「Wearable Tech Expo 2015」レポート〜ロボットクリエイター近藤那央がみたIoTとVRのイマ

2015.10.06 20:00

9月7〜8日に行われた「Wearable Tech Expo in Tokyo 2015」。注目の新デバイスや先端サービスが集まった。第2回目の開催となった今回は、ウェアラブル技術に加え、IoTとVRにもテーマを拡大。規模も2倍となり行われた。当イベントに学生ロボットクリエイターの近藤那央が潜入。特に注目の展示を体験、主催者である上路健介氏に開催の意図を伺った。

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近藤那央(こんどう なお):本物そっくりのペンギンロボット「もるペン!」の開発を行うTRYBOTS代表。生物の動きを緻密に再現する事を目的に日々活動。個性的な女の子を発掘するアイドルオーディション「ミスiD2015」にて応募者約4000人の中からミスiD2015を受賞。高校では機械科を卒業し、現在は慶應義塾大学環境情報学部在学中。1995年生まれ19歳。

■ウェアラブル×ARで実現するテクノスポーツ「HADO」

近藤がまず体験に訪れたのは、meleap社が開発する「HADO」。ウェアラブルとARを掛け合わせた"テクノスポーツ"で、実際に身体を動かしながらプレイする。

近藤那央も体験した、体感直径約3mのゴーレムを倒す「モンスターバトル」

空間認識技術、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やモーションセンサーなどのウェアラブル技術を複合的に使用することで高い臨場感を演出。
格闘ゲームが得意ではないという近藤でも心配はなく、"子供心"さえあれば、小学校低学年の子供でも十分に楽しめるという。

HMDをプレイしていない人でも、外からみて何が起こっているのか分かるように、このようなプレイ画面を見ることができる。

プレイ終了後、息を上らせ、負けてしまった悔しさを滲ませながら、近藤はゲームの感想についてこう述べてくれた。

近藤:
いやー、怖かったです。本当に焼かれるかと思いました。テレビゲームで身体を動かすというと、昔『Wii Sports』をやったことある人は多いと思うのですが、それとは違って実世界に映され、フィールドも広く動き回れるのでスポーツに近い印象を受けました。

事実、ゲームを開発したmeleapはARを最大限まで活用しながら、空間性と身体性をゲームに持たせることで"テクノスポーツ"という新たなジャンルを開拓し、2020年の東京五輪に合わせ、"テクノスポーツ五輪"を開催することを目指している。

■仮想空間に出現したコンテンツを自在に操ることのできるインタラクティブAI「META」

カリフォルニアにあるスタートアップが開発するウェアラブル・デバイス"META"は、仮想空間上にあるオブジェクトをインタラクティブに操作することができる。

教育分野での活用を主眼に置いているというMETAだが、近藤はエンターテインメント分野での可能性を感じたようだ。

他のAR機器に比べ、手の動きを精確に認識するのがMETAの強みであり、インタラクティブAIとしての特性だという。

近藤:
私は『電脳コイル』というアニメが好きなのですが、シースルー眼鏡を通してペットを見たり、仮想の敵と戦うことができれば面白いと思います。あとは、もしポケモンが自分の眼鏡の中で後ろから付いてきて、一緒に旅行に行けたりしたら嬉しいです。

■用途はヘルスケアにまで?スマートLEDシューズ「Orphe」

内蔵されたモーションセンサーが動きに応じて、100種類以上のLEDや色の光の強さを変え、リアルタイムに光るの表現を行うことができるスマートLEDシューズ「Orphe」。

楽器を作ることを目的に開発が始まったという"Orphe"だが、ダンスのための光る靴、さらにはゲームやヘルスケア。使途は限定せずに、様々な目的で用いられるプラットフォームを目指している。

装具の形状や画質を考慮しながら、徹底して衝撃が電子部品にいかないような設計になっているという。

近藤:
ウェアラブル・デバイスは自分で身につけるハードルが一つあると思うのですが、Orpheは思ったよりも履きやすくて、普通に靴を履く感覚でした。スマートシューズを味わえるという点で、生活の中に入って行きやすいのではないでしょうか。

■LEDが光るだけじゃない!スマホと連携してライフスタイルを支える「雰囲気メガネ」

スマートフォン連動型のメガネ情報端末"雰囲気メガネ"は歩行中や作業中に通知をLEDライトの点滅が伝えたり、小型スピーカーで着信やメールの受信を把握することができる。ライフスタイルをより便利にするスマートデバイスだ。

フレームに内蔵されたフルカラーLEDでレンズ全体が光る。

これまでも改良が進められてきた「雰囲気メガネ」だが、プロトタイプ時に比べ、バッテリーの持ちが何倍にも向上したという。現状で、丸一日使える仕様になっているそう。

 

近藤:
光るだけのメガネかと思っていたのですが、音や加速度センサーがついているということで、単に光るだけではない、幅広い用途が今後広がっていくのではないかと思いました。

■「ウェアラブル、IoT、AI、ロボット...様々なテクノロジーは一つにつながる」仕掛け人・上路氏が語る狙い

注目の展示を体験した後、「Wearable Tech Expo」の仕掛け人である上路健介氏に話を聞いた。

近藤:
まずこのイベントを始められたキッカケをお伺いしてもいいですか?
上路:
もともとNYでやっていたカンファレンスがあります。僕自身はテレビ局のエンジニア出身でして、テクノロジーがエンターテインメントとうまく結びついていない問題意識がありました。分野を問わずコンテンツとエンターテインメントを掛け合わせることによって新しいモノを生み出していこうという目的で開催しました。
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上路健介氏:株式会社ジョリーグッド 代表取締役 CEO、Wearable Tech Expo in Tokyo エグゼクティブ・ディレクター

近藤:
第2回目となる今回のイベントですが、この2日間でどのような印象を受けていますか?
上路:
ウェアラブル、IoT、AI、ロボット、様々なテクノロジーのテーマがありますよね、それらって全部バラバラじゃなくて、一個につながるものなんですね。一堂に会するとその"つながり"が体感できるんですよね。テクノロジーとテクノロジー、専門家と専門家がこうなれば繋がるんじゃないかというイメージができる場を作ったというわけです。

第一回目の「Wearable Tech Expo」にも参加したという近藤那央。着実にウェアラブル業界が前進し、ビジネスに結びつきつつあるのを今回感じたという。

近藤:
今回私はロボットクリエイターとして、一つの気づきを得ました。ロボットには様々なウェアラブル・センサーが付いているわけですが、このセンサーを使ってもっとインタラクションを使ったバーチャルロボットとコミュニケーションを取ることができるのではないかということです。これからウェアラブル・デバイスを使ったロボット端末の開発も頑張っていきたいと思います。

文:長谷川リョー

1990年生まれ。フリーライター。これまで『週刊プレイボーイ』『GQ JAPAN』WEBなどで執筆。「BOSCA」編集長。東京大学大学院学際情報学府在籍。@_ryh

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