ミュージック・フィルム・インタラクティブの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」リポート

2015.04.03 18:30

SENSORS IGNITION2015にて、IOTセッションのモデレータを務めた株式会社HEART CATCH代表取締役の西村真里子氏。西村氏の視点から見た今年の「SXSW」レポートを配信する。

レディー・ガガやプリンスが基調講演し、ツイッターの世界的デビューの舞台となったことで有名なミュージック・フィルム・インタラクティブの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」。


2015年3月13日〜22日まで米国テキサス オースティンで開催されたSXSW 2015では、世界各国から72,000人が集まり、音楽部門では2,200バンド出演、インタラクティブ部門では2,300スピーカー登壇、そしてテキサス名物BBQ有名店Stubb'sでは30,000ポンド(約13,500キログラム)のBBQ肉が食べ尽くされ街中がお祭り騒ぎになったのだが、ひときわ熱かったのが日本のクリエイターの挑戦であった。


インタラクティブ部門のフィナーレライブを飾ったPerfumeは、ライゾマティクス真鍋氏や電通菅野氏も演出参加し、SXSW 2015出演アーティスト間のTwitterランキングで話題性第3位を獲得した。


SXSW's Big Winners, According To Twitter


そして、世界のスタートアップ企業・団体が登竜門として目指すSXSWアクセラレーター・スタートアップ・コンペティションでは、日本のクリエイティブエンゲージメントエージェンシーSIXが日本企業として初選出され「Best Bootstrap Company」賞を受賞する快挙を成し遂げた。


シンガポールなどは国を挙げて出展を開始したSXSWインタラクティブ展示ブースでは日本勢ブースが大盛況でメディアの出入りも激しかった。

SXSWでは出展国単位でブースが区切られるのだが、日本ブース出展社各位に取材をしてみた。
生の声を聞いてほしい。


■「SXSW 2015、今年は日本勢がぶっ飛んでいる!」


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SENSORS IGNITION 2015に登壇し、世界の10以上の展示イベントに出展経験を持つCEREVOの岩佐氏は外国メディアから今年の日本勢は勢いがある、とのコメントを受けたようだ。

新製品XON SNOW-1を主力製品としてSXSW展示2年目を迎える岩佐氏は「SXSW日本ブース、昨年はアプリケーション、サービスを紹介するブースが多かったが今年はハードウェア展示が多い。

他国ブースに比べてもハードウェア、IoTプロダクトの展示数はダントツである。」と語る。


CEREVOが出展ブースを同居するDMM.make AKIBAブースもハードウェアのみ、そして東京大学チームTODAI TO TEXASチームもハードウェアのみの展示で「ハードウェア・クール・ジャパン」というブランディングができつつありとても良い流れと語る。


■ 「今の時代のインタラクティブ」


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SXSW初参戦のクリエイティブキュレーターの岡田氏、世界各国のデザインイベントを体験し、自らもイベント主催することも多い岡田氏はSXSWインタラクティブセッション全体を通してテクノロジーだけではなく「今の時代のインタラクティブ」が見られるユニークなイベントであると語る。


ロボット、宇宙、Bitcoin、飲食、ファッション、、あらゆるジャンルのインタラクティブがセッションや展示で体験できるSXSWだが、日本展示ブースの勢いを「IoTを実現化させて見せている、他にはない展示エリア」と語る。


昨年比出展社数増の日本ブースだが、どのブース出展社も休憩する暇もないほど忙しいという声を多く聞いた。

たしかに一番賑わっていた。


■ 「日常生活に溶け込みやすいセンサーを開発」


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日本展示ブースの勢いはスタートアップ企業だけではなく大手企業、大手病院の取り組みも後押ししている。

デジタルの力で漢方をより身近に、標準化する「KAMPO ME!」は文部科学省のセンターオブイノベーションプログラムとしても採択されている、オープンイノベーション型のプロジェクト。


漢方のチカラを最大限活用し病気にならない社会を作ることをミッションに進めているものだが、医療費が高く予防医学に関心が高いアメリカ人来場者の興味関心を惹いていた。

舌の色をチェックしたり、脈の状態を測り健康管理を行うのだが、「日常生活に溶け込みやすいセンサーを開発し、UI/UX重視でコア技術の開発を行っている。


センシングやデータ活用技術をより日常に、人々の健康のために活用できるようにしていきたい」とは富士通研究所ミイ氏のコメントだ。

漢方と人をセンサーで繋げる今の時代のインタラクションとして今後も応援したい。


■ スマホでは見えない「インターネットの今」を可視化するIoTプロダクト


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IoT、工業デザイナーアプローチだとどのようなプロダクトができるのだろうか?

SXSW 2015日本ブースでデザイン性がとても優れていたのがリプルエフェクト社のSEESAWである。


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こちらは工業デザイナー杢保氏がデモブースに立ち「インターネットの今、株価情報や交通情報、天気情報などをWeb API経由で取得し、室内装飾オブジェとして可視化、インターネットの今を工業デザイナーとしてIoTプロダクトで証明してみた」と紹介する。


能動的に取得しなければ情報が入手できないスマートフォン経由のインターネット情報と違い、インテリアとしても見てて飽きないUI/UXに変換しておけば常に必要な情報が取りに行ける。


「ビックデータ、未来予測。 何がおこるかわからないインターネット上の情報に対してのインターフェイスを提案する」と杢保氏はコメントする。


筋電義手exiiiやBAPA第一期生藤原氏が紹介するSOUND BOTTLE、家族向けロボットBOCCOやMoff Bandなど、日本でも注目のIoTプロダクトはSXSW 2015でも世界中の注目を浴びていた。


【筋電義手exiii】

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【SOUND BOTTLE】

messagebottle.PNG


言語の壁を声、企業規模の大小を問わず新しいテクノロジー、センサーを活用したIoTプロダクトを通しての日本クリエイターのチャレンジは今後も世界中の注目を浴びていくだろう。

SXSW 2015はそれを証明してくれたイベントであった。
 

(取材・文 : 西村 真里子 (株)HEART CATCH 代表取締役)


西村真里子| MARIKO NISHIMURA
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HEART CATCH 代表取締役。国際基督教大学( ICU )卒。IBM でエンジニア、Adobe Systems および Groupon にてマーケティングマネジャー、デジタルクリエイティブカンパニーバスキュールにてプロデューサー従事後、2014年に HEART CATCH を設立。

URL:http://heartcatch.me/


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