【5日間連続公開】クリエイター、僧侶、研究者が語る「人工知能の現在と未来」

2015.11.27 19:30

クリエイター、研究者、僧侶らで語る「人工知能の現在と未来」。第8回目SENSORS SALON参加者は真鍋大度氏(Rhizomatiks Research)、松尾豊氏(東京大学 特任准教授・GCI寄付講座共同代表)、市原えつこ氏(アーティスト)、松本紹圭氏(光明寺僧侶)、そしてモデレーターに西村真里子(HEART CATCH)。舞台となったのは神谷町 光明寺。エンターテイメントから宗教まで、人工知能が変えようとしている世界の様々な事象を語り尽くした。11/29(日)3:15よりOA。全5回の【人工知能】SALON完全版はsensors.jpにて順次公開予定。

SENSORS SALON「人工知能の現在と未来」予告ムービー

【左から】モデレーター・西村真里子氏(SENSORS.jp編集長、HEART CATCH)、真鍋大度氏(Rhizomatiks Research)、松本紹圭氏(光明寺僧侶)、松尾豊氏(東京大学 准教授)、市原えつこ氏(アーティスト)

世界的な大企業が今、最も研究に力を注ぐ技術の1つ"人工知能"。「人工知能×エンターテインメント」をテーマに異色メンバーでその未来を語り合った。

真鍋大度(Rhizomatiks Research):メディアアーティスト、DJ、プログラマー。2006年Rhizomatiks 設立、2015年よりRhizomatiksの中でもR&D的要素の強いプロジェクトを行うRhizomatiks Researchを石橋素氏と共同主催。 身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さに着目している。(個人HPより)

松本紹圭(光明寺 僧侶):東京大学文学部哲学科卒業。超宗派仏教徒のウェブサイト『彼岸寺』(higan.net)を設立し、お寺の音楽会『誰そ彼』や、お寺カフェ『神谷町オープンテラス』を運営。2010年、ロータリー財団国際親善奨学生としてインド留学、Indian School of BusinessでMBA取得。2012年、若手住職向けにお寺の経営を指南する「未来の住職塾」を開講。2013年、世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leaderに選出される。

松尾豊(東大 特任准教授):1975年香川県出身。1997年東京大学工学部卒業。その後、博士課程修了。産業技術総合研究所研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より東京大学大学院工学系研究科准教授。2014年より、東京大学グローバル消費インテリジェンス寄附講座代表。2012年から2014年まで、人工知能学会編集委員長・理事。現在、人工知能学会倫理委員会委員長。人工知能学会論文賞・現場イノベーション賞・功労賞、情報処理学会長尾真記念特別賞、ドコモモバイルサイエンス賞など受賞。専門は、Web工学、人工知能

市原えつこ(アーティスト):1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。学生時代より、日本特有のカルチャーとテクノロジーを掛け合わせたデバイス、インスタレーション、パフォーマンス作品の制作を行う。主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラインターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》、脳波で祈祷できる神社《@micoWall》等がある。2014年《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》で文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。

西村真里子(HEART CATCH):国際基督教大学(ICU)卒。IBMでエンジニアAdobeにてマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブカンパニー(株)バスキュールにてプロデューサー従事後、2014年株式会社HEART CATCH設立。 テクノロジー×クリエイティブ×マーケティングを強みにプロデュース業や執筆活動を行う。スタートアップ向けのデザイン&マーケティングアクセラレーションプログラム「HEART CATCH 2015」総合プロデューサー http://events.heartcatch.me/

■︎︎11/29 ライゾマ真鍋大度らが語る、ゴッホやピカソを凌駕する人工知能×アート論

人工知能が人間の知能を超えた時点"シンギュラリティ"が近づいていると囁かれる中、「雇用が奪われるのでは?」「社会を支配されるのでは?」さらには「人類を襲うのでは?」といった悲観的な見方も広がっている。

松尾:
"ディープラーニングによって人工知能がクリエイティビティを獲得し始めている"ということは言えるとは思いますが、まだまだもっと高度なクリエイティビティはたくさんあるはずです。文化的な背景や人間の感情・価値に関わるクリエイティビティはまだまだ人間にしか発揮できない分野だと個人的には考えています。

自身もこれまで人工知能を使った作品を発表してきた真鍋氏は、最新のディープラーニングで実現できることに触れながら今後の展望を語った。

■︎︎11/30 「人工知能は悟れるのか?」光明寺 松本僧侶×東大 松尾豊 研究者対談

「人工知能は悟れるのか?」
僧侶 松本氏から研究者 松尾氏に投げかけられた質問である。

松尾氏は自身がなぜ「人工知能」研究を始めることになったのかという経緯にまで遡り、自身の考えを明らかにする。人工知能の本質に近づくごと「人間とは何か」という深遠な問いが浮かび上がってくる。

■︎︎12/1 「あなたは人工知能と恋愛できますか?」アーティスト市原えつこが創造する未来の恋愛

市原:
人工知能を搭載したOSに恋をする男性を描いた映画『her/世界でひとつの彼女』でテーマになっていましたよね。これを観てリアリティは感じました。聞いたところによると、Siriなどのパーソナルアシスタントの発話ログって「好きだよ」「結婚して」「愛している」っていう言葉が多いらしいんです。生身の女性には言いにくいことも、アンドロイドには言える。全て言う通りに聞いてくれる存在に愛情を覚えてしまう人は現時点でもけっこういると思います。

人工知能と恋愛というテーマで松尾氏や真鍋氏が懐疑的であったのに対し、市原氏や松本氏はそうした可能性を感じるという。
「あなたは人工知能と恋愛できますか?」

■︎︎12/2 「アニメ大国・日本は人工知能競争で勝てる」東大松尾豊の提言

SENSORSで以前、松尾氏に個別インタビューを行った際、"人工知能"というビッグワードに右往左往しないために、まずはSustainable/Disruptiveと二類型に分けて把握すべきだと説明した。

これは日本産業の成長戦略を描く上でも重要な理解となる。Sustainableの方は従来までのデータ収集を主軸とする技術であり、Google、Facebook、Amazonなどすでに巨大なグローバル企業が熾烈な争いを繰り広げている。
対して、日本企業に光明があるのがDisruptiveの方だ。認識や身体性につながる発展であり、カメラやセンサー、ロボットや製造装置などモノづくりを得意とする日本にとってチャンスが大きい。

■︎︎12/3 「修行するAI」人工知能の未来〜真鍋大度×光明寺 松本僧侶×市原えつこ×東大 松尾豊

最終回のテーマは、ビッグデータが身体と結びついたとき、人工知能が我々の生活をいかに変貌させるのかについて考え、そして近未来の生活にどのような形で人工知能を溶け込ませるべきか?

筋電や義手、IoT、スマートシティをキーワードに、あらゆる工場、農場、そして都市などのあらゆるプラットフォームが自律的に"考え"始めたとき私たちは生活をどのように送っていくのだろうか?

11/29より5日連続公開いたします。どうぞお楽しみに。

構成:長谷川リョー

SENSORS Senior Editor
1990年生まれ。フリーライター。これまで『週刊プレイボーイ』『GQ JAPAN』WEBなどで執筆。「BOSCA」編集長。東京大学大学院学際情報学府在籍。最近の関心領域は「人工知能」。将来の夢は馬主になることです。
Twitter:@_ryh


写真:延原優樹

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