グラドル自画撮り部・部長(尻職人)倉持由香が語るソーシャル・マーケティングの極意とは [前編] グラドル氷河期を乗り切るためのセルフプロデュース術

2014.12.31 01:00

Twitter Japanが12月に発表した、2014年に日本で盛り上がったトレンドハッシュタグで8位にランクインした「#グラドル自画撮り部」。日本でもセルフィーが盛り上がりを見せるなか、発起人であり部長を務める倉持由香に話を聞いた。
部活動を始めた経緯、ソーシャルメディアの有効な活用法、セルフブランディングの極意まで。彼女の話から浮かび上がった「グラドル自画撮り部」の背景には、徹底したマーケティング戦略と純粋なまでのグラビア愛があった。

倉持由香(グラドル自画撮り部 部長 "尻職人")

■「グラドル自画撮り部」を始めたのは、グラビアアイドル氷河期を脱するため

--まずはじめに、「グラドル自画撮り部」を発足して、今に至るまでの簡単な経緯をお聞きかせください。

倉持:
「グラドル自画撮り部」はツイッター上のハッシュタグを使った部活動です。始めた背景に、昨今のグラビアアイドル氷河期があります。イエローキャブさんやほしのあきさんが活躍していたグラビアアイドル全盛期から下の世代が育っておらず、グループアイドルさんに取って代わられた格好になってしまいました。今は紙媒体が売れない時代なので、グラビアアイドルにとっても活躍できる場が少なくなってきています。この現状をどうにかしようと今年の1月17日に部活動を発足しました。

--正確な日付も覚えているんですね。具体的にはどのように立ち上げたのでしょうか。

倉持:
前日の16日に、副部長の吉田早希ちゃんと書記の塚田舞ちゃんとグラビア業界の今後について語り合っていました。その頃私は"尻職人"として、お尻を強調した自画撮りをツイッターに載せていたら、『週刊プレイボーイ』で取り上げられたり、個人としては順調だったんです。これを一つのムーブメントにできないかと思い、17日の朝方にツイッターで「ハッシュタグ"グラドル自画撮り部"を作ったらどうだろう」と塚本舞ちゃんに呟いたら、その日のうちにグラドル仲間100人に一気に広がったんです。三日後にはヤフーニュースで取り上げられました。
このなかには会ったことのない友達の友達みたいな子も多くいたんですが、こうやって爆発的に広がるっていうのがツイッターというツールの特性だと思います。

■独り占めするのではなく、大きなパイを焼きたい

倉持:
グラビアアイドル業界自体が縮小しているので、その狭い世界でファンを取り合う競争をするよりも、大きいパイを焼いて、集団として対抗しないことにはグループアイドルさんと戦っていけないと思います。

--やはりグループアイドルは意識するところがありますか?

倉持:
切り離せない関係にあると思います。ただ、現状をグループアイドルさんのせいにはしたくないんです。良いところはどんどん吸収したい。グループアイドルさんの人気を私なりに分析すると、やっぱり一番大きな違いとして"個人"なのか"集団"なのかというところに行き着きました。たとえば「東京ドーム」という一つの大きな目標に向かって切磋琢磨したり、女の子たちがみんなで頑張っている姿って爽やかで気持ちの良いものですよね。グラビアアイドルは基本的に個人行動なので、みんなで夢に向かって頑張る要素はなかったので、そこを取り入れたら人気も再燃するんじゃないかと思いました。名前を「部活」にしたのも、夢に向かって一丸となっているような"爽やかさ"を出して、応援してもらえるようにしたかったからです。

--部員になるための方法や条件はあるんですか?

倉持:
いちおう決めているのは、"グラビアアイドル"という肩書があること、グラドルが好きってことです。ハッシュタグを使っていただいたグラドルさんを公式アカウントでフォローすると公式部員になります。 私たちグラドルにとって自画撮りっていうのはPRであり、プレゼン資料なんです。業界の方やファンの方々に向けて、「私こんなグラビア撮れるんです!」っていうアピールの場のような感じですね。

--ファンの方の反応はどうでしたか。

倉持:
すごく喜んでくださいました。ファンの方以外にも「グラビアアイドル名鑑」みたいに手早く可愛い子を見つめてもらえるカタログというか、事務所さん、業界の方にとっても良いグラドルを見つけやすいツールになったかと思います。

--2014年のツイッタートレンドで8位を獲得したことの反響の大きさはどのように捉えていますか。

倉持:
やはり日本だけでなく、海外のニュースサイトにも紹介してもらったのが大きかったように思います。地球の裏側、ブラジルのニュースにもなりました。先日、台湾で写真集の撮影をしていたときも、ツイッター経由で知った現地のファンの方が撮影現場まで来てくれたりもしました。

Twitterの2014年(日本のトレンド編)

https://blog.twitter.com/ja/2014/yearontwitter2


■セルフプロデュースの時代に"倉持由香"という商品をいかにパッケージ化し、広めるか

--ツイッター以外のツールはどのように使い分けされていますか。

倉持:
ツイッター以外にもフェイスブックなどもやっていますが、一番力を入れているのはブログです。ツイッターは拡散力・爆発力はありますが、情報がどんどん流れてしまうので、告知のまとめや一日のお仕事の感想はブログにまとめて長文で書くようにしています。SNSは種類によってそれぞれの特性を理解して使うことでより有効なツールになると思っています。

ただ、ツールがなんであれ、私が常に意識しているのはユーザーの方がなにを求めているのかということです。グラビアアイドルという"倉持由香"を商品として考えて、いかにパッケージしていくのか。キャッチーなコピーが欲しかったので、"尻職人"というワードを自分で付けましたし、どういうふうにサンプリングすればいいかということで、ティッシュ配りのイメージで知名度を向上させるために自画撮りをバラ撒きました。
当時のマネージャーさんには「商品であるお尻の画像をバラ撒いたら、DVDが売れなくなるからやめたほうがいいんじゃないの?」と心配されましたが、まずは知名度を上げることが最優先だと思ったのでやり続けました。結果的に、DVDがAmazonランキングで一位を獲得することができました。

実際、可愛くておっぱいの大きいグラドルって掃いて捨てるほどいるんですよ。「可愛い子ってこんなにいるんだな」って、グラドル自画撮り部を始めてからより一層思ったんですが、それでも芽が出ずに地上に出れない子がたくさんいる。売れる人がごく少数の中でどうやったら売れるのか、一つ抜けられるのかを考えたときに、みんなで巨乳の山を登っても勝てないんですよね。テッペンに立てるのは一人なので。だったら私は尻職人の山を自分で立てようと思って、近所の砂場にういしょ、ういしょと積み始めました。違う土俵で、違う山に。
新しいルートを自分で開拓しないと、グラビアアイドルって事務所の人やスタッフさんの着せ替え人形になりがちなところがあって。
今後はよりいっそう自分と向き合う力(セルフプロデュース力)が求められる時代だと思いますね。

後編(グラドル自画撮り部・部長(尻職人)倉持由香が語るソーシャル・マーケティングの極意とは [後編] "グラビアイドル"という日本文化を世界へ)に続く

取材・文:長谷川リョー

SENSORS Senior Editor
1990年生まれ。フリーライター。これまで『週刊プレイボーイ』『GQ JAPAN』WEBなどで執筆。「BOSCA」編集長。東京大学大学院学際情報学府在籍。最近の関心領域は「人工知能」。将来の夢は馬主になることです。
Twitter:@_ryh

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