世界中の人に「Your Size」を。ZOZO・前澤友作が目指す未来の服づくり

2018.07.07 18:00

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世界中をカッコよく、 世界中に笑顔を。70億人のファッションを技術の力で変えていくーー。ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは、今年10月1日付で社名を「ZOZO(ゾゾ)」に変更。「Be unique. Be equal.」をビジョンに、新生ZOZOは世界を目指す。

ネットショッピングを普及させ、"服の買い方"に革命を起こした同社は、新たに2つの革命を起こそうとしている。"服の選び方"、そして"服の作り方"だ。

異例の早さで梅雨が明け、初夏の陽射しが眩しく降り注いだ7月3日の午後。東京ミッドタウンで『新生ZOZOビジョン発表会』が行われた。スタートトゥデイの創業20周年を記念した発表会だ。

当日登壇した代表・前澤友作氏は、「世界平和を実現するため」に創業した同社の目指す「未来の服づくり」の展望を語った。

誰でも、手軽に、オーダースーツ。パーソナルブランド「ZOZO」からビジネススーツが登場

"一人ひとりのサイズに合わせた服づくり"の実現を目指すPB「ZOZO」。

小売においてPBといえば、"プライベートブランド"の略である。しかしスタートトゥデイが手がけるPBは"パーソナルブランド"の略。最新テクノロジーを駆使した採寸用のボディスーツ「ZOZO SUIT」で計測した体型データを使い、"自分のための服"が揃うブランドだ。

「サイズに合わせるのではなく、服を自分に合わせる」服選びを実現した「ZOZO」から、新商品として発表されたのが「フルオーダースーツ」。

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オーダースーツといえば、高価なイメージが強い。しかし「ZOZO」のオーダースーツは、「ビジネススーツ(2Bスーツ)」「ドレスシャツ」のセットで24,800円からと、手頃な価格が設定されている。

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壇上には「ZOZO」のオーダースーツに身を包んだ同社男性社員が、ズラリと並んだ。「肩幅が狭い」「背が高すぎる」などのコンプレックスは、服選びの邪魔をする。特に"着崩し"でごまかしが効かないフォーマルウェアは、自分のサイズに合ったものでないと、格好がつかないものだ。"自分のため"に作られたスーツに身を包んだ彼らの顔は、どこか誇らしげだった。

加えて「VネックTシャツ」や「ストレートデニムパンツ」など7型のカジュアル系の新商品も登場し、「ZOZO」のラインナップはさらに拡充される。

縫製不要で、ほぼ無人。最新テクノロジーが実現する「一人ひとりに合った服づくり」

「一人ひとりに合った服づくり」はどのように行われているのだろうか。「ZOZO SUIT」で計測された体型データは、"注文に応じてつくる"オンデマンド生産機器と掛け合わされる。

カットソー、ニット、デニム。服の種類によって、素材に用いる技術はまったく違う。「ZOZO」は商品ごとに最適な「パートナー」と組み、個々の製造インフラを構築していく。

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たとえばニット製品には、島精機製作所が開発したニット製造機「WHOLEGARMENT(ホールガーメント)」の技術を導入。「WHOLEGARMENT」を使った生産過程において、手間のかかる"裁断"や"縫製"は不要だ。袖や身頃のパーツを繋ぎ合わせることなく、"一着丸ごと"編み上げることができるという。そのために、体型データを取り込むだけで、わずか40分程度の時間で一着が出来上がる。しかも"ほぼ無人"で。

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「安価な大量生産」を売りにする、ファストブランドの劣悪な労働環境が問題視されて久しい。「ZOZO」が実現する「未来の服づくり」は、服を"着る"人だけでなく、服を"作る"人にも笑顔をもたらす。「今後も積極的に国内外の最新テクノロジーと手を組んでいく」という「ZOZO」は革新的な製造技術によって、商品拡充を目指す。

S・M・Lから、Your SIZEへ。世界へアクセルを踏む、「ZOZO」の挑戦

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さらに、「ZOZO」は世界展開へ向けたアクセルを踏もうとしている。

日本を除く世界72カ国10万人に「ZOZO SUIT」、そして「ZOZO」のTシャツとデニムを無料配布するという。その大胆な作戦に、会場からは驚きの声が上がった。

「戦略よりも先に、世界中の人が抱えている『サイズが合わない』といった課題があります」(前澤氏)。

"背の低さ"や"足の短さ"ゆえに、なかなかサイズの合う服に出会えなかった経験が、「ZOZO」誕生に繋がったという。

「10万人の体型データ」の使い道は明かされていない。他社に提供する予定は一切ないそうだ。これまで誰も取得し得なかった、世界中のパーソナルデータを手にする「ZOZO」は、本気で世界を取りに行くのだろう。

「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を」

一枚の服が、人生を変えてしまうことがある。大げさかもしれないが、本気でそう思う。自分に"ぴったり"な服を着れば、自信が満ちて外に出かけたくなる。そして、「その服良いね」「どこで買ったの」の会話から、新たな出会いが生まれ、人と人とが繋がることもあるからだ。

企業都合でつくられた「S・M・L」の概念を無くし、服を自分に合わせていく。新生ZOZOが、最新テクノロジーの力で実現する「未来の服づくり」は、世界70億人の人生までも、変えてしまうことがあるのかもしれない。

取材・文:井下田 梓

ライター・編集者。アパレル販売、WEBマーケターを経て、現職。関心領域はファッションテック、映画、文化人類学。
Twitter:@azuuuta0630

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