【SENSORS IGNITION 2016 出展プロダクト】脳波で動くゲーム、音楽が流れるウィッグ、ピアノの演奏体験まで!「ウェアラブル」編

2016.03.06 18:45

2月26日に虎ノ門ヒルズにて行われた「SENSORS IGNITION 2016」。イベントには学生、スタートアップ、そして大企業まで、様々なバックグランドを持つ開発者が自身のプロダクトを展示。とりわけ、体験できる・視覚的に楽しいプロダクトが多く、会場を盛り上げてくれた。全4本でお送りする展示レポートの第2回目では、装着系プロダクトに注目。ウェアラブルデバイスやVRを中心に、「テクノロジー×エンターテイメント」を体感できるプロダクトを紹介していく。

■世界初! 脳波で動くクレーンゲーム「脳波キャッチャー」

会場でひときわ目を引いていたのは、世界初の脳波で動くクレーンゲーム「脳波キャッチャー」。「本能を制御せよ」というコンセプトのもの、人間の感情の中でもコントロールしにくい、好き/嫌い/興奮/リラックスの4種類の感情に反応し、クレーンが前後に動くプロダクトだ。

体験者はヘッドセットを装着し、表示される様々な画像に対して自身の感情がどう反応しているのかを、脳波の平均値から計測され、脳波が乱れるとクレーンが前後左右に動く仕組みになっている。

ブースは大盛況。例えば、体験者の画像を見た反応がクレーンに現れるとまわりのオーディエンスが突っ込めるなど、体験者以外も盛り上がれるプロダクトとなっていた。

■犬用のウェアラブルデバイスに、イヤフォンでつくられたウィッグ? PARTYの新プロダクト

クリエイティブラボ「PARTY」からは「remo-on」「Song Wig」「Disco Dog」の3つのプロダクトが展示。その中でも、NYの個展でも展示された(記事:PARTY NY 個展「FRIENDLY FUTURES」実施の狙いと、川村真司が今NYで考えていること 参照)無数のイヤフォンでつくられたウィッグ「Song Wig」と、犬用ウェアラブルデバイス「Disco Dog」を紹介する。

ひとつ目は、PARTY NYチームが開発した犬用LEDベスト「Disco Dog」。NYの夜道は日本に比べると暗く、黒い犬は車にひかれてしまうなどの事故に遭いやすい。なので、「犬を安全に散歩するにはどうしたらいいのか」が着想のもとになっている。

それに加えて、ただ安全なだけではなく、そこに「楽しい」要素を注入したのがこのプロダクトだ。ベストが色鮮やかに光ったり、ベストに文字を入力し流すこともできる。今後の展開としては、現在量産体制に入り、一般販売に向けて準備中とのこと。

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「Song Wig」は、無数のイヤフォンによって編み込まれたウェアラブル・ウィッグだ。音楽が入っている手持ちのデバイスから、ブルートゥースを通じてウィッグに音楽を飛ばし、無数のイヤフォンから同じ楽曲をきくことができる。

オンライン上では音楽をデータとして共有しやすいが、リアルの場で同じようなことをするのはなかなか難しい。なので、無数のイヤフォンを用いて周囲のひとと同じ音楽を共有するのが着想元になっている。カラーバリエーションは3種類。ポップス風の黄色、ドレッドヘアー風の黒色、そしてモーツァルトを意識した白色だ。

使用用途としては、パーティーグッズやミュージシャンが新曲を出す際に新しいプロモーション方法として使用してほしいとのこと。開発者の石塚美帆氏「Grimes、Lady Gaga、Bjorkなどの女性アーティストが使ってくれたら嬉しい」と語ってくれた。

■VR+ARの新しい演奏体験「teomirn」

日本テレビ放送網とYAMAHAによって開発されたVRピアノ演奏視聴システム「teomirn」。ピアノ演奏者の手の動きをCGで再現し、鍵盤の上に置いた自分の手の上にその演奏者の手が現れ、演奏を真似ることができるプロダクトだ。ピアノを選んだ理由として、手の動きを見て楽しんだり、学んだり、真似たりするものの中で一番楽しいのはピアノだと思ったこと。、そして上手にピアノを弾きたくても楽譜が苦手の人が多いのではないかと思ったことを挙げていた。

実際にteomirnを体験した来場者の中には「実際にそこにいるみたい」という感想を述べていた方もいるそうで、不思議な感覚を味わえるプロダクトに仕上がっている。

■"社会の不安を癒やす"カメラデバイス「Touchy」

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触れることでカメラデバイスのシャッターが開いている様子

「社会の不安を癒やす」という一風変わった目的を果たすために開発されたカメラデバイス「Touchy」。このカメラデバイスを身につけると、身につけた人の肌に誰かが触れる瞬間まで、カメラデバイスからは何も見えない一種の盲目状態に置かれる。人に触れられるとカメラデバイスのシャッターが開き、視力を取り戻すことがでる。そして、写真を撮ることができる不思議なデバイスだ。

会場に展示されていた作品の中でもとりわけコンセプチュアルな印象を受けた「Touchy」だが、実際に体験してくれた来場客の反応は「皆が笑顔になってくれたし、すぐにどういったプロダクトか理解してくれた」とのこと。

■「Perfumeの動きをゲームにしたい」Moff Band開発者の秘めたる思い

SENSORSでも以前取り上げたMoff Band。「あらゆる動きを遊びに変える」をコンセプトに、手首に装着したMoff Bandを用いて、様々なアプリで遊ぶことができる。

1日中ゲームをやっている子どもの姿を見て、「体を動かすプロダクトをつくってみよう」と思ったのが、開発のきっかけになっている。会場内では子どもも大人もMoff Bandを装着し、パックマンなどのゲームや、フィットネスに夢中になっている姿を見ることができた。

Moff Bandを装着しながらパックマンで遊んでいる様子

エンタメ、ゲーム、知育ドリル、ヘルスケアなど、様々な領域での活用が期待できる、Moff Band。開発者にMoff Bandの今後の展開について聞いてみると、「Perfumeの動きをゲームにしたい」と自らの野望を語ってくれた。

「ウェアラブル」という大きなくくりでみてみると、ウィッグ、犬のベスト、脳波クレーンゲームなど、様々なプロダクトが世の中に生まれているのがよくわかる。どのプロダクトもただテクノロジーが優れているだけではなく、必ず「遊び心」やエンタメを意識したものになっているが特徴的であった。

取材・文:岡田弘太郎

1994年生まれ。『SENSORS』や『greenz.jp』で執筆の他、複数の媒体で編集に携わる。慶應義塾大学在籍中で、大学ではデザイン思考を専攻。主な取材領域は、音楽、デザイン、編集、スタートアップなど。趣味は音楽鑑賞とDJ。

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