週末クリエイター集団「動いた。」遊び心を形に!

2015.06.06 01:30

YouTubeに投稿した作品をきっかけに密かな話題を呼んでいる、大阪を拠点に活動する7人組のクリエイター集団「動いた。」。普段はサラリーマンでありながら、土日を使って独創的なアイデアの作品を生み出している彼らが目指すものとは。プログラム担当・ましまさん、デザイン担当・しょうがさんにお話を伺った。

■平日は会社員のクリエイター集団

「動いた。」が注目されるきっかけになった作品が、音楽に合わせて足の長い「鶴」が踊り出す「ダンシングペーパー」。この作品をYouTubeで公開したところ、瞬く間に累計160万再生をオーバー。この「動いた。」を結成するきっかけを作ったのがましまさんだ。

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5羽の鶴が踊る「ダンシングペーパー」

ましま:
全員が同じ会社のメンバーなんですが、電子工作がちょっとずつ流行り始めてきて色んな動画サイトにアップされてた頃なので、一緒にトライしてみませんかと同僚に言ったのが一番最初のきっかけですね。(「動いた。」というチーム名にしたのは)作品に電子工作がプラスされて動いた時の喜びが大きくて、その時の「動いた!」という喜びをそのままチーム名にしたという感じです。
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「動いた。」メンバーのましまさん(右)しょうがさん(左)

2012年に結成された「動いた。」は、サラリーマンが土日の趣味として電子工作を楽しむ集団なのだ。工作費用は全員が給料から負担している。制作にあたっての知識や技術はどのように身につけていったのだろうか。

ましま:
一番初めは本を読んだのですが、結局あまり身に付かず...、作りたい物があってそれをどうやって作るか。「この技術があれば作れる」と必要な技術を作りたいものから逆算して調べていく感じなので、知識や技術は毎回新作の度に身についている感じですね。情報源はほとんどがインターネットです。2ちゃんねるとかで質問して「ググれカス!」と言われながら。頑張って、教えを請うて、サイトを調べたりとか。

これまでに作った彼らの主な作品は、動くと砂紋が描かれるリアルな石庭型の「石庭ラジコン」や、ファミコンさえ動かしたいという思いから生まれた「ファミコンラジコン」、そして冒頭の「ダンシングペーパー」。この「ダンシングペーパー」は制作期間およそ4ヶ月、トータル20万円の給料をつぎ込み完成させた力作。ステージの中に隠されているのは、オリジナルの電磁石。一方、鶴には羽から脚にかけて針金が通され、脚元には磁石が付けられている。電磁石に電流を流すと磁石同士が引き合うため鶴がステップ。この動きをベースに41本の電磁石の動作をコンピューターでプログラミング、という仕組み。全てが手作業のため鶴の形はバラバラ。「激しい動きを踊りきれる鶴とそうじゃない鶴」(ましまさん)がいる。

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「ダンシングペーパー」で鶴が動く仕組み。電磁石が41本ステージに組み込まれている

■何らかの感情がちょっとだけでも動くようなものを作りたい

「動いた。」が作品を作る時のモチベーションはどのようなものなのだろうか。

ましま:
動いた瞬間の楽しさだったり、気持ち良さがモチベーションですね。本当は、動画も上げる必要はないのですが、せっかく作ったので見てもらおうという感じですね。すごい有名になってやろうというのではなくて、単純に動いたときの楽しさを求めてやっています。
しょうが:
作ろうという基準が、受けそうか受けそうじゃないか、笑ってもらえそうか笑ってもらえなさそうか、ですね。
ましま:
そういう物を作った方が、僕ら自身も作っていて楽しいですし。情緒的な感情でも、笑いでも、ノスタルジーな感じでも、何らかの感情がちょっとだけでも動くようなものが作れたらいいなと。笑い系が多くなっちゃうけど...(笑)
しょうが:
ボケみたいになっていますね。
ましま:
大阪の空気がそうさせるんですかね?

結成から間もなく3年。個展を依頼されるほどじわじわと有名になりつつある「動いた。」。個展のために用意した新作も、やはり自分たちが楽しめる作りたいモノだ。

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「EyeCollage」。映像が有線でPCから送り出されている

流行のウェラブルデバイスを「動いた。」流に表現した「EyeCollage」。レンズ部分はディスプレイになっていて目のように見える映像が映し出されている。

しょうが:
かけている人は前も見えませんし、映像は有線で、無線通信とかもしていません。コミュニケーションツールとして友達に楽しんでもらうとか、自分で写真を撮って楽しんでもらう作品です。
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「四駆エンサー」。ランプのあるセンサーの下を通ると音が鳴る

さらに、過去大ブームとなった「ミニ四駆」を使って今まででもっとも大きな作品「四駆エンサー(シークエンサー)」に挑戦。3Dプリンタで自作した車体のウイングがコース内のセンサーに触れる仕組みだ。このコース内にそれぞれのミニ四駆を組み合わせて走らせることで、それぞれ異なる音色が奏でられるという、光と音楽を楽しめる展示になる予定だったが...

ましま:
思った以上に走る音がうるさいせいで...
しょうが:
音楽があまり聴こえないっていう(笑)

思い通りの作品が完成しないことも笑い飛ばせるほど活動を楽しめているようだが、そもそも兼業で時間が限られる中でも物づくりをするのは、やはり「楽しさ」があってのことのようだ。

ましま:
「楽しいから」というのが大きいですね。結構工作も大変なので土日潰さないといけなかったり、睡眠時間を潰さないといけなかったりするので、折り紙動かしたら面白そうだな、やってみたいという感情が起こるものをやっています。作るのがすごく大変でも、その分動いた瞬間の楽しさがありますから。
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そんな中、海外の方から日本語で「面白いです」とメールを送ってくれたり、知り合い伝で上海での展示会に出展した際、アメリカなど様々な国から集う参加者からの反応がとても良かったりと、活動を続けていく中で様々な発見もあるようだ。「楽しさ」を大事に、遊びの延長線のような自由なスタイルで作品を作り続ける「動いた。」。今後も「飽きない限り」活動を続けていくそうだ。

取材・文:市來孝人

SENSORS WEBエディター
PR会社勤務ののち、かねてより旅行でよく訪れていたロサンゼルスに在住。帰国後、福岡やシンガポールのラジオDJ、東京でのMC・ナレーター、ライターとして等の活動を経てメディアプランナーとして活動中。また、タレント・企業トップなど個人に特化したPR・ブランディングにも携わっている。

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