特別なラン体験を求めて、旅をする「Runtrip」

2015.10.20 09:30

あなたは「素敵な道を求めて旅」したことがあるだろうか。つい3ヶ月前、そんな新しい旅の形を実現するサービス「Runtrip」がローンチされた。ランニングがトレーニングのためのものから、人との繫がりなどを重視した、一つのカルチャーへシフトしつつある現在。ランは「人そして地域を元気にしてくれる資産である」と語るRuntripの仕掛人。まだ触れたことのない空気、出会ったことのない風景や人を求めて、ランの旅に出てみることにした。

ランコースの様子

Runtripの代表である大森氏は大学時代、陸上部の駅伝選手として箱根駅伝に出場経験を持つ。その後は新卒でリクルートグループに入社後、横須賀市の観光系事業会社を取り扱う企業に入社。

その中で、ランナーのニーズを満たすことで観光業における課題解決に貢献出来ることに気が付いたという。

Runtrip代表取締役 大森英一郎さん

大森:
地域振興の手段としてとられるのは、多くが1日限定のイベントなどの単発的で局所的なもの。地域を疲弊させずに、持続可能な集客手段が必要だと感じました。

そこで当時自ら設立したランナー支援のNPOを通して、市民ランナーとの交流のあった大森氏は、彼らのランの楽しみ方に着目したのだ。

■ランナーにとって、「道」はコンテンツになる

2007年の東京マラソン開催を機に巻き起こった「ランニングブーム」。それまでは、記録や順位など数字を重要視する、トレーニング志向のランナーがほとんどだった。しかし2007年以降、「ファンランナー」と呼ばれる、リフレッシュや達成感、誰かと走ることで生まれる繫がりなどを求めて、ランを楽しむような新しい層が増えたという。

大森:
数字以外のモチベーションを、ランナーの方々に提供したい。そこでランナーの方々の、知らない街や道を走ってみたいというニーズをみたすために、どの街にもある『道』をコンテンツとして提供しようと考えました。

■「道を求めて、旅をする」という新しいカルチャーの提案

サービス名にもなっている「Runtrip」の語源は、「サーフトリップ」にある。いい波を求めて、世界中旅をするサーファーがいるならば、そのカルチャーをランナーにも提供したいという遊び心から来ていると、大森氏は語る。

ランコースを体験。

現在、市民ランナーが知らない土地の魅力的な道を走ってみたいと思っても、その道の情報を簡単に知る手段がない。

そこで、新しい風景や空気を求めて気軽に全国のランニングコースを探せる、そんなプラットフォームを作るに至ったという。

■ ランの導線に周辺施設を結びつけることで、実現する地域活性

現在サービスで楽しめるのは、ランニングコースの検索、マイページでお気に入りのコースのストック、コース投稿といった3機能。(※現在投稿可能なのは一部ユーザーに限定)

ランナーのニーズに合わせ、住宅地に程近い気軽に走れるコースや、わざわざ出かけたくなるような、地方や海外に点在するコースなど、計140コースを閲覧することが出来る。

それらのコース紹介には、ルート案内だけではなく、道の起伏や街灯など道に関する情報、コース周辺にあるランの拠点となる、ランステーションやホテル・銭湯などの情報が掲載されている。

コース近くのランステーション

大森:
例えば地方のコース紹介の際、そのランコースの利用導線に地域の宿泊施設や銭湯を繋げて、ランナーの利便性だけでなく、その地域の周辺施設の活性化も実現出来ると考えています。

また、現在これらのコースを投稿しているのは「コースディレクター」と呼ばれる旅やランニング界におけるインフルエンサーだけだが、後々は、ユーザーが誰でも自分の「自慢の道」を気軽に投稿し合うような、CGMサービスへの転換も考えているという。

ランコース風景の例(横浜・みなとみらい)

■いつかは、ローカルランナーと観光客を繋ぐプラットフォームに

地方へランに行く際には、必ずローカルランナーさんを紹介してもらっているという大森氏が次に企てるのは、ローカルランナーが道をガイドする「ツアーコンテンツ」だ。

大森:
ローカルランナーさんだけが知っている道や、その道への想いを聞きながら走ると、その道が自分にとっても特別な道になる。そんな体験をもっと多くの人に楽しんでほしいですね。

ローカルランナーによるガイドが加わることで、観光パンフレットには載っていない風景との出会いや、道に思いを馳せながら走るといった、一人では味わえない新しいランの楽しみ方を堪能出来る。

その他にも、周辺の観光情報・ランニングカルチャー・全国のレース情報などを掲載するオウンドメディアの立ち上げや、ラン文化の盛んな訪日観光客向けへのコンテンツの開発も視野に入れているという。

ランコースを体験中

また今回は、サービス内でも人気コースであるという「みなとみらいコース」を実際に体験。このコースでは、赤レンガ倉庫や大桟橋・山下公園が含まれており、港を片目に、みなとみらいの代表的なスポットを巡ることが出来る。

ランコースを体験中

拠点地として利用したランステーションもコースより程近い場所にあり、手ぶらで訪れてもすぐにラン出来るような、レンタル用品やシャワーが揃っている。

コース近くのランステーション

観光でしか来たことのなかったみなとみらいの街を、ランコースとして楽しむことで、今までに見たことのない新たなみなとみらいの顔を見つけることが出来た。もちろん、このみなとみらいのコースだけではない、様々なコースを探すことが可能だ。

「ラン」を通じて、地域の風景が人を、そして人が地域を元気にする。そんな新しいエコシステムを実現する「Runtrip」。持ち物は、身体と好奇心。あなたも「Runtrip」で新しい風景に出会う旅に出てみてはどうだろうか。

取材・文:長谷川輝波

フリーライター、慶應義塾大学法学部4年在籍。@tkinakoo_mochii

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