テクノロジーにより進化を続ける日本のおもちゃ〜「東京おもちゃショー2015」

2015.07.08 08:30

去る6月18日〜21日(商談見本市 18日・19日、一般公開 20日・21日)、東京ビックサイトにて国内最大の玩具展示会「東京おもちゃショー2015」が行われた。一言で「おもちゃ」といっても、大人も楽しめるもの、新しい技術を採用したもの、そのバリエーションは幅広い。「テクノロジー×エンタテイメント」という観点から、この展示会を巡ってみた。

1962年に「第1回日本玩具国際見本市」として開始され、今年54回目を迎えた「東京おもちゃショー」。今年の出展社数は149社(国内130社/海外19社)、出展商品数は約35,000点と、重ねてきた歴史も規模もかなりのものだ。この「東京おもちゃショー2015」を主催する一般社団法人日本玩具協会 見本市委員会 専門委員 伊吹文昭さんに総括を頂きながら、今年の展示の傾向を振り返ってみよう。

■今年の傾向と、注目を集めていたおもちゃ

--今年のおもちゃショーを総括すると、どのような点が「今年ならでは」でしたか?

伊吹:
新しい技術や仕様を採用した話題商品がとても多く出品・展示され、取材の数も例年以上でした。

--展示を拝見していると、おもちゃに積極的にテクノロジーの流行を取り入れている企業の姿勢を強く感じましたが、おもちゃ業界全体としての兆候と考えていいですか?

伊吹:
玩具業界は、これまでも社会で話題になっているモノやコトを玩具化してきましたが、今年は特にその傾向が顕著でした。消費者のモノを見る目は年々厳しくなっており、話題性の追求や本物志向は今後ますます強くなると考えています。

伊吹さんの言葉通り、「新しい技術や仕様を採用した商品」については来場者や報道陣の注目も特に高かった印象だ。特に人だかりが出来ていたのが、京商の初心者でも安心して楽しめるドローンのビギナーモデル「トイドローン」や、専用アプリをダウンロードし本体にセットするだけで、仮想空間に入り込んだような没入体験が出来るメガハウスの「BotsNew」といった、テクノロジー界のトレンドをまさに反映しているような商品だった。

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京商ブースで行われていたトイドローンの実演

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公式サイトからDLする専用アプリで、スカイダイビングから二次元キャラクターとのデートまで様々な体験が

■幅広い年齢層向けのおもちゃ・従来のおもちゃの枠を超えた開発は、さらに活発化

テクノロジー界のトレンドを押さえながら本物指向を意識し、ますます進化していきそうな日本のおもちゃ。今後の展望についても伺った。

伊吹:
少子化の中で「こどもだけではない幅広い年齢層に向けた玩具」や、「情報端末や家電、カメラに近いものなど従来の玩具の枠を超えた玩具」の開発は今後さらに活発化していくことは間違いありません。 (一方)同時に、昨年の「妖怪ウォッチ」の大ヒットは、少子化の中でも子どもをターゲットとして大きな売上げを作る事が可能であることを証明しました。今後もそうした中で業界の発展を期していくことになります。

「幅広い年齢層に向けた玩具」についてはやはり大手メーカーもラインナップを充実させているようだ。例えば、会場内で最大級の規模のブースを展開していたバンダイからは、試合さながらの実況音声を聞きながら、3D加速度センサーによりスイングの速度やタイミングを認識し、バッティングの結果を判定する「ライブ中継!スイングベースボール〜GO!GO!GIANTS!〜」。

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実況音声は原辰徳監督からコーチ陣・選手まで実名で37名収録

同じく大きな規模でブース展開を行っていたタカラトミーからは、ゴム銃を使ったサバゲーを楽しめる「サバコン!」。ゴム銃のため安全であることに加え、スマホを実装すると標的をスマホ画面から定めることが出来る本格仕様だ。

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スマホで標的をロックオン!

これらのおもちゃは、休日のアウトドアなどで大人がみんなで楽しむことが出来そうだ。

また、タカラトミーは「サバコン!」以外のおもちゃでもスマホの活用に力を入れている印象。スマホ経由で会話サーバーに接続することで、より自然な会話が実現するというクラウド型おはなしロボット「OHaNAS」を発売予定。また、ベーゴマを現代風にアレンジした「ベイブレードバースト」では記録用の端末とスマホを接続して専用アプリで練習の記録などを閲覧することが出来る。

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「OHaNAS」はNTTドコモとの共同開発

■海外関係者による視察の姿も

テクノロジーの活用によるおもちゃの進化とともに、会場を回ってもうひとつ印象に残ったのが、海外からの関係者による視察を多く見かけたことだ。日本のおもちゃはどういった点が海外からの評価が高いのかについても、伊吹さんに伺った。

伊吹:
トランスフォーマーやポケモンや戦隊シリーズ(パワーレンジャーシリーズ)などのキャラクター玩具に加え、最近ではシルバニアファミリーなどのノンキャラクター玩具も世界中で人気を集めています。さらにかつて世界中で大ヒットしたベイブレードの最新版も今年は登場しますし、昨年日本で大ヒットした妖怪ウォッチも今年から世界展開が始まります。 そうした中で今年は例年以上に世界から注目されているわけですが、基本的にはきめ細かい設定や、ギミックとプレイバリューの豊富さなど、日本発ならではの特徴が受けていると考えています。

日本の持つコンテンツ・キャラクター開発力の評価が高いようだ。日本のおもちゃ界が元来持つこの強みに加え、テクノロジーを加味していく事で、今後も様々なおもちゃが生まれ、国内外で人気を博していくことだろう。

取材:市來孝人

市來孝人:PR会社勤務を経て独立。東京を拠点に「SENSORS」等WEBメディアでの取材・執筆、MC、ナレーターとしての活動の他、福岡でラジオDJとしても活動。

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