スキンプリンターからチャット、セキュリティーまで『Slush 100』ファイナリスト4社の顔ぶれは

2016.12.06 09:00

北欧最大級のスタートアップイベント『Slush 2016』が11月30日-12月1日に開催された。イベントのメインコンテンツであるスタートアップ企業100社によるピッチコンペティション『Slush 100』。2日間に渡って予選が行われ、最終日メインステージの決勝戦にはファイナリスト4社が選ばれた。

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熱気と人で溢れている『Slush 100』決勝戦ステージ ©Slush16_c_Jussi_Hellsten_2498

『Slush 100』は世界中からアーリーステージのスタートアップ企業だけがピッチコンペティションに応募ができる。今年は1,000社以上の応募の中からまず100社に絞りこみ、2日間にわたり予選、セミファイナル、そしてファイナルステージが行われた。

格闘技の試合が始まるかのような熱気と人で溢れかえった決勝会場の中で、最終選考4社はひとりずつ決勝のリングに呼び込まれ各社独自のスタイルでプレゼンを行った。
約1時間の選考時間をかけて100社の中から頂点に選ばれたのは、フランスのスタートアップ企業、CybelAngel

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優勝したCybelAngelは4社の中でも一番エキサイティングなプレゼンを見せた

同社はサイバーセキュリティーの問題を解決するビックデータソリューションを提供している。web内でクライアント企業に関連しているデータリンクの中から企業機密情報の漏洩や不必要なファイルのやり取り、また予測されるリスクなどリアルタイムで見つけだしレポートするだけでなく、最適な対応ソリューションを提供している。
選ばれた理由として審査員は他のファイナリスト企業よりも確実にニーズがあるマーケットであり、各社がいつかは直面するであろうセキュリティー問題において有効的な情報やノウハウを持っていることは市場でもユニークなポジションを築くことができると見込んで選ばれた。
優勝したCybelAngelには賞金500,000ユーロ(約6,100万円)が送られた。

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大きなガッツポーズを見せて喜ぶCybelAngelの次のステップが楽しみである

また、他3社のファイナリストも注目スタートアップ企業として紹介したい。

Shipwallet(スウェーデン)

Shipwalletはユーザーがオンラインショッピングの荷物を自宅デリバリーだけでなく、自分の好きな時に好きな場所でピックアップすることも選択できるサービス。消費者だけでなくEコマースを展開しているクライアント企業にとっても今まであるようでなかったサービスとしてメリットがあるという。

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現在ローカル企業にサービス提供をしているShipwallet

Sendbird(韓国)

Sendbirdはユーザーと企業のコミュニケーションを高め、両者間にとって最高の価値を生み出すことをミッションに自社のアプリサービスにチャット機能を簡単に加えられるSDKを提供している。

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Sendbirdは今後ボイスチャットにも取り組んでいくという

SketchOn(韓国)

SketchOnは肌に直接印刷ができるハンディーサイズのスキンプリンターPrinkerを展開している。テキストだけでなくロゴやデザインなど瞬時に肌に印刷を可能としておりエンターテイメントでの楽しみだけではなく、今後チケットの代わりになるようなポジションを目指しているという。

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Prinkerのスペシャルインク、ハンドプリンターはすでにIPを取得している

100社の中から勝ち進んだファイナリスト4社は、今注目すべきスタートアップ企業として今後の動きにも注目したい。

また、ファイナリスト4社中、2社は韓国企業という事実についてもとても興味深かった。出展会場にも大きな韓国ブースを構え、参加者もアジア勢では一番多く参加している。その背景として韓国は内需市場が限られているためにグローバル市場への進出がマストになってくるということだ。その反面、日本や中国は内需市場で満足していることが多く、海外展開が他国に比べると出遅れているのが現状である。是非来年はより多くのアジアのスタートアップ企業がヨーロッパ市場に進出することを期待するとともに、来年3月に開催されるSlush Tokyoで出会えるスタートアップ企業にも是非注目したいと思う。

ライター:中村寛子

大学を卒業後、グローバルデジタルマーケティングカンファレンス、ad:tech/iMedia Summitを主催しているdmg::events Japan株式会社(現Comexposium Japan)に入社。 ad:tech tokyo 2010より、主にコンテンツプログラムの責任者として従事。 また、東京開催以外にもad:tech kyushuやiMedia Brand Summit, Data Summitなど8つのカンファレンスローンチを展開。2015年11月にmash-inc.を設立し、現在サービスをローンチを目指している

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