爆速チームが生み出した「トレンドコースター」の開発の裏側とは?

2014.10.24 20:55

トレンドの波を実感できる「ヤフートレンドコースター」をご存知だろうか?
ソーシャルメディア上で話題になっていると思うキーワードをリアルタイム検索すると、投稿件数の推移のグラフがそのままジェットコースターのコースになる。トレンドコースターは、そのコースをリアルに走行しているような体験をヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」とドライブシミュレーター「Motion-sim」の2つを活用して得ることができる新感覚のアトラクションである。
開発者であるYahoo!Japan 内田伸哉(うちだ しんや)氏に空間デザインを学びメディアアートが大好きな現役女子大生の花田佳奈が開発の意図や裏側を尋ねた。


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トレンドコースターに試乗するインタビュアーの花田


■Yahoo!だから考えられる「インターネットの未来」


-- トレンドコースターが誕生した経緯について教えてください。
内田:Yahoo!の「未来広告プロジェクト」からはじまりました。未来広告プロジェクトにはインターネットの歴史を開拓してきたYahoo!だからこそインターネットの未来を語れることが重要であると思いが込められています。昨年は3Dプリンターと3Dデータベースと検索システムを連動させた「触れる」検索を行いました。今年はリアルタイム検索を「体感」をするというテーマで、本当の意味でインターネットのトレンドの波に乗ることができたら「体感」が実現するのでは?という発想からトレンドコースターが生まれました。


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トレンドコースターについて語る内田伸哉氏


--トレンドコースターはどのような部分が未来の「広告」なのでしょうか?
内田:お客様の商品の話題度をコースにしてしまうことが広告になっています。
今回はadidas、日産、日清(カップヌードル)の3社にスポンサーいただき、専用のコースが表示されるようになっています。


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■最新のテクノロジーより、人間の感情に刺さる"良いもの"をつくりだす


--「Oculus Rift」といった最新のテクノロジーを活用することは意識的に行っているのでしょうか?
内田:最新のテクノロジーを使うということにこだわりはありません。最新のテクノロジーを使うとなると、それを使うこと自体が目的になってしまいがちですから。人間の感情に刺さる"良いもの"をつくることを大切にしています。まず、未来のことを考え、技術的に今できるようになったことを探す。その中で人の心を動かせるようなもの、直感的に楽しいものを見つけるといった作業が毎回大変ですね。


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「Oculus Rift」を装着


--トレンドコースターはどのような「感情」に着目したのですか?

内田:直感的に誰もが面白いと思えるもの、ワクワクするものを意識しました。インターネットが生まれた当初はそれ自体がワクワクする存在でした。今、インターネットを使ってワクワクを表現するとなると「トレンドの波を実際に乗る」ということが表現の一つだと思いました。


■「爆速」で楽しさをつくりだすチームづくり


--開発はどのような体制で行ったのですか?
内田:Yahoo!と広告代理店と制作会社との3社で行いました。Yahoo!のサービスとも連動しているので、トレンドコースター専用のAPIなども自分達で開発しましたね。企画の期間を除き、約3ヶ月で開発を行いました。


-- 3ヶ月!はやいですね!
内田:現場の裁量権が大きいのでプロジェクトマネージャーを中心に意思決定が速く行えます。経営スローガンが「爆速」ということでスピード感は意識していますが、社内ではこの期間は普通の速さです。ただ、スピードを意識する一方で、チームメンバーには誰の意見であろうと「好き」「嫌い」の意思表示をはっきりさせるようにしていました。好き嫌いが無い所には何も生まれないと思います。


■インターネットは何ひとつ新しいことを生み出せていない!


内田:実はインターネットは何ひとつ新しいことをやっていません。
基本的にはスピードが速くなっているだけで、今はインターネット上に必要最低限のインフラが整っています。トレンドコースターは一例ではありますが、
インフラを生かしてどう「楽しい」をつくっていくか、さらには「世界的な問題」に語りかけていけるような展開ができる会社にしていければいいと思います。


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トレンドコースターでの内田伸哉氏と花田佳奈



私(石塚)はYahoo!Japanのイメージとして、スタートアップを多数買収していることなどから「攻めている」「前衛的」というイメージを持っている。一方で、内田さん達の世代においては、「インターネット業界の老舗」「昔からある」というイメージを持たれているらしい。今回のトレンドコースターを初めて見た時、素直に「Yahooらしさ」を感じたのだが、みなさんはどのような印象を持たれただろうか?


(SENSORS編集部 インタビュー:花田佳奈、文:石塚たけろう)


花田佳奈:
慶應義塾大学環境情報学部3年。学生を対象としたマーケティングコンテストの企画・運営を行う学生団体applimに所属。今秋に『Re-invention〜再発明〜』をテーマとするコンテストを開催し、広報担当として活動。ダンスを6年間やっており、高校時代は全国大会準優勝。ライゾマティクスの作品等、メディアアート鑑賞を趣味とし、研究室では空間デザインを学ぶ。


石塚たけろう:
ベンチャーキャピタルやデジタルマーケティング企業複数社での業務を経験後、現在は広告会社にてスタートアップと大企業の共同事業開発モデルであるコーポレート・アクセラレーターの運営に携わる。Webディレクター。早稲田大学在学中。

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