「ウェアラブルトマト」の全貌が明らかに!明和電機の開発アトリエに潜入取材!

2015.02.20 18:11

カゴメと明和電機がタッグを組んだ前代未聞の実験作「ウェアラブルトマト」は、開発段階の予告動画が公表されるなり、Web上で一挙に話題を集めた。19日の完成発表会に先立ち、SENSORSでは公式発表前に明和電機の開発アトリエに潜入取材を敢行し、カゴメの狙いを伺い、開発風景をキャッチしてきた。

開発までの道程をコミカルなタッチで描いたコチラのムービーは公開されるなり、話題沸騰に

■バナナのモバイル性に対抗すべく開発された「ウェアラブルトマト」とは!?

スポーツシーンで好んで摂られるものとして今まではバナナが定番だった。その"モバイル性"に対抗すべく、今回企画開発されたのがこの「ウェアラブルトマト」だ。
元来トマトはスポーツとの相性がいい。トマトに含まれるリコピンやβカロチンには抗酸化作用があるため、運動によって溜まった活性酸素を取り除く機能がある。「バナナと同じように、トマトも気軽にどこでも持ち歩いてほしいという思いがあった」と語るカゴメ担当者に対し、「トマトジュースじゃダメなんですか?」という素朴な疑問をぶつけてみたところ、「機能的には問題はないのですが、やっぱりフレッシュさが違うので」との回答があった。

実際に開発に踏み切った背景には三日後に迫った「東京マラソン」がある。カゴメでは三年前より東京マラソンに協賛しており、以前から多くのランナーにスポーツとの相性が良いトマトを積極的に摂ってほしいという願いがあった。
「東京マラソン」というファンランナーも多いイベントということで、気軽に楽しくトマトを摂ってほしい。そこで白羽の矢が立ったのが、「オタマトーン」など数々のユニークな作品制作で国際的な評価も高いアートユニット"明和電機"だ。

ウェアラブルトマトを実際に装着する開発者の明和電機・土佐信道氏

本来「ウェアラブル」は、電子機器というイメージが強い一方で、歩数・睡眠・運動などのライフログをとり、健康管理をアシストするためのツールに適しているという一面もある。
とはいえ今回、ウェアラブル化したいのは前代未聞、生の野菜・トマトだ。トマトは非常に柔らかいので強く圧力をかけると簡単につぶれてしまう。トマトをウェアラブルで装着した状態で、ある程度の距離を走るとなれば重すぎず、堅牢な外回りが必要となる。
こうした多くの障害がある中で、開発に当たった明和電機の土佐氏がもっとも難しかったと語るのは「背部から口元までトマトをスムーズに運ぶ機構の設計」だったという。当初の実験段階ではすぐにトマトがつぶれてしまったが、最終的に現在の完成形に落ち着いた。
一方もっともこだわったのはそのビジュアルで、装着したときの面白みとキャッチーさを大事にしたそうだ。

明和電機アトリエでの開発風景

内部機構を描いた開発スケッチ

今回、「ウェアラブルトマト」を着用して東京マラソンに出場するという大役を務めることになったカゴメ社員の鈴木氏は1.5kmの持久走以外にマラソンの経験が皆無という初心者ランナー。カゴメが鈴木氏を指名した理由もまさしくここにあり、一般のファンランナーにトマトをより身近に感じてもらいたかったことが指名につながった。
指名されたことについて鈴木氏は「未だにビックリしてます...」とおそるおそる語り、緊張の表情がうかがい知れた。

鈴木氏が本番で着用するのは【写真中央】の東京マラソンの規定に沿ったモデル。鈴木氏が担いでいるウェアラブルトマトは21日に開催されるフレンドシップランでのみ披露される。

ウェアラブルトマトを着用して東京マラソンに出走予定のカゴメ・鈴木重德氏

直前に迫った東京マラソン。去年の三月まで微生物などの基礎研究に励んでいたという鈴木氏が、「ウェアラブルトマト」を着用しながら東京の街を走り抜けるその勇姿にも期待したい。

取材・文:長谷川リョー

1990年生まれ。フリーライター。これまで『週刊プレイボーイ』『GQ JAPAN』WEBなどで執筆。「BOSCA」編集長。東京大学大学院学際情報学府在籍。@_ryh

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