイズであるEdison単体だけで実現しており、デモを目にすると、サイズに比してのそのパワフルさに驚く。

内蔵されているOSはLinuxであり、C言語だけではなくどんなスクリプト言語でも開発ができる環境のため、開発者の幅が飛躍的に広がることを期待しているそうだ。

実際に、クリエイターさんからどんどんアイデアを出してもらっており、SENSORSにも出展していた機械がライブミュージックをするMMIもEdisonを活用している。

"MMI" maked by TASKO × Rhizomatiks - アーティストショーケース | Edison Lab


エンタープライズの世界はもちろんのこと、こういったアートやエンターテイメントの領域でも、Edisonを活用し色々と面白い事例が今後ますます出てくるだろう。

また今回の展示の中では、ユーザが身体を動かして体験するタイプのものが、とても目立っていた。

Oculus riftなどのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)単体でのVRだけでなく、聴覚、触覚、身体動作を加えることで、さらにリアルな没入感が感じられるものだ。


■Hashilus(ハシラス)


家電量販店などでよく目にするダイエット機器ジョーバとOculus riftを組み合わせてリアルな乗馬レースが楽しめるHashilus(ハシラス)。

会場内にはそれ 以外にも、ブランコを使ってものすごいスピードと高さのジェットコースターを体験できるブースもあった。

体験してみたが、ただでさえリアルな3D映像に加えて、ブランコの前に設置された大型の扇風機からの風と、画面内の変化に合わせてブランコを人力で揺らされ、そして滝に飛び込む際には、霧吹きで水を掛けられるという演出が、映像と体感が連動することで絶妙なリアルさを生んでいた。


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特に女性の中には絶叫する人もちらほら。

仮想の世界のことと分かっていても、視覚以外の体験が加わることで、一気に実在感が増すことが如実に体感できる。


■OcumaRion!(オキュマリオン)


誰でも小さい頃に、人形遊びを一度はやったことがあると思うが、HMDを使ってバーチャルな人形遊びができるのが、OcumaRion!。

HMDを装着してから人形を動かすと、自分の目の前のアニメキャラクターが全く同じ動きをするので、本来であれば画面の向こう側にいて触れることができないはずの二次元のキャラクターを実際に動かしている現実感を味わえる。


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実際に触ってみるとHMD側のアニメキャラクターの映像があまりに人形ときちんと連動して動くため、眼前に映るキャラクターに対するリアリティがものすごい。あまりにリアルなため、逆に 手で触れている人形そのものの触感 が(アニメキャラクターではない) 人形であることに違和感を覚えるほど。

現実世界とヴァーチャル世界の垣根がどんどんなくなりつつあることが体感できる。


■HADO(ハドー)


まずは動画を見ていただきたい。


HADOは読んで字のごとく、ある年代の男子であれば一度は実際に出してみたい!!!と憧れるであろう波動拳などの技や魔法を使って、チーム対戦ができるゲームである。


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高価な専用機器などは一切必要なく、Android Wearを使ったスマートウォッチと、スマホ挿入型のHMDがあれば、誰でも簡単に楽しめる。

会場では一人でもその世界が体験できるように、対人間のチーム戦ではなく、クリスタルとの1対1の対戦だった。腕を前に突き出してファイヤボール、振り下ろすことでサンダーを出したりしてクリスタルを攻撃、数分間プレイするだけで、じんわりと汗ばんでくるぐらい気づいたら身体を動かしていた。


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開発元である株式会社Meleapは、HADOをゲームではなく「テクノスポーツ」というジャンルであると位置づけており、デジタルと現実世界が融合した新しいスポーツとして広めていきたいそうだ。

1984年に初代Macintoshが発売されてから30年。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)とマウスが商用化され、コンピュータと人の関わり方に革新が起きてから四半世紀が経った。


今回の展示の中で興味深かったのは、マウスはおろかタッチスクリーンを操作するものすらほとんど見かけられなかったこと。

今まさに訪れようとしている新しい時代のテクノロジーを、最も身近なエンターテイメントの領域でいくつも体感することができた一日であったと思う。


(SENSORS編集部 取材・文 梶原健司:株式会社チカク ファウンダー カジケンブログ




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