北欧最大級スタートアップイベント『Slush 2016』現地レポート

2016.12.05 09:30

北欧フィンランドで2008年より開催されているスタートアップ企業と投資家の祭典「Slush 2016」が現地時間11月30日〜12月1日に開催された。史上最大規模開催となったSlush会場から現地レポートをお送りする。
なお、2017年3月29日〜30日「Slush Tokyo」の開催も発表されている。

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メインのファウンダーステージ:今年の全体デザインテーマは北欧神話
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Slush開催初年度は200~300名からスタートしたイベントだったが、今年は世界中から17,500名以上の起業家、投資家、ジャーナリストがヘルシンキに集結した。会場敷地26,000㎡の中には6つのカンファレンスステージとスタートアップ企業のエキシビジョンが会場を盛り上げた。

Slushのカンファレンスセッションでは企業のファウンダーセッションだけでなく、常にスタートアップピッチプレゼンを行っているステージやパネルディスカッションなど身体がひとつでは全く足りないほどのコンテンツ量である。

■企業にとって新しい取り組みの世界に向けて発表する場

そのカンファレンスでは、フィンランドを代表するモバイルゲーム「Angry Bird」を提供しているRavio Entertainmentから生まれたスピンオフ企業、HatchがNetflixのようなオンデマンドのソーシャルモバイルゲーム・サービス提供を開始することを発表。ゲーム体験をシャアリングすることが出来るモバイルゲームスペースを創造することをミッションとしており、ゲームデベロッパーにとっても自由な発想と空間でソーシャルゲームを制作し世界に発表することができる。現在、100以上のゲームがソフトローンチされている。

他にもドイツ、女性向けヘルスケアスタートアップClueの新たな資金調達ニュースなど多数の企業がSlushのステージで発表しているのが印象に残った。

■失敗は成功へのプロセス

また、北欧が誇るグローバル企業3社、Skype、Spotify、Supercellのファウンダーセッションでは各社の失敗、しくじった過去についてディスカッションが行われた。その中で印象に残った内容として、「会社人生の中で失敗は"必要要素"である。もし、今自分が安全地帯にいると感じているのであれば、それは企業としてのスピード感が落ちているという証拠であり、リスクテイキングをしていないということでもある。」と3社は言う。彼らもこれまでの失敗がなければ今のポジションを築くことは出来なかったと断言した。

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豪華な3社セッション ©Slush16_c_Kai_Kuusisto-2023

■激変しているヨーロッパ、テクノロジー市場

Slushとして昨年からベンチャーキャピタルAtomicoと共同制作しているヨーロッパのテクノロジー市場レポート「The Current State of European Tech」を今年も発表した。テクノロジーハブとしてこれまでロンドン、ベルリン、ストックホルムが有名であったがミュンヘン、チューリッヒ、リスボン、マドリッド、コペンハーゲンなどの都市がテクノロジーハブとしての機能を高め、さらには投資額や契約数ではパリがロンドンを抜きヨーロッパで一番になったなど、最新のヨーロッパ市場を知るにはとても参考になる。

2日間のカンファレンスやエキシビジョンに参加するだけでも学ぶことが多いがやはり一番の収穫はネットワーキングであろう。会場には複数のカフフェやネットワーキングスペースが設置されており、世界中の起業家、投資家、ジャーナリストとのネットワーキングなによりも財産になる。

次回はSlushの目玉コンテンツでもある「Slush100」のピッチコンテストの模様についてレポートをお送りする。

ライター:中村寛子

大学を卒業後、グローバルデジタルマーケティングカンファレンス、ad:tech/iMedia Summitを主催しているdmg::events Japan株式会社(現Comexposium Japan)に入社。 ad:tech tokyo 2010より、主にコンテンツプログラムの責任者として従事。 また、東京開催以外にもad:tech kyushuやiMedia Brand Summit, Data Summitなど8つのカンファレンスローンチを展開。2015年11月にmash-inc.を設立し、現在ヘルスケアのサービスをローンチを目指している

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