日本の若者の間に兆しが見える"新しい動画コミュニケーション"とは 第4回SENSORS SALON トップクリエイターが語るクリエイティブの今と未来への挑戦(6/7)

2015.02.14 17:32

バスキュール・朴正義、チームラボ・猪子寿之、PARTY・伊藤直樹、電通・菅野薫、広告やアート、エンターテイメントを牽引するトップランナー4氏が2014年のクリエイティブを振り返りつつ、2015年、そして未来を展望する。
"第4回SENSORS SALON #6/7"


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バスキュール・朴正義氏


■今年のキーワードにバスキュール・朴氏があげたのは、新しい"動画コミュニケーション"


--朴さんは今年のキーワードとして考えられていることはありますか。


:今年は動画のシェアがより流行するのではないかと思っています。

動画のシェアというとYouTubeが基本だったと思うのですが、最近若い人たちの間で変化が起きつつあるように感じています。

例えば、「MixChannel(ミックスチャンネル)」では高校生カップルが盛んに自分達の10秒の動画を上げています。
海外ではFacebookが30億ドル以上でSnapchatを買収提案したりしていたのですが、日本では流行らないんじゃないかと思っていました。

だから、MixChannelを知ったときはビックリしましたね。


猪子:それは日本のサービス?


:そう。投稿に「いいね」が6千とか1万とか普通についていて、広告の仕事でそんな数字簡単には取れないじゃないですか。

とうとう知らない種類の人達がでてきたなぁと。

こういう若い人たちに向けて何を見せるのかも考えていかなければいけないですね。


猪子:初歩的な質問なんですけど、YouTubeとかUstreamとか、ニコ生じゃなくてコッチに上げるのは何でですかね?


:何でですかね...。
YouTubeって見るために行くところじゃないですか。
だから本当に自分が受け手ではなくて、送り手側になりつつあるということじゃないですか。


猪子:じゃあインターフェイスも送りやすいようになってるんですかね?


:多分そうなんでしょうね。
本当にそういう時代になりつつあるんだとしたら、CM1本で超えていくのって難しいと思うんですよね。


菅野:そうですね。


:僕もつい一ヶ月前までは知らなかったんですよ。

実は高校生たちの間でこういうことが流行っているっていうのが結構衝撃的で。


--これからはインターネット上にこういったささいな動画が溢れていくということでしょうか。


:そうですね。
写真でいうと、初めはFlickrっていうサービスがあって、一眼レフを持っているちゃんとしたカメラマンの人たちが使っていたのが、今はTwitterやFacebookで今日何食べたとか、友達と「イェーイ」みたいなのを上げていて、むしろそっちの方が大勢になっている。

動画はYouTubeでテレビをコピーしたやつや、音楽のPVなど完成されたものを上げるのから、「どんどん俺を見ろ」みたいなよりパーソナルなものをYouTubeではなくFacebookに上げたりしていて、メディアの視聴環境が目まぐるしく変わっているように思います。

こういった状況にあって、単に完パケのものを納品するんじゃなくて、彼らにツールを提供するとか、そういうところまで考えていかないといけないですね。


■若者が求めるのは簡単な編集で「なんとなくいい感じ」でシェアできる"リア充ツール"


猪子:Instagramじゃないけど、アプリとセットで簡単に編集できるから普通の子たちは使いやすいんでしょうね。

スマホで撮って、その場で編集できて、音楽が付けれてっていう。


菅野:以前、"RoadMovies"っていうアプリを作ったんですけど、まさに編集もしないで、ただフィルターをかけて、音楽をかけるだけだったんですね。


猪子:あれオシャレになりますねもんね、誰が撮っても。


菅野:なんとなく、それ風になるんですよ。
簡単なリア充ツールじゃないですけど、なんか良い感じでシェアできるのが流行るんでしょうね。


:MixChannelは10秒動画ですけど、GoProにしても、これからはそこら中にカメラが設置されて、垂れ流しになっていくような気がします。

そのうちキュレーションする人も出てきて、見たいものをみれるみたいな。

今は大きなデータも扱えるようになってきているので、そういう世の中になっていくんじゃないでしょうか。
若干未来的ではありますが。


猪子:そうすると、次の段階としては一年後には絶対に消えるみたいなサイトが流行るかもしれないですね。Snapchatは10秒で消えますよね。たしかに数秒で消えるならLINEとかでちょっと人に送るにはちょうどいいけど、出して数秒はさすがに辛いから半年とか1年とか。


伊藤:そうなんだよね。サイクルは早くなっていくと思うんだよね。

猪子:必ず消えるのが安心感というか。


■溢れる"シェア"はもはや止めることができない


--「一億総クリエイター時代」というような言葉も聞かれますが、これから流れとして、頑張って作り込んだものを上げるのか、それとも日常の些細なものを上げるのか、どちらが優勢になっていくんでしょうか。


猪子:日常化するんじゃないですか?


:さきほどのディズニーの話と一緒で二極化していくと思います。

その瞬間ごとなのか、時代を超えて残るものなのか、二つのどちらかを選んでやっていかないと意味がなくなっていくと思います。


伊藤:だって、今の子たちって撮った動画をそのままピュッとあげられるから、シェアの寸止めされてるわけじゃないですか。

だから僕も大学で教えているので分かるのですが、一般的学校教育では「シェアは気をつけろ。あげるな。」って言うんですよ。


猪子:へー、何でですか?


伊藤:いや、色々あるんですよ。

ただ僕はそういう風に制限するのはほんとにダメだと思う。
シェアをしまくって表現をしているわけだから、それを止めるには根っこを断つことだと思うんですよ。


菅野:止められたら余計にシェアしたくなっちゃいますよね。


伊藤:そうそう。


猪子:いや、昔から言われるんだけど、全然関係ないと思う。
止められようが、止められないだろうが、シェアしたいんですよ(笑)


:でもきっと30年前の人からしたら、僕らが仕事中にFacebookとかで色々あげたりとかはやっぱり異常ですよ。

でも段々そういうふうになっていくというか。
ほんとに未来っぽくなってきという意味では、「面白いな〜」というふうに思いますね。


第4回SENSORS SALONトップクリエイターが語るクリエイティブの今と未来への挑戦(6/7)動画でもご覧いただけます
【メンバー】朴正義(バスキュール)、伊藤直樹(PARTY)、猪子寿之(チームラボ)、菅野薫(電通)

クリエイターの"新しいチームワーク"の行方(7/7)に続く


(文・構成 長谷川リョー)
長谷川リョー:
フリーライター。
東京大学大学院学際情報学府在籍。


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