次世代キッズの学びの場は渋谷にあり「ワークショップコレクション11」レポート

2015.09.17 19:00

8月29日(土)・30日(日)、夏休みを締めくくる週末に、渋谷で開催された「ワークショップコレクション11 in シブヤ」。取り壊し寸前の渋谷のオフィスビルを舞台に、学校や企業、技術者やアーティストなど多様な出展者が一同に会し、「子どものための創作の場」をテーマに、全国各地のワークショップが繰り広げられた。その中でも、今回は「子ども×テクノロジー」を軸に、デジタルネイティブ世代の子どもたちの遊び・学びが、テックの力でいかに変化していくのか考えてみたい。

会場入り口から、色とりどりの壁画が子どもたちの胸をふくらませる

■コンピューターには代替出来ない「創造力」を遊んで、学ぶ

今回のイベントの主催法人CANVASを代表するのは、石戸奈々子氏。「ワークショップコレクションは、デジタル時代の新しい学びの場を、ファッションショーのようにポップに伝えようとしたことがきっかけ。博覧会のように、実際に見て触れて、楽しんでもらうことで、創造力を育んでほしい。」

石戸さんインタビュー風景

幼少時代より、鉛筆とクレヨンと同じように、タブレットとスマートフォンなどテクノロジーが手の届く所にある、デジタルネイティブ世代の子ども達。デジタルをシームレスに見ているからこそ、テクノロジーで学び、創造力を育むチャンスがあるのだという。

石戸さんにとってのテクノロジーとは、「Imagine & Realize」。テクノロジーの強みである、想像したモノを形に出来る実現力が、子どもたちに創造力を授ける。この渋谷の地から、クリエイティビティに富んだ子ども達が、たくさん生まれるに違いない。

■紙粘土が動く感動体験!?手作りプロジェクションマッピング

コモジラ研究所が開催したのは、粘土を使った、「手作りプロジェクションマッピング」を作るワークショップだ。

真剣に絵を描く子ども達

本ワークショップを運営するコモジラ研究所は、Firefoxを提供するMozilla Japanの活動である、「Webのオープン化」の一環として、設立されたもの。研究所のワークショップは、学生が全ての企画・運営を担当しているのだ。

中には中学生も運営者として参加しているなど、出来るだけ子供達に近い目線で、簡単に楽しんでもらえるワークショップを展開しているのだ。

今回開かれたワークショップで使われているのは、粘土と描いた絵を動かせるアプリ(「Parapara Animation」)。子供達に自由に粘土をこねてもらい、描いた絵をコマ撮りのように、アプリで動かし、光で投影する。

本当に粘土が動いているように見える作品

自分の描いた2次元のアニメーションと、3次元の粘度の模型を重ね合わせることで、自分の作った粘土の恐竜や船が、あたかも動いているような錯覚を楽しめる。動くはずがない「粘土」の常識を裏切り、子供達が自分の想像する世界を、自分の手で形にする体験の出来るワークショップだ。

■学びに遊びを足すことで、子どもプログラマーが生まれる

ワークショップに参加する子ども達

このワークショップでは、子ども達が「js.bit(ジェイエスビット)」と呼ばれる、ブロックを使ってプログラミングが学べるツールを利用し、JavaScriptを遊びながら学ぼうという企画を開催。

本ワークショップは、岐阜県の情報科学芸術大学院大学の卒業生と学生が、修士研究として、行ったもので、実際に学生が講師となり、少人数制のワークショップを開講した。

講師によるワークショップ風景

js.bitの「JS」とはJavaScriptのことで、一つ一つのカラフルなブロックが、JavaScriptの言語の役割を担う。これらをiPadの上で正確に繋げていくことで、iPadにブロックの言語が表示される。ミッションは、モーターを動かしたり、LEDライトを点滅したりするものが、何段階かに渡って設定されており、子どもたちの挑戦心をくすぐる。

またワークショップでは、プログラミングやJavaScriptのいろはを学んだあとに、実際に自分たちで頭を使いながら、プログラミングを学んでいくことで、プログラミングを楽しさだけではなく、学びに変える。

ワークショップに真剣に取り組む子ども達

2次元の画面上で学ぶことが当然だったプログラミングを、実際に自分で触って、楽しく学ぶ場を提供することで、子どもへのプログラミングの門戸を広げ、終わった頃には「将来はプログラマーになりたい」との声も上がった。

■ 2020年、「未来の公園」が子供たちの遊びを変える

会場最上階に突如現れた「みらいのこうえん」からは、子ども達の活発な足音や、歓声が聞こえてきた。「みらいのこうえん」と題されたフロアでは、超人スポーツ協会・株式会社meleap・世界ゆるスポーツ協会・日本ブラインドサッカー協会が合同で、未来の遊びやスポーツを楽しめるワークショップを開催した。

ぶつかると光る「ピカリバブル」でバトルする子ども達

中でも、子ども達の注目を集めていたのは、meleapが企画するARスポーツ「HADO」。ウェアラブル武器と呼ばれる「ヘッドマウントディスプレイ」と「リストバンドデバイス」を使って、3人1組でバーチャル上のモンスターと戦うという、子どもにとって夢のような体験が出来る。

3人1組になって戦っている風景

仕組みは、まず子ども達がゴーグルを装着すると、目の前に自分よりも遥かに大きいモンスターが登場する。腕に装着したウェアラブルのセンサー技術を利用し、腕を押し出したり、振り下ろすことで、自分の手から出てくる魔法を使って、敵を退治するのだ。

会場では、プレイ中の子ども達がARで見ている世界を、観客も楽しめるよう、プロジェクターも設置されており、場内はまるでスタジアムのように、観客の子ども達の歓声が上がり、その声に後押しされ、プレイする子ども達は汗ばみながらARスポーツを楽しんだ。

一生懸命腕を振って、モンスターと戦う子ども達

イベントのテーマであった、「子どものための創作の場」。スポーツに夢中になることで、テックを身近に感じる。そして、工作を通じて、粘土が動く感動体験に出会うことで、子ども達の創造力と夢を膨らませる。さらに、プログラミング講座などの学びを通して、創造力や好奇心を「僕にも出来る」という自信に変える。

子ども達に、テクノロジーとは、ただ頼るものではなく、自分の夢を実現する手段という新しい認識を与えてくれた本イベント。そんなテクノロジーを味方につけた子ども達は、これからどんな未来を創造していくのだろうか。

前回放映分は毎週「日テレ無料(TADA) by 日テレオンデマンド」にて配信しています。(9/20 深夜1時39分まで/サービスは日本国内限定となります。日本国外では動画が再生できませんのでご注意ください。)

取材・文:長谷川輝波

フリーライター、慶應義塾大学法学部4年在籍。@tkinakoo_mochii

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